◇浦学、好発進8強 帝京三に7-0 |
第67回春季関東高校野球大会第2日は山梨県の山日YBS球場などで2回戦の残り6試合を行い、選抜大会4強で推薦出場の埼玉大会覇者・浦和学院が7-0の七回コールド勝ちで帝京三(山梨3位)を退け、8強に進出。2年ぶり5度目の栄冠に向けて好スタートを切った。
浦和学院は選抜大会から約1カ月半ぶりの公式戦マウンドとなるエース左腕江口が先発。毎回走者を背負いながらも、緩急巧みに要所を締めて7回無失点と好投した。打線は二回に山崎滉の2点二塁打など打者一巡の猛攻。6安打で6得点と効率的に大量リードを奪い、七回には諏訪の右犠飛で突き放した。
第3日の18日は2球場で準々決勝4試合を実施。浦和学院は4強入りを懸けて前橋育英(群馬1位)と激突(9時30分・富士北麓公園野球場)。川越東は佼成学園(東京2位)と対戦する(10時・山日YBS球場)。
◇浦学、コールド8強 帝京三に7-0 エース江口7回無失点 |
第2日は2回戦の残り6試合を行い、選抜大会4強で推薦出場の埼玉王者・浦和学院が山梨3位の帝京三に7-0の七回コールド勝ちを収めて8強に進出。2年ぶり5度目の頂点へ好発進した。
浦和学院は選抜大会から約1カ月半ぶりの公式戦マウンドとなるエース左腕江口が先発。毎回走者を背負いながらも、緩急巧みに7回を無失点に抑えた。打線は二回に山崎滉の2点二塁打など打者一巡の猛攻で6点を奪い、七回には諏訪の右犠飛で勝利を決定付けた。
第3日は2球場で準々決勝4試合を実施。浦和学院は4強入りを懸けて前橋育英(群馬1位)と激突(9時30分・富士北麓公園野球場)。川越東は佼成学園(東京2位)と対戦する(10時・山日YBS球場)。
◇選抜以来 粘りの好投 |
山梨の高校野球ファンに持ち前の強心臓を披露した。選抜大会を一人で投げ抜いた浦和学院のエース左腕江口が、約1カ月半ぶりの公式戦で7回無失点と好投。「公式戦の雰囲気は久しぶり。いいところも悪いところもあった」と冷静に試合を振り返った。
一回から七回まで毎回走者を背負ったものの、ホームを踏ませない粘りの投球は背番号1の真骨頂。四回2死二、三塁を無失点で切り抜けると、七回には自らの暴投で招いた1死三塁の場面も後続を三邪飛、投ゴロと難なく打ち取った。
序盤は見せ球で球数を要した。「テンポを意識しないと。3人で切ったり、守備からリズムをつくる」と反省したが、収穫もあった。内角の直球で狙い通りにファウルを誘い、決め球のチェンジアップが低めに決まって三振は六つを数えた。
甲子園での快投で全国的に注目される立場となったが、浮かれる様子はみじんも感じさせない。「まだまだ克服できていない部分が多い。一球一球の精度を磨いていきたい」と向上に余念がなかった。
◇頼れる4番、追加点 |
頼れる4番のフルスイングが勝利を大きく引き寄せた。二回1死満塁で打席に立った山崎滉。1ボール1ストライクから5球続けてファウルで粘り、「最後は踏み込んで思い通りに打てた」と、外角の直球を右翼線に運ぶ2点二塁打で貴重な追加点をたたき出した。
打ち気があふれ出るあまり、「突っ込んで凡打してしまう」と選抜大会で見えた課題の修正に励む。「練習はとにかく力を抜いて自分のポイントまで引き付ける」と、唯一無二の勝負強さを追い求めている。
◇一気呵成の集中打 試合運びには課題 |
二回に一気呵成(かせい)の集中打で大勢を決めた浦和学院だったが、その後の試合運びには課題が残った。帝京三の2番手右腕中尾を攻略し切れず、三回以降はわずか1安打。森監督も「間延びしちゃいましたね」と不満を口にした。
大量得点で生まれた心の隙に指揮官は「修正したいけどなかなかできない部分。できているつもりになっていることが本当の課題」と引き締める。わずかなほころびが致命傷となりかねない夏。それまでに残された準備期間は残りわずかだ。
(埼玉新聞)
◇「結果残さないと」背番号7の覚悟 幸喜選手 |
「結果を残さないといけない」。二回無死一塁、浦和学院の幸喜勇諮選手(2年)は、強い覚悟を持って打席に入った。2球目の甘い球を見逃さず右前へ。後続の適時打で先制の本塁を踏んだ。
選抜大会では背番号8をつけたが、森士監督は「チャンスをつかみきれていない」と、背番号を18に変えた。チーム力の底上げを狙う起用法の一つだが、幸喜選手にとっては「控え降格」をほのめかされた格好で、緊張感は高まった。
「試合だけでなく、練習でも結果を残そう」。自分のスイングを見直した。これまでは、球に当てるだけの凡打も多く、併殺打で流れを悪くしたことも。球筋をよく見て、振り抜くことを心掛けるようにした。迎えた春の県大会決勝で適時打2本。監督の期待にバットで応え、関東大会からは背番号7をつける。
2年生で背負う強豪の「1桁」は重い。「夏の甲子園ではチームの総合力が大切になる。先輩たちの足を引っ張らないようにしたい」と気を引き締めた。
(朝日新聞埼玉版)
試合結果 |
2回戦 5月17日(山日YBS球場) | ||||||||||||
TEAM | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | H | E |
帝京三 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 5 | 0 | ||
浦和学院 | 0 | 6 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1x | 7 | 7 | 1 | ||
【浦】江口-西野【帝】茶谷、中尾-稲葉、鶴岡 ▽二塁打:山崎滉(浦) |
浦和学院打撃成績 | ||||
位置 | 選手名 | 打数 | 安打 | 打点 |
⑤ | 諏訪 | 2 | 2 | 1 |
④ | 臺 | 2 | 1 | 1 |
⑥ | 津田 | 3 | 0 | 1 |
③ | 山崎滉 | 2 | 1 | 2 |
⑨ | 高橋 | 2 | 0 | 1 |
⑧ | 荒木 | 2 | 1 | 0 |
② | 西野 | 3 | 1 | 0 |
⑦ | 幸喜 | 2 | 1 | 0 |
① | 江口 | 3 | 0 | 0 |
計 | 21 | 7 | 6 | |
帝京三打撃成績 | ||||
位置 | 選手名 | 打数 | 安打 | 打点 |
⑨ | 山本 | 3 | 1 | 0 |
④ | 坂本寛 | 3 | 1 | 0 |
⑤ | 水上 | 2 | 0 | 0 |
5 | 中村 | 1 | 1 | 0 |
①8 | 茶谷 | 3 | 1 | 0 |
② | 稲葉 | 1 | 0 | 0 |
1 | 中尾 | 2 | 0 | 0 |
⑦ | 渡辺 | 0 | 0 | 0 |
7 | 松崎 | 0 | 0 | 0 |
H | 坂本晴 | 1 | 0 | 0 |
7 | 押 | 0 | 0 | 0 |
③ | 伊東 | 3 | 1 | 0 |
⑧ | 石川 | 1 | 0 | 0 |
2 | 鶴岡 | 1 | 0 | 0 |
⑥ | 菅沼 | 3 | 0 | 0 |
計 | 24 | 5 | 0 |
投手成績 | |||||||
TEAM | 選手名 | 回 | 被安打 | 奪三振 | 四死球 | 失点 | 自責点 |
浦和学院 | 江口 | 7 | 5 | 6 | 2 | 0 | 0 |
帝京三 | 茶谷 | 2 | 6 | 1 | 4 | 6 | 6 |
中尾 | 4 2/3 | 1 | 2 | 7 | 1 | 1 |
TEAM | 三振 | 四死球 | 犠打 | 盗塁 | 失策 | 併殺 | 残塁 |
浦和学院 | 3 | 11 | 5 | 0 | 1 | 0 | 10 |
帝京三 | 6 | 2 | 2 | 1 | 0 | 1 | 7 |
投打で地力の差を見せつけた浦和学院が帝京三に快勝した。
浦和学院は二回1死満塁から台の中前適時打で先制すると、津田が押し出し、山崎滉が右翼線への2点二塁打と続き、この回打者10人6安打の猛攻で6得点と大量リードを奪った。投げては選抜大会から約1カ月半ぶりの公式戦マウンドに立ったエース左腕江口が7回無失点と反撃を封じた。