20日に開幕する秋季県高校野球大会の組み合わせ抽選会が18日、さいたま市民会館おおみやで行われ、出場校40校の組み合わせが決定した。
抽選会では、本抽選の前に県大会出場校によるシード校(A、Bシード)を選ぶ投票を行い、今夏の県大会で4強入りした浦和学院が31票で第1シードに決定。今夏、甲子園で実施された甲子園交流試合に出場した花咲徳栄が30票で第2シードとなった。Bシードには18票の春日部共栄と12票の聖望学園が選出され、抽選により、春日部共栄が浦和学院のゾーンに、聖望学園が花咲徳栄のゾーンに収まった。
引き続き各校の監督、部長らが予備抽選順にくじを引き、上尾が浦和学院、蕨が花咲徳栄、与野が春日部共栄、川口が聖望学園のシード勢とそれぞれ初戦の2回戦でぶつかることが決まった。
新型コロナウイルス感染防止のため、試合は原則、保護者らを含めて無観客で行われる。ただし、部員のみスタンドで観戦を許可。夏季埼玉県高校野球大会は選手の体力を考慮して7イニング制で実施したが、今大会から9イニング制に戻る。延長は十二回まで通常に実施し、十三回からタイブレークに突入する。
大会は県営大宮など4球場で行われ、決勝は29日、県営大宮で10時試合開始。上位2校が秋季関東大会(10月24、25、27、31日、11月1日・千葉)に出場する。今大会の8強は、来年の春季県大会で地区予選には出場せず、県大会から登場する。
2強突出、追う実力校
今夏の県大会4強入りの浦和学院と、今夏の甲子園交流試合に出場し、秋季県大会2連覇を狙う花咲徳栄の力が抜けていて2強を形成。追うのは春日部共栄、聖望学園のBシード勢と今夏の県大会準優勝の昌平か。
浦和学院は投打で層が厚い。投手陣は切れ味抜群の直球が武器の1年生エース・左腕宮城を柱に小田部、三奈木の両右腕も頼もしい。攻撃では長打力に加え率も見込める吉田匠、吉田瑞、藤井、高松ら粒ぞろいで4年ぶりの頂点を視野に入れる。
ただ、初戦の2回戦では制球力があるエース右腕新井が軸の上尾が相手で油断はできない。
花咲徳栄も攻守でレベルが高い。投げては高安、堀越、松田の最速140キロ超えの右腕3本柱がそろう。打線では巧みなバットコントロールが光る3番浜岡、地区大会でサイクル安打を達成した5番飛川に、一発もある4番冨田が加わり、歴代と変わらぬ強打は健在だ。
2年ぶりの頂点を狙う春日部共栄は、経験豊富の左腕高橋を軸に最少失点にしのげるか。打線は勝負強い増田、石崎の3、4番がけん引する。聖望学園は松永、北原の右腕2枚が引っ張る。走攻守そろう菅野と好機に強い4番の上石ら足を絡めた攻撃で得点を重ねたい。
昌平は強打者の3番吉野創を中心とした打線に4番福地が加わり、攻撃力に厚みが増した。山村学園は経験値が高いエース右腕小泉ら投手力で秋は初の関東出場を狙う。今夏4強の正智深谷は捕手田村が攻守の要だ。
140キロ台の速球が武器の右腕原口を擁する昨秋4強の川口市立、地区大会で今夏県大会王者の狭山ヶ丘を倒した川越、1年生エースの左腕清水が力強い大宮東など公立勢の躍進にも期待だ。
創部23年目で県大会に初出場する国際学院にも注目したい。
Aシード浦和学院 投打充実「総動員で」
今夏県大会で4強入りした浦和学院は、2年ぶりのAシードに収まった。三浦コーチは「総動員で一戦一戦大事にやっていくしかない」と気合十分だ。
投打に戦力が充実している。エースで1年生左腕の宮城は切れ味のある直球が持ち味。小田部、三奈木の両右腕も130キロ後半の直球を持つ。打線は、吉田匠、吉田瑞、藤井ら昨秋県大会4強入りに貢献したメンバーが打線を引っ張る。「徳栄を倒して目指すは優勝」と三浦コーチ。狙うは4年ぶりの頂点だ。
(埼玉新聞)