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浦学、初戦は東野と 152チーム対戦決定

緊張した面持ちでくじを引く各校の主将ら=19日午後、さいたま市民会館おおみや

 7月10日に開幕する第101回全国高校野球選手権埼玉大会の組み合わせ抽選会が19日、さいたま市大宮区のさいたま市民会館おおみやで行われ、出場152チーム(163校)の対戦相手が決まった。昨秋、今春の県大会王者で5年ぶりの頂点を狙う春日部共栄は初戦の2回戦で所沢の挑戦を受ける。

 春日部共栄と春季県大会準優勝の浦和実がAシードで同3位の山村学園と同4位の東農大三がBシードとなり、山村学園が浦和実ゾーン、東農大三が春日部共栄ゾーンに入った。同8強のCシード、同16強のDシード勢、その後にノーシード校が予備抽選番号順にくじを引いた。

 シード勢は2回戦から登場。初のAシードを手にした浦和実は本庄と対戦。初出場した春季関東大会で4強入りした山村学園は蓮田松韻と、昨秋、今春と2季連続で関東大会出場を果たした東農大三は本庄東と、それぞれ顔を合わせる。

 昨年の北埼玉大会優勝校で5年連続の甲子園出場を目指すCシード花咲徳栄は杉戸農と初戦を争い、昨夏の南埼玉大会王者で34年ぶりのノーシードで臨む浦和学院は初戦の2回戦で東野と対戦する。

 選手宣誓は第101回大会にちなんで、101番の抽選くじを引き当てた川口工の菅野玄太主将が務める。

 開会式は午前11時に始まり、浦和商-志木の開幕試合は午後1時半に開始。順調に日程を消化すれば、決勝は28日の午前10時から県営大宮で実施され、優勝校が全国高校選手権(8月6~21日・甲子園)に出場する。

 入場料は一般500円、中高生200円(開会式は無料)。引率された少年野球、中学生チーム(引率者・保護者有料)、障害者(障害者手帳の提示)と介添者1人、小学生以下は無料。

実力校ひしめく 大会展望

 第101回大会の組み合わせが決まった。総合力では秋春王者の春日部共栄がやや上だが、浦和実、山村学園、東農大三、昌平など投手力の充実したシード校や、打力では頭一つ抜けている花咲徳栄、ノーシードとはいえ、昨夏の甲子園8強のメンバーが多数残る浦和学院など実力校がひしめく今大会を展望する。

春日部共栄-昌平ゾーン 春日部共栄が本命

 エースで4番の右腕村田が投打で引っ張る春日部共栄が、4強入りの本命。春は波があった打線もミート重視の打撃練習でつながりを増した。だが、所沢、ふじみ野、栄北や、春季県大会で苦しめられた松山など気の抜けない対戦が続く。

 昌平はプロ注目左腕のエース米山を擁し、4番渡辺翔など2年生が中心の打線に勢いがある。打力のある聖望学園と、昨夏の南埼玉大会準優勝の原動力になった岩城-高橋のバッテリーが残った川口が初戦で顔を合わせる2回戦は注目だ。

花咲徳栄-東農大三ゾーン 打の花咲徳栄が軸

 昨夏の北埼玉大会王者・花咲徳栄が最も実力を備えている。橋本吏、韮沢、井上、羽佐田ら昨夏の甲子園メンバーで組む上位打線は破壊力抜群。課題は投手力の整備か。春季県大会で敗れた東農大三との再戦が見込まれる準々決勝がヤマ場。

 東農大三はエース右腕飯島の出来が鍵を握る。初戦の本庄東や、5回戦で当たることになりそうな白岡-叡明の勝者など厳しい試合も予想されるが、飯島の余力を残して花咲徳栄との準々決勝まで勝ち上がれるかがポイントになるだろう。

山村学園-西武台ゾーン 勢いある山村学園

 初めて出場した関東大会で4強入りするなど最も勢いのある山村学園が最有力候補。エース左腕和田は制球力があり、インコースを突きながらうまく打たせて取る。組み合わせに恵まれた印象もあるが、昨秋4強の立教新座、本庄第一、23年ぶりのシードを手にした速球派右腕関口がけん引する熊谷商なども侮れない。

 西武台は、エース神山と増田の両左腕と右腕井原のタイプが違う左右3枚の投手陣で最少失点に抑えて粘り強く戦う。5回戦で対戦が予想される川口市立の身長186センチの好左腕中島は要警戒。

埼玉栄-浦和実ゾーン 投手充実の激戦区

 投手力が充実する浦和実や浦和学院、市川越のほか、埼玉栄など実力校の多い激戦区となった。浦和実は先発豆田とエース三田の両右腕を中心に守り勝てるか。4回戦で対戦しそうな浦和学院も下薗、永島の両左腕と右腕美又ら好投手ぞろい。両校の対決となれば、激戦になることだろう。

 その勝者を5回戦で待ち受けるのは市川越か。エース左腕和田に制球力と球のキレが戻ってきた。埼玉栄は北口、和田ら好打者が並ぶ打線が魅力だ。上尾-慶應志木の2回戦は好カード。

一から鍛え巻き返し 浦和学院

 昨秋は初戦の2回戦で敗退し、今春も2回戦敗退で34年ぶりにノーシードの屈辱を味わった浦和学院が巻き返しを図る。主将の中前は「実力不足をカバーするために朝から晩まで質の高い練習をしてきた。その成果を出せば戦える」と、言葉に力を込めた。

 走攻守を徹底的に鍛え直し、公式戦での経験不足を補うために平日でも紅白戦を行って試合勘も養った。森監督は「最後まで戦い抜く体力はつけてきた。悔いが残らない戦いをさせてやりたい」と勝負の夏を見据える。

(埼玉新聞)

152チーム新時代の頂点へ 来月10日開幕

 第101回全国高校野球選手権埼玉大会の組み合わせ抽選会が19日、さいたま市大宮区の市民会館おおみやであり、出場163校152チーム(連合4チーム含む)の組み合わせが決まった。開会式は7月10日午前11時から県営大宮球場で行われ、開幕試合は浦和商―志木に決まった。28日に同球場である決勝まで、県内10球場で熱戦が繰り広げられる。

 101回目を迎える埼玉大会の組み合わせ抽選会場には、緊張と興奮が入り交じった空気が漂った。

 はじめに、春季県大会での成績をもとにしたシード校の指定場所が埋められていった。抽選が進むにつれ、ひそひそ話がためいきに変わり、そしてどよめきが会場のあちこちからわき上がった。川口工が選手宣誓の101番を引き当てると大きな拍手が起こった。

 昨夏の北埼玉大会決勝で涙をのんだ上尾のエース寺山大智君(3年)は「どこと対戦しても1戦必勝の気持ちでいきます。先輩たちの悔しい思いを胸に試合に臨みます」と古豪復活を誓った。埼玉県高野連の吉沢紀生会長は、選手だけでなく指導者らすべての関係者を念頭に「グラウンドだけでなく、普段の生活、行動にもフェアプレーが求められています」とあいさつした。

 埼玉大会の優勝旗も新調され、新たな時代の球児たちの戦いが始まる。

左上ブロック 共栄・聖望など激戦

 昨秋と今春の県大会を制した春日部共栄、昨夏南埼玉大会準優勝の川口、同4強の聖望学園、昨夏北埼玉大会4強の昌平などがひしめく激戦区となった。

 選抜大会に出場した春日部共栄は、今春の県大会で無安打無得点を達成したエース村田の制球力が光る。1試合で複数の本塁打が出るなど、攻撃力も十分。秋と春に続く3季連続制覇を狙う。

 大会屈指の好カードと言えるのが、聖望学園-川口。聖望学園は攻守のバランスがよく、2年生投手の園田は球にキレがある。対する川口は、昨夏もチームの中心だった岩城、高橋のバッテリーが牽引する。

 プロ注目の左腕米山を擁する昌平は勝負強さがあり、走攻守それぞれのレベルも高い。ほかにも、長打力のある城北埼玉や武南、早大本庄など、力のあるノーシードの有力校が集まった。

左下ブロック 徳栄に迫る東農大三

 5年連続の甲子園を狙う花咲徳栄や東農大三が中心。ノーシードも含め実力のあるチームが集まった。

 昨夏の北埼玉大会を制した花咲徳栄は強力打線が健在。昨年から主力の橋本吏や羽佐田らが軸だ。遊撃手韮沢を中心に守備も堅い。春の県大会では東農大三に敗れて関東大会出場を逃しており、雪辱を期す。

 東農大三は「徳栄を倒すために入学した」というエース飯島の力強い直球を武器に、県大会は昨秋準優勝、春も4強に進出した。打線も勝負強く、主将加納を中心としたチームワークで頂点を目指す。

 叡明は春の県大会で浦和学院を破り、勢いに乗る。1番中村の勝負強い打撃や、足を絡めた攻撃が強みだ。本庄東は制球力のある瀬田、強肩の捕手金井の、昨夏を経験したバッテリーに注目。正智深谷の好投手北田は、けがからの復帰を目指す。

右上ブロック 浦和実・浦学…混戦

 好投手を中心とした浦和実や打力のある埼玉栄など力のあるシード校に、ノーシードとなった昨夏南埼玉代表の浦和学院などが絡む混戦が予想される。

 浦和実の2年生豆田は、伸びのある直球で三振が奪える投手。140キロ台を投げるエース三田への継投がパターン。攻撃は中軸で力強い振りの竹内や長谷川らが引っ張る。

 埼玉栄は1番打者北口をはじめ、長打力がある。春の県大会の熊谷商戦ではタイブレークを制するなど、勝負強さもある。

 浦和学院は永島、美又に甲子園の経験がある。打線も中前や後藤ら昨夏の中軸が残り、さらなる強化を図っている。

 昨夏北大会準優勝の上尾と慶応志木の対戦も好試合が期待できそうだ。エース寺山を中心にした粘り強い堅守の上尾に、確実な打撃が持ち味の慶応志木がどう挑むか注目だ。

右下ブロック 山村学園にどう挑む

 春の関東大会で4強に進出した山村学園に、川口市立や熊谷商、昨夏北埼玉大会4強の滑川総合など、公立の有力校がどう挑むかが注目される。

 山村学園はエースの左腕和田が好調。制球力のある1年生小泉らが支える。橋本、小林ら好打者もおり、バランスがとれている。着実に力をつけており、「埼玉の勢力図を変える」と、初の甲子園出場を狙う。

 川口市立は本塁打を打てる4番品田を中心とした打撃で勝負する。熊谷商もエース関口を中心とした守備からリズムをつくる。上位シード校にどう食らいつくかが見どころだ。

 機動力のある野球を展開する西武台に挑むのは、夏の大会は初出場となる浦和麗明。持ち味という打力に足を絡めて、1、2年生だけのチームで戦う。このほか、立教新座や春日部東などの実力校もそろっている。

宣誓「野球できる喜びを」 川口工・菅野玄太主将

 選手宣誓は、抽選会で大会の開催回数と同じ101番のくじを引いた川口工の菅野(すがの)玄太主将(3年)が務める。

 昨年の3年生が引退して以降、部員の減少で8人で練習をしていた時期もあったという。単独チームで出場できるのか不安もあったが、1年生が入部し、夏は部員21人で臨む。菅野主将は「野球ができるという喜びを、選手宣誓に盛り込みたい」。

 とても緊張しているというが「決まったからには、やるしかない。試合でも自分たちの野球をやりきりたい」と意気込みを語った。

浦和商「積極的にいく」 志木「強みを生かす」

 開幕試合は、浦和商と志木の対戦に決まった。浦和商の佐々木翔主将(3年)は「最後の夏だし、開幕試合のくじを引き当てたい」と願っていたという。メンバーは12人と少ないが、試合中も笑顔を絶やさないのがモットーだという。「緊張すると思うが、積極的に声をかけて盛り上げたい」と話した。

 対する志木の山崎耕平主将(同)がくじを引いたのは、浦和商の次。「まさか、自分たちも開幕試合になるとは」と驚いたという。チームの特徴は、バットを積極的に振る攻撃。「浦和商とは初めての対戦」というが、「あまり気負わず、自分たちの強みを生かせるようチームを引っ張っていきたい」と意気込んだ。

(朝日新聞埼玉版)

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