埼玉県支部中学生の部は31チームが競い合う激戦区。夏に全国大会初出場を目指す浦和中央ボーイズは、新監督の熱い指導で悲願達成をもくろむ。
さいたま市内の荒川土手近にある浦和中央ボーイズ専用グラウンドで元気な掛け声が交錯していた。イニングを数えた実戦形式のノックで終盤に守備のミスが出た時、山田彰吾監督(48)がその後のナインの対応を叱った。「ドンマイなんて言葉はいらないよ。ドンマイは試合で掛ける言葉。練習ではミスをした選手をかばわずに悪かった点を指摘しないと、うまくならない。“練習のための練習”はダメ」。昨年9月に就任した浦和学院高OBの指揮官は、野球と向き合う姿勢から選手に教え込む。
創部9年目。今年の目標は夏に悲願の全国大会初出場を果たすことだ。選手たちは昨年10月の春季全国大会予選1回戦(VS鴻巣)敗退からの巻き返しを誓う。「去年はけが人が多かったが、もう大丈夫。課題の守りは良くなっているし、打つほうも上位陣の成長で重量打線になりつつある」と山田監督の期待も膨らむばかりだ。
投手の柱は「エースで打順は1番」という右腕・野口泰幹。「球数を意識して早いカウントから緩急で打たせて取る投球を心掛けます。投打で活躍できる選手になりたい」と頼もしい。サイドスローの速球派・坂井悠太郎、低めへの制球力がある女子・佐藤愛瑠、球威十分の中嶋瑛斗、多彩な変化球を器用に操る橋口拓真と右5人の布陣で連戦に備える。
打線は「つなぎ役」を自任する橋口主将が2番を務め、クリーンアップには冬の体力作りでパワーアップした中村絢斗、中嶋、野瀬堅真が並ぶ。捕手の野瀬は「打っては柵越えホームラン、守りではパスボールなしを目標にします。司令塔の役割もしっかり果たしたい」と目を輝かせた。まずは今年最初の公式戦、3月の支部大会(ベースマン杯)で練習の成果を試す。
(スポーツ報知)