5日に兵庫県西宮市の甲子園球場で開幕する第100回全国高校野球選手権記念大会の組み合わせ抽選会が2日、大阪市のフェスティバルホールで史上最多の56校が参加して行われ、初戦の対戦相手が決まった。
前回、埼玉県勢悲願の初優勝を果たした4年連続6度目出場の北埼玉代表・花咲徳栄は第4日の8日、第4試合で2年ぶり12度目出場の鳴門(徳島)と1回戦で戦う。5年ぶり13度目出場の南埼玉代表・浦和学院は第8日の12日、第2試合で2年連続27度目出場の仙台育英(宮城)と初戦の2回戦で対戦する。
抽選の順番を決める予備抽選は、2校が出場する都道府県は1~18番で埼玉は3、4番と決められており、浦和学院が4番、花咲徳栄は3番を引いた。一塁側と三塁側を分けるAとBの抽選は一塁側のAに決まった。
鳴門の挑戦を受けることになった花咲徳栄の杉本直希主将は、「どこが相手でも自分たちの力を出し切ってやるぞという気持ちに変わりはない。まずは初戦を大事にしたい」と連覇に向け、落ち着いた様子で話した。
浦和学院は2013年の同選手権1回戦で仙台育英にサヨナラ負けした。蛭間拓哉主将は「(仙台育英)がくるような気がしていた。強豪と試合ができることとリベンジの機会ができて、うれしい」と、因縁の相手との初戦を歓迎した。
開会式は皇太子さまをお迎えして開催され、開会式後の始球式には、星稜(石川)出身で、プロ野球巨人や米リーグのヤンキースで活躍した松井秀喜さんが登場する。選手宣誓は近江(滋賀)の中尾雄斗主将が務める。
浦学、5年前の雪辱戦「先輩を越えたい」
5年前の雪辱戦だ。前回出場した第95回大会の初戦で春夏連覇を阻まれた仙台育英が隣に飛び込んできた。森監督は「まさかとは思ったが、神様がもう一回やってみろって言っているようだ。運命だね」と導かれるように決まった対戦カードを歓迎した。
甲子園出発前に「今までの先輩たちの雪辱を果たしたい」と誓っていた主将蛭間にとっても意味のある相手となった。「5年前のあの試合を見て、浦和学院に憧れた。その先輩たちを越えたい」と気持ちを高める。
5年前に甲子園で涙を流したエース小島から出発前に激励を受けたばかり。「小島だけのリベンジではないが、いろいろなチャレンジをするには絶好の相手」と森監督。これまでにないチームづくりに挑戦してきた浦和学院にとって、これほどの相手はいない。
(埼玉新聞)
5年前の再戦、興奮
4番目にくじを引いた浦和学院は、半数の抽選が済んでも対戦校が決まらなかった。選手たちはそわそわした様子だったが、5年ぶりの夏の甲子園で戦う相手が分かるやいなや、興奮に包まれた。5年前、夏の初戦で敗れた相手こそ、仙台育英だったからだ。
当時、試合をテレビで見ていたという矢野壱晟選手(3年)は「自分の中でも特に印象的な相手。なんとしてもリベンジを果たしたい」。宮城県出身の阿部鳳稀(ふうき)選手(3年)にとって、相手の遊撃手や捕手は旧友だ。「故郷相手でも、戦いでは敵同士。絶対に負けられない」と話す。
森士(おさむ)監督は「最高じゃないか」と、抽選に臨んだ蛭間拓哉主将(3年)の肩をたたき、「『まさか』と思ったが、また対戦できるなんて神様のおぼしめしでしょう。じっくり準備をして、力を出し切るだけだ」と語った。
仙台育英の横顔「昨夏8強、強みは3人の捕手」
2年連続27回目の出場。昨夏は8強入りした。
エース田中は140キロ超の直球が武器。宮城大会準々決勝では六回まで無安打に抑えて完封した。2年生右腕の大栄は決勝で、無死満塁の場面で継投し、持ち前の制球力で無失点に切り抜けた。
強みは3人の捕手。昨夏の甲子園でベンチ入りした主将阿部、強肩の我妻、安定感のある鈴木悠が投手陣をリードする。
4番小濃は、準決勝で同点の適時三塁打を放つなど勝負強さがある。下位打線も好調で、全6試合で遊撃手沢田が13安打、俊足の熊谷も9安打を放った。
1905年創立の私立。89年に東北勢で初めて決勝に進出した。東北勢初の優勝を狙う。
先輩に代わり勝つ 浦和学院・蛭間拓哉主将
5年前の夏の甲子園の初戦で対戦して敗れた相手なので、必ず勝って先輩たちに代わってリベンジしたい。相手は打撃がいい印象。試合まで時間があるので、しっかりやるべき準備をして、一人一人が120%の力を出す。
時間を有効に準備 仙台育英・阿部大夢主将
対戦相手が分かり、5年前にテレビで見ていた試合を思い出しました。相手は佐野君をはじめ、投打ともにしっかりしている印象。リベンジと思って戦ってくると思うので、育英を背負って戦えるように、時間を有効に使って準備したい。
(朝日新聞埼玉版)
浦和学院vs仙台育英 組み合わせ決定
夏の甲子園の組み合わせ抽選会が2日、大阪市内であり、昨夏の甲子園を制した北埼玉代表の花咲徳栄は8日の第4試合の1回戦で鳴門(徳島)と、南埼玉代表の浦和学院は12日の第2試合の2回戦で仙台育英(宮城)と対戦することが決まった。
浦和学院の蛭間拓哉主将は「5年前の夏の甲子園で負けたリベンジをしたかったので、対戦には運命を感じる。監督からの指導を徹底し、全力でプレーしたい」と意気込みを語った。
抽選会には47都道府県計56校の選手、監督らが出席した。抽選会後、杉本主将は鳴門の三浦光翔主将と、蛭間主将は仙台育英の阿部大夢主将と、健闘を誓い合った。開会式は5日午前9時から甲子園球場で行われる。
仙台育英 2年連続27回目
1905年創立の私立校。夏は2年連続27回目の出場で、春も12回の出場を誇る。89年夏と2001年春、15年夏に準優勝。昨年末に野球部員の飲酒・喫煙が発覚し、対外試合禁止処分を6月まで受けた。今大会では新たに就任した須江航監督の下でノーシードから勝ち上がった。守備は田中星流(3年)、大栄陽斗(2年)の両投手が軸。攻撃も4番・小濃塁選手(2年)を中心に下位打線まで切れ目のない打撃と走力で得点を奪う。
一戦必勝で臨む 浦和学院・森士監督
仙台育英は全国屈指の総合力を誇るチーム。(5年前の夏の甲子園で惜敗しており)対戦は神様のおぼしめしだと思った。過去は気にすることなく、調整を進めて一戦必勝で臨む。
粘り強く戦いたい 仙台育英・須江航監督
試合まで準備する時間があるので、日程としては100点。浦和学院の打線は全国屈指で投手力も高い。いかに足を絡められるかが鍵になる。終盤まで接戦に持ち込み、粘り強く戦いたい。
(毎日新聞埼玉版)
浦和学院、13年夏のリベンジだ!
初戦が仙台育英だと分かった瞬間、浦和学院・森士監督(54)は、ナインの熱い視線を感じた。「運命を感じました。『もう一回戦え』という神様のおぼしめしですかね」。前回出場の13年夏に初戦敗退を喫した宿敵との再戦に、驚きを隠せなかった。
リベンジマッチだ。13年センバツでは、2年生エース・小島和哉(現早大4年)を擁し全国制覇を達成。夏の県大会も制し、史上8校目の春夏連覇を懸けた初戦だったが、10―11の乱打戦でサヨナラ負けを喫した。
甲子園入り前日には当時、9回途中までマウンドに立ち、惜敗で涙をこぼした小島が、100本の「ガリガリ君」を手に激励に訪れた。プロ注目の最速149キロ右腕・渡辺勇太朗(3年)は「先輩たちの借りを返せる相手。決まった瞬間はうれしかった。手も足も出ないようなピッチングをしたい」と気合を入れ直した。
運命のクジを引いた蛭間拓哉主将(3年)は「仙台育英は意識している。そういう相手とやれるのは楽しみ」と笑みを浮かべる。お膳立ては整った。あとは勝利するだけだ。
(スポーツ報知)
浦和学院、5年前のリベンジマッチ
浦和学院は、5年前のリベンジマッチだ。2013年夏の甲子園1回戦で、仙台育英と対戦し壮絶な打ち合いの末に10-11で敗れた。その時以来の甲子園で、因縁の相手との対戦を引き当てた。
プロ注目の149キロ右腕・渡辺勇太朗投手(3年)は、当時の試合を自宅のテレビで見ていた。「自分はその時から浦学が好きで、ナイターになってもずっと見てました。先輩たちが負けた相手なので借りを返せるいい機会。意識しますね」と鼻息も荒い。
甲子園に向けて出発した日に、当時のエース小島(早大)が浦和学院まで激励に訪れ、アイスなどの差し入れを届けた。その時、渡辺だけに、「自分の投球ができれば大丈夫だから」と声を掛けてくれたという。
「すごく優しそうな方で、本当にうれしかった。勝ちたい気持ち強くなりますね」と渡辺。先輩たちの思いを背負って雪辱する。
(中日スポーツ)