【写真】先制のホームを踏み、喜ぶ浦和学院の主将・八谷晟歩
(23日・県営大宮ほか)
第10日は準々決勝を行い、Aシード浦和学院と山村学園、Cシード花咲徳栄、ノーシード聖望学園が準決勝に駒を進めた。4強入りは浦和学院が2年連続25度目、山村学園が3年ぶり3度目、花咲徳栄が3年ぶり13度目、聖望学園が4年ぶり13度目となった。
浦和学院は5試合連続の2桁安打を放つなど6-1でCシード浦和実に快勝。山村学園は7-5でCシード西武台との乱打戦を制した。花咲徳栄は三回に打者9人の攻撃で3点を奪ってDシード川越東に10-2の七回コールド勝ちし、聖望学園は岡部、東山の継投でDシード武南に3-0で完封勝利した。
第11日は24日、県営大宮で準決勝を実施。浦和学院ー花咲徳栄(9時)、聖望学園ー山村学園(11時30分)の組み合わせで決勝進出を争う。
起用に応え快音連発
夏を知らせるセミの声をかき消すように浦和学院が2本塁打を含む11安打6得点と快音を響かせた。5試合連続で2桁安打を記録した。
準々決勝では、5回戦から打順を大幅に変更。打率6割の2番伊丹と強打者の5番高山を控えに回し、6、7番以外は左打者を並べた。森監督は「右投手が多いことを想定して起用した」と説明した。
四回2死まで1安打に抑えられていた打線が、たった5球で指揮官の期待に応えた。6番八谷と7番近内がともに初球のスライダーを捉えて、一、三塁。続く8番芳野は「何としてもかえしてやろう」と3球目の直球を中越えの2点二塁打にして先制する。
主導権を握ると浦和学院ペース。五回1死一塁から3番金田がフェンス直撃の右越え適時二塁打で追加点を奪う。極め付きは七回の攻撃。1死一塁から再び金田が「ホームランになるとは予想できなかった」と内角の直球を一振り。打球は右飛かと思われたが、ぐんぐん伸びていきスタンドイン。続く鍋倉も「弾道が低くてフェンス直撃かと思った」と右翼席に鋭く刺した。
打線が奮起すると先発芳野が好投。「自信なく投げてもどうしようもない。(捕手)近内を信じて投げた」と芳野。緩急を駆使して九回途中を5安打1失点で勝利を手繰り寄せた。
試合後、報道陣から準決勝の相手が花咲徳栄と知らされた指揮官は「花咲徳栄は(5連覇した経験があり)夏の王者と思っている。チャレンジャー精神で必ず勝ちたい」と闘志を燃やす。昨秋の県大会決勝以来となる大一番に臨む準備はできた。
左腕投打で躍動 エースにつなぐ
左腕芳野が8回2/3を投げて5安打1失点。打っては2安打2打点と投打で準決勝進出に貢献した。
まずは打撃で見せた。四回2死一、三塁から外角低めの直球を捉えて中越えの2点二塁打で先制。自らの打棒で援護すると芳野は「自信になってリズムに乗れた」。本職でも本領を発揮し、緩急をうまく駆使して八回まで3安打無失点に抑えた。九回に失点を許したが、「準決勝で宮城を投げさせるため、勝つことができた」とエースにしっかりとバトンをつないだ。
(埼玉新聞)
浦和学院が4強入り 芳野が九回途中まで1失点&先制二塁打
選抜大会4強で2年連続15度目の夏の甲子園を目指す浦和学院は、準々決勝で浦和実と対戦。先発左腕・芳野大輝投手(3年)の投打にわたる活躍で4強入りを決めた。
芳野は四回2死一、二塁で先制2点二塁打を放ち、投げては九回2死まで5安打1失点に抑えた。七回に金田優太内野手(3年)、鍋倉和弘内野手(3年)の連続本塁打で3点を追加した。
芳野は「完封したかった。でも、これまで最長は七回で、九回まで投げられるようになった。どの球種でもテンポ良く投げられたのが良かった」と深く息をついた。
森大監督は「芳野はきょうに合わせてしっかり準備してきていた。完封させたかった」。準決勝の相手が花咲徳栄に決まったことに「花咲徳栄は夏の王者だと思っている。こちらはチャレンジャーだと思って準備し、必ず勝ちたい」と言い切った。
(サンスポ)
浦和学院の芳野君、完封逃し勝っても涙 他投手の負担減らしたかった
浦和学院の背番号11、3年生左腕の芳野大輝(3年)は空回りしてしまった。
気合が入りすぎた。
「絶対に抑えてやろうと、力んじゃいました」
初戦となった2回戦以来の先発マウンド。立ち上がりから、全力で腕を振ったが、球は荒れた。一回に3四球を与え、二回も2安打を許す。ピンチの連続だ。
だが、いずれも味方の好守に助けられ、無失点で切り抜けると、気づく。「バックを信頼して気楽に投げよう」。冷静さを取り戻した。
三回以降は、最速140キロの直球とスライダーを低めに集め、テンポよく抑えていく。守りから生まれたリズムは、攻撃にもつながった。
四回2死一、三塁での打席で左中間へ先制の2点二塁打を放った。自分自身を援護し、「さらに乗っていけました」。
九回も球威は衰えず、2死を奪い、公式戦初完封まであとアウト一つまでこぎ着けた。走者は一、二塁。しかし、ここで中前に適時打を浴び、降板した。
救援した投手がその後のピンチを切り抜けたが、喜ぶ仲間を尻目に芳野は悔し涙を浮かべた。
「高校生活で一番の投球だった。でも、完封したかったから、自己採点は90点です」
同学年で同じ左腕のエース宮城誇南(こなん)に負けじと、練習してきた。今春の選抜大会でチームは4強入りしたが、自身は準決勝に2番手で登板し、与四死球3。1イニング持たずに降板した。
「宮城に頼りきって負担をかけてしまった。僕の中での選抜は悔しい思いしかない」
夏に向けて、毎日タオルを握って、鏡の前でシャドーピッチングを繰り返しフォームを固めた。
この日、一人で投げきりたかったのは、24日の準決勝、26日の決勝に向けて宮城や他の投手の負担を減らしたい、との思いが強かったからだ。
甲子園は選抜の雪辱を果たす場所ととらえるが、もう一つ目標がある。
選抜王者、大阪桐蔭で主将を務める星子天真とは中学時代、熊本のボーイズリーグでチームメートだった。
「甲子園で戦おう」。そう誓い合って、2人は熊本を出てきたという。
芳野は言う。
「あいつに先に甲子園で優勝された。最後の夏は大阪桐蔭を倒して日本一になりたい」
その舞台まで、あと2勝。負けられない。
(朝日新聞電子版)
4番待望の一発「気持ちも楽に」浦和学院・鍋倉選手
浦和学院の4番鍋倉は七回の第4打席、今大会初の本塁打を放ち、本塁で叫んだ。これまでの4試合で打点はゼロ。「チームの足を引っ張ってしまった」
第1打席。前を打つ金田が申告敬遠を受け、自分に回ってきた。肩に力が入り、二飛に倒れていた。第4打席に入る前、ベンチ裏で鍋倉はバットを振り、フォームを入念に確かめていた。待望の一発に「自分の気持ちも楽になった」と話した。
(朝日新聞埼玉版)
浦和学院、危なげなく4強 ドラフト候補・金田が通算28号2ラン
浦和学院(埼玉)は浦和実を6-1で下し、危なげなく4強に進出した。
今秋ドラフト候補に挙がる3番・金田優太(3年)は5回に右越え適時二塁打、7回には右翼席へ高校通算28号となる2ランで2安打3打点。「(本塁打は)少しこすったと思ったけどよく伸びてくれた」とうなずいた。
24日は花咲徳栄との準決勝。「自分を信じれば大丈夫だと思うので、悔いのない戦いをします」と力強く語った。
(スポニチ)
試合結果
全国選手権埼玉大会・準々決勝(7/23・県営大宮)
TEAM | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | H | E |
浦和実 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 5 | 0 |
浦和学院 | 0 | 0 | 0 | 2 | 1 | 0 | 3 | 0 | x | 6 | 11 | 0 |
【学】 | 芳野、浅田-近内 |
【実】 | 清田、佐々木-室井 |
本 | 金田、鍋倉(学) |
二 | 芳野、金田(学)青山(実) |
打撃成績
浦和学院 | ||||
位置 | 選手名 | 打数 | 安打 | 打点 |
⑧7 | 三宅 | 3 | 1 | 0 |
H | 三上 | 1 | 0 | 0 |
9 | 日高 | 0 | 0 | 0 |
⑨87 | 小林 | 3 | 2 | 0 |
⑥ | 金田 | 3 | 2 | 3 |
③ | 鍋倉 | 4 | 1 | 1 |
⑦ | 大勝 | 3 | 0 | 0 |
H98 | 伊丹 | 1 | 0 | 0 |
⑤ | 八谷 | 4 | 2 | 0 |
② | 近内 | 4 | 1 | 0 |
① | 芳野 | 3 | 2 | 2 |
1 | 浅田 | 0 | 0 | 0 |
④ | 大内 | 3 | 0 | 0 |
H4 | 森 | 1 | 0 | 0 |
計 | 33 | 11 | 6 | |
浦和実 | ||||
位置 | 選手名 | 打数 | 安打 | 打点 |
⑧7 | 野沢 | 4 | 0 | 0 |
⑨ | 青山 | 3 | 1 | 0 |
⑤ | 八巻 | 3 | 0 | 0 |
③ | 橋本 | 1 | 0 | 0 |
R | 武田 | 0 | 0 | 0 |
⑥ | 松山 | 3 | 0 | 0 |
4 | 清水 | 1 | 0 | 0 |
⑦6 | 杉山 | 3 | 1 | 0 |
H | 櫻井 | 1 | 1 | 1 |
② | 室井 | 3 | 0 | 0 |
① | 清田 | 2 | 1 | 0 |
1 | 佐々木 | 1 | 0 | 0 |
④ | 荒木 | 2 | 0 | 0 |
H | 岡田 | 1 | 1 | 0 |
R8 | 神尾 | 0 | 0 | 0 |
計 | 28 | 5 | 1 |
投手成績
浦和学院 | |||||||
選手名 | 回 | 安打 | 三振 | 四球 | 死球 | 失点 | 自責 |
芳野 | 8 2/3 | 5 | 7 | 5 | 0 | 1 | 1 |
浅田 | 1/3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
計 | 9 | 5 | 7 | 5 | 0 | 1 | 1 |
浦和実 | |||||||
選手名 | 回 | 安打 | 三振 | 四球 | 死球 | 失点 | 自責 |
清田 | 4 1/3 | 6 | 0 | 1 | 1 | 3 | 3 |
佐々木 | 3 2/3 | 5 | 4 | 0 | 0 | 3 | 3 |
計 | 8 | 11 | 4 | 1 | 1 | 6 | 6 |
チーム成績
TEAM | 攻撃 | 守備 | |||||
三振 | 四死球 | 犠打 | 盗塁 | 残塁 | 失策 | 併殺 | |
浦和学院 | 4 | 2 | 2 | 1 | 7 | 0 | 2 |
浦和実 | 7 | 5 | 1 | 0 | 6 | 0 | 0 |
浦和学院が11安打6得点で快勝した。四回2死一、三塁から芳野の2点二塁打で先制。3-0の七回1死一塁から金田と鍋倉の連続本塁打で3点を奪ってリードを広げた。浦和実は清田、佐々木の継投策が実らなかった。