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浦和学院、3年ぶり16度目V 徳栄との接戦制す 春季県大会

 (4日・県営大宮)

 最終日は決勝を行い、ノーシードの浦和学院が4-3でCシードの花咲徳栄を下し、3年ぶり16度目の頂点に立った。

 浦和学院は二回1死二塁から藤井の適時二塁打で先制すると、四回には1死一、二塁で金田が2点二塁打を放ち追加点。3-2の六回は2死一、三塁から松嶋の一ゴロが敵失を誘って決勝点を挙げた。投げては左腕宮城と三奈木の継投で、花咲徳栄の反撃を3点に抑えた。

 浦和学院と花咲徳栄は関東大会(15~18、22、23日・山梨)に出場。浦和学院は16日の2回戦から登場して、栃木2位と対戦し、花咲徳栄は15日の1回戦で山梨3位の東海大甲府と顔を合わせる。

4回裏浦和学院1死一、二塁で金田が右中間へ2点適時打を放つ。捕手味谷

疫禍乗り越え成長 浦和学院

 埼玉高校野球界を代表するライバル同士の決勝は、気迫と意地で上回った浦和学院に軍配。森監督は「今の時点で精いっぱいの戦い。準決勝で9失点した投手陣が気持ちを切り替えて投げてくれた」と奮闘をたたえた。

 今大会4試合で54得点と破壊力を誇る花咲徳栄打線に対し、投手陣が奮起した。まずは、先発のエース左腕宮城。「昨日(準決勝)は野手に助けてもらったから、恩返しがしたかった」と3回3失点だった悔しさをぶつけた。

 持ち味の制球力で凡打の山を築き、守りからリズムをつくると二回に1点、四回に2点と打線が援護した。背番号1が6イニングを2失点でしのぐと七回から3年生の三奈木が登板。140キロ前半の直球で攻める右腕に、「一球一球に気持ちがこもっていた」と捕手の吉田瑞。三奈木は3イニングを1失点に抑え、勝利を手繰り寄せた。

 16度目の春王者への道は、険しいものだった。2月3日、部内で新型コロナウイルスの集団感染が判明し、3月下旬まで全体練習ができなかった。練習を再開した時、鍛え上げてきた体力は落ちてしまっていた。それでも勝利への執念を失わず、ナインは大会に向けて地道に努力。指揮官は「チームづくりが遅れた中で試合を通じて一つ一つ選手たちが成長してくれた」と目を細める。

 次の舞台は、埼玉の王者として臨む関東大会。主将の吉田瑞は「チャンスをもらったからには、多くの収穫を得て夏に生かしたい」と意気込む。試練を乗り越え、たくましくなった「ウラガク」の挑戦はまだまだ続く。

9回表2死一塁、最後の打者を空振り三振に仕留め、ガッツポーズする三奈木(左)

内と外使い分け手玉に 浦和学院・宮城

 浦和学院の2年生左腕宮城は「チェンジアップとインコースの直球が良かった」と内と外のコースを巧みに使い分け、6回2失点の好投で優勝の原動力となった。

 沖縄・読谷村から「関東の高いレベルで野球がしたい」と浦和学院の門をたたいた。名前の「誇南(こなん)」には母・千晶さんの「南の島で生まれたことを誇りに思ってほしい」という願いが込められている。

 強力打線を手玉に取った内容に「キャッチャーを信じて投げられた」と充実感をにじませた。

(埼玉新聞)

浦和学院V左腕・宮城「コナン」頭脳派&大人の投球で6回2失点好投

先発で6回8安打2失点(自責1)に抑えた宮城

 浦和学院が接戦を制し、18年以来3年ぶり16回目の優勝を果たした。

 先発のエース左腕、宮城誇南(こなん)投手(2年)が5回まで4安打無失点と好投。6回に先頭からの4安打に味方の失策が絡み2点を失ったが、4-2の7回からは三奈木亜星外野手(3年)が登板し、9回までの3イニングを1失点に抑え、逃げ切った。

 南国から来た左腕が、浦和学院を3年ぶり16回目の春優勝へ導いた。先発で6回8安打2失点(自責1)の2年生エース宮城誇南投手は「ホッとしました。花咲徳栄さんは強力打線。1球1球、丁寧にいきました」と控えめに喜んだ。前日の昌平との準決勝は、リリーフで一時勝ち越しを許す3ランを打たれた。野手のおかげでサヨナラ勝ちしただけに「恩返しじゃないですが、今日は自分が助けたかった」と腕を振った。

 「誇南」と書いて「こなん」と読む。沖縄・読谷出身。母千晶さんが「南の島の誇りを持って欲しい」と、好きな「名探偵コナン」にもちなんで名付けた。宮城も身長173センチと見た目は小柄だが、左右の打者の内角をビシッと突き、低めの変化球で打たせて取る、頭脳は大人の投球だった。「関東大会でもチームを勝たせられるように」と頼もしく決意表明した。

(日刊スポーツ)

浦和学院、3年ぶり16度目の優勝

3年ぶり16度目の優勝を果たした浦和学院

 浦和学院が3年ぶり16度目の優勝を果たした。ライバルとの決戦を1点差で制した森士(おさむ)監督は「今の時点で精いっぱいの戦い」と息をついた。

 2回、藤井一輝(3年)の右翼線への適時二塁打で1点を先制すると、4回には金田優太(2年)が右中間へ2点二塁打を放ち加点。1点差に追い上げられた6回には敵失で1点を加え、7回から登板した三奈木亜星(3年)が相手の反撃を1点に抑えて逃げ切った。

 森監督は「一気にたたみかける攻撃ができなかったことが課題。どこからでもチャンスをつくって、(点を)もぎ取っていけるようにしたい」と課題を挙げた。

 先発したエース左腕・宮城誇南(こなん、2年)は6回を投げて被安打8、2失点。5回までは130キロ台後半の直球で内角を攻め、チェンジアップで打者のタイミングを外した。「相手は強力打線で1番から9番まで気が抜けないので、1球1球ていねいに投げました」と満足そうな表情を浮かべた。森監督も「失点はミスから。投手はよく投げた」とたたえた。

 3年ぶりに春の埼玉を制して挑む関東大会は1回戦(16日)に栃木2位校と対戦する。「試合ができることに感謝して、野球ができる喜びを感じながらやりたい」と森監督。宮城は「野手の皆さんに助けてもらっているので、今度は助けられるようにしたいです」。好投が野手、上級生への恩返しになることを2年生左腕はよく知っている。

(スポーツ報知)

「今日は僕が」光った修正力 宮城誇南投手

宮城誇南投手

 浦和学院の左腕・宮城誇南投手(2年)は淡々としている。ピンチをしのいでも、あまり表情を変えない。「準決勝は野手に助けてもらった。今日は僕が」

 昌平との準決勝は七回から登板。いきなり連打を浴び、その回に3失点。「立ち上がりの乱れ」という課題が見えた。

 決勝はその経験が生きた。「どの打者も抜け目がなく怖い」と評する花咲徳栄打線を四回まで、いずれも3人で抑えた。六回に2点を失ったが、直球を内角に集め、「ずるずるいかず悪い流れを断ち切った」。持ち味の制球力に手応えを感じた。森士監督も「すぐに修正して堂々とマウンドに立てた。今大会の大きな収穫」とねぎらった。

 2年生ながら背番号1を背負う。「助けてもらいつつ、チームを勝たせたい。上級生を負けさせるわけにはいかないんで」。関東大会への気合は、ポーカーフェースの裏に秘めている。

(朝日新聞埼玉版)

「負けない」エース力投 宮城誇南投手(2年)

 3点リードで迎えた五回1死、5、6番打者に連続で安打を打たれ、一、三塁のピンチを招いた。「先輩たちのためにも負けるわけにはいかない」と、続く2人を空振り三振に仕留め、無失点で切り抜けた。

 沖縄県読谷村出身。「南の島で生まれたことを誇りに思ってほしい」と誇南と名付けられた。中学までは村の野球チームに所属したが、「関東の高いレベルに挑戦してみたい」と浦和学院の門をたたいた。

 身長1メートル73と小柄だが、キレのある直球を武器に、2年生ながらエース番号を背負う。「いつも助けられている先輩たちを全国に連れて行く」と練習に励んできたが、コロナ禍の影響は部活動にも及んだ。2月に部内で感染者が相次ぎ、練習が一切できなくなった。それでも、感覚を鈍らせないよう常にボールを握るようにしたほか、体幹トレーニングを毎日続けてきた。

 六回に味方の失策もあって2点を失い、七回以降はマウンドを譲ったが、森士監督からは「よくチームを引っ張ってくれた。成長がうかがえる」とたたえられた。「もっと成長して、背番号に恥じないような投手になる」と誓う

(読売新聞埼玉版)

試合結果

春季県大会・決勝(5/4・県営大宮)

TEAM 1 2 3 4 5 6 7 8 9 H E
花咲徳栄 0 0 0 0 0 2 0 1 0 3 10 1
浦和学院 0 1 0 2 0 1 0 0 x 4 11 1
【浦】 宮城、三奈木-吉田瑞
【花】 柿沼、熊倉、金子、松嶋-味谷
藤井、金田(浦)

打撃成績

 浦和学院
位置 選手名 打数 安打 打点
吉田匠 4 1 0
八谷 5 2 0
松嶋 4 2 0
吉田瑞 2 0 0
⑨1 三奈木 4 1 0
⑧9 藤井 4 2 1
高松 4 1 0
①8 宮城 3 1 0
金田 4 1 2
34 11 3
 花咲徳栄
位置 選手名 打数 安打 打点
川腰 4 1 0
飛川 4 2 2
浜岡 4 2 1
冨田 4 0 0
味谷 3 1 0
澤口 4 1 0
加藤 4 0 0
柿沼 0 0 0
H 野崎 1 1 0
1 熊倉 0 0 0
H 鹿野 1 0 0
1 金子 0 0 0
H 相原 1 0 0
1 松嶋 0 0 0
H 服部 1 0 0
秋山 3 2 0
34 10 3

投手成績

 浦和学院
選手名 安打 三振 四球 死球 失点 自責
宮城 6 8 2 0 0 2 1
三奈木 3 2 2 1 0 1 1
9 10 4 1 0 3 2
 花咲徳栄
選手名 安打 三振 四球 死球 失点 自責
柿沼 2 2 1 0 1 1 1
熊倉 2 5 1 0 1 2 2
金子 2 3 1 2 0 1 0
松嶋 2 1 2 0 0 0 0
8 11 5 2 2 4 3

チーム成績

TEAM 攻撃 守備
三振 四死球 犠打 盗塁 残塁 失策 併殺
浦和学院 5 4 0 1 10 1 2
花咲徳栄 4 1 0 0 5 1 1

相手失策でもらった1点が決勝点となり、浦和学院が4-3で花咲徳栄に競り勝った。浦和学院は二回、藤井の適時二塁打で1点を先制すると、四回には金田の適時二塁打で2点を加えた。1点差に詰め寄られた直後の六回には、2死一、三塁から松嶋の一ゴロが失策を誘って4点目を挙げ、これが決勝点。先発宮城は6回を2失点に抑え、2番手三奈木も1失点で逃げ切った。花咲徳栄は10安打3得点と、打線のつながりがいまひとつ。要所で守備が乱れたのも痛かった。

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