【写真】7年ぶり11度目の選抜大会出場が決まり、喜ぶ浦和学院ナイン=28日午後、浦和学院高校
第94回選抜高校野球大会(3月18日から13日間・甲子園)の出場32校を決める選考委員会が28日、オンラインを併用して開催され、昨年の秋季関東大会で4強入りした浦和学院が7年ぶり11度目の出場を決めたほか、昨秋の明治神宮大会を制し、過去2度の春夏連覇の大阪桐蔭や、注目のスラッガー、佐々木を擁する花巻東(岩手)などが選ばれた。
奄美大島の公立校、大島(鹿児島)は2度目の出場。日大三島(静岡)は38年ぶり、長崎日大は23年ぶり、広島商は20年ぶりの出場。國學院久我山(東京)大垣日大(岐阜)、京都国際、東洋大姫路(兵庫)九州国際大付(福岡)なども選ばれた。
クラーク(北海道)有田工(佐賀)は春初出場、和歌山東は夏も合わせて初の甲子園。
戦力以外の要素を加味する21世紀枠では、そろって春夏通じて初出場となる只見(福島)丹生(福井)大分舞鶴が選出された。
新たな歴史の扉開く
ウラガクに春のたよりが届いた。7年ぶりの選抜大会と昨夏に続いて2季連続の甲子園出場が決定した。昨夏に勇退した父の森士(おさむ)前監督と同じく就任1年目で選抜切符を手にした森大監督は「関東大会を終えてからこの日が来るまで選ばれるか心配だったけど、選ばれてほっとした」と満面の笑みを見せた。
雨天練習場で選抜出場校の発表を緊張の面持ちで待っていた選手たちは、石原校長から出場の報告を受けると、マスク姿のまま胸をなで下ろした。主将の八谷は「自分たちの力だけでなく、支えてくれた人たちのおかげもあって、切符をつかむことができた」と喜びをかみ締めた。
前回出場した第87回大会の2015年から7年。浦和学院が初出場した1992年の第64回大会から数えて最長の空白期間だっただけに、野球部のみならず学校職員一同で祝福した。前監督の森士副校長は「選抜まで7週間しかない。最高の準備で大会に行ってもらいたい」と激励した。
過去10度出場した選抜大会では、13年の全国制覇を最高成績に、2度のベスト4、3度のベスト8と安定した戦いぶりを見せてきた。その舞台で今春、新たな歴史の扉を開く。「目指すは全国制覇だが、記録よりも記憶に残る試合をしたい」と森大監督。紫紺の大優勝旗を再び埼玉へ。新生ウラガクが聖地に羽ばたく。
夏の悔しさ糧に決意 エース宮城
選抜出場が決定してエース宮城は「夏は甲子園で悔しい思いをしたから選抜ではチームを勝利に導く」と決意を新たにした。
けがの影響もあって昨夏の甲子園は、二回途中までしか投げることができず、不本意に終わった。その悔しさを糧に体づくりに奔走した。栄養価の高い食事を心掛けて下半身が強化され、130キロ台後半だった直球は142キロまでにアップした。「全国相手に持ち味の内角に攻める強気なピッチングをしたい」と意気込んだ。
投打二刀流で闘志 3番・金田
投打の二刀流で昨秋の関東大会4強入りに貢献した3番打者の金田は「勝つためにやるだけ」と闘志を燃やした。
打者としては「チャンスメークだけでなく走者をかえすバッティング(を意識する)」と、勝負強い長打力に磨きを掛ける。投手としては、切れ味抜群の直球の球速が143キロまで上がり、選抜大会に向けて着々と準備を進める。
川口市出身の金田は「いつでも投げられる準備をして、3番として率を残しながら長打を打てるか試したい」と甲子園での活躍に期待が高まる。
長打確かな武器に 4番・鍋倉
ウラガクの強力打線を支える4番の鍋倉は「甲子園でホームランを打ちたい」と力強く語った。
関東大会では、自身初の大舞台で緊張し、長打を放つことができず。持ち味の長打力を確かな武器にするため、この冬は、木製バットで打力強化。夜遅くまで寮の脇で素振りをするなど鍛錬を重ねて、100メートル越えの打球を連発するほどまでに成長した。
「選抜が決まってうれしいけど、これからも頑張らないといけない」と大会まで残り7週間、さらなる磨きを掛ける。
一丸で突き進んで 大野元裕知事コメント
浦和学院高等学校の皆さん、7大会ぶり11回目となる選抜高等学校野球大会への出場、誠におめでとうございます。甲子園では埼玉県の代表としての誇りを胸に、紫紺の優勝旗を目指して、チーム一丸となり突き進んでください。734万県民の皆さまとともに、皆さんのご活躍を心から応援しています。
2度目の制覇を 清水勇人さいたま市長
浦和学院高校の7年ぶり11度目となる選抜高校野球大会への出場、誠におめでとうございます。選ばれた誇りを胸に、森大監督の新たな体制の下、甲子園で浦学旋風を巻き起こしてください。チーム一丸となって持てる力の全てを尽くし、春の選抜2度目の全国制覇を成し遂げることを133万さいたま市民とともに祈っています。
(埼玉新聞)
校舎に出場祝う懸垂幕
7年ぶり11回目のセンバツ出場が決まった浦和学院の校舎に28日、出場を祝う懸垂幕(長さ7メートル、幅1・5メートル)が掲げられた。校名や大会期間などとともに「祝センバツ出場」と記されている。
正門に近い第1校舎に掲げられ、早速、下校する生徒や職員、保護者らが見上げたり、携帯電話で写真を撮ったりしていた。
出場を伝える号外を配布
浦和学院のセンバツ出場決定を伝える毎日新聞の特別号外が28日、同校内で配布され、受け取った関係者らが笑顔で見入った。
号外は「浦和学院に春切符」「新監督と全国制覇を」の大きな見出しに、2021年秋の公式戦で活躍した選手たちの写真で彩られている。通例、号外は出場校の最寄り駅や繁華街で配布されるが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて校内で配布された。
(毎日新聞埼玉版)