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浦和学院、花咲徳栄を下し決勝進出 2番手金田2失点粘投 八谷が逆転3ラン

【写真】準決勝で花咲徳栄を破り、笑顔でスタンドに駆け寄る浦和学院ナイン

 (24日・県営大宮)

 第11日は準決勝を行い、Aシード浦和学院とノーシード聖望学園が決勝に進出した。決勝進出は、浦和学院が2年連続20度目、聖望学園が6年ぶり7度目となった。

 4年ぶりに4強入りした聖望学園は、5-4でAシード山村学園を下した。2点ビハインドの四回に3者連続タイムリーで3点を奪い逆転。先発岡部から東山の継投で4失点に抑えた。

 2年連続で準決勝に駒を進めた浦和学院は、10-5でCシード花咲徳栄との乱打戦を制した。1点を追う七回に八谷が逆転3ランを放ち、八回にも小林のタイムリーと金田の2点適時打でリードを広げた。

 決勝は26日、午前10時から県営大宮球場で行われる。浦和学院は史上初の県内5季連続優勝と3季連続甲子園出場を目指し、聖望学園は13年ぶり4度目の栄冠を狙う。

一意専心、強敵破る 乱打戦 激闘2時間57分

 長年、埼玉をけん引してきた浦和学院と花咲徳栄の”頂上決戦”は意地と意地のぶつかり合い。2時間57分に及ぶ激闘の勝敗を分けたのは、浦和学院ナインが最後まで保ち続けた集中力だった。森監督は「重圧があった中、花咲徳栄との一戦で選手たちがよく頑張ってくれた。選手たちに助けられました」と汗を拭った。

 相手エース金子のカットボールと左打者の内角に鋭く落ちる縦スライダーに手を焼き、五回を終えて2安打2得点と振るわず。指揮官は「甘く入ったスライダーを捉えるしかない」と終盤勝負を見据え、「ここが勝負どころ」と変化球を見極められていたエース宮城を五回途中で降板させた。

 2-4の六回2死一、二塁から9番大内が外角低めの直球を左中間に運ぶ同点の2点三塁打。七回に勝ち越しを許した直後の攻撃では、突き刺すような集中力で守備の乱れを誘った。

 1死満塁から6番八谷が4球目に仕掛けたスクイズが失敗し、2死二、三塁。「劣勢になっても臨機応変」と八谷。気持ちを切り替えて臨んだ5球目は、甘く入ったスライダーを完璧に捉えて逆転3ランを左翼席にたたき込んだ。勢いを生かし、八回にも1番小林のタイムリーと3番金田の2点適時打で突き放した。

 大一番を乗り越え、ガッツポーズを見せた浦和学院の選手たち。史上初の県大会5季連続優勝まであと1勝。指揮官は「選手たちと一緒に決勝を楽しみたい」と気合十分。主将の八谷は「中1日で準備して100%の力を発揮する」と万全を期す。埼玉高校野球に新たな1ページを刻むつもりだ。

浦学の主将八谷、値千金逆転3ラン

7回裏浦和学院2死二、三塁、八谷が左越え3ランを放つ

 主将八谷の一振りが、決勝への切符を手繰り寄せた。4-5と1点ビハインドの七回2死二、三塁で、値千金の逆転3ラン。高めの甘いスライダーを捉えると、打球はレフトスタンドに一直線。地鳴りのような大歓声と拍手を浴びながら、気持ち良さそうにダイヤモンドを1周した。

 気持ちの切り替えが功を奏した。この回、打席に入ったのは1死満塁の場面。ベンチのサインはスクイズ。しかし空振りし、一塁走者が挟まれタッチアウト。同点に追い付く好機を逸し、流れが花咲徳栄に傾くかと思われた。

 「この回に点を取らないとやばい。自分が何とかする」。失敗を引きずらずに開き直って振り抜いた次の一球。「今までで一番うれしい」という公式戦初本塁打を生んだ。

 守備でもチームを助けた。八回表1死二塁、花咲徳栄2番山田の強烈な当たりに素早く反応し、ダイビングキャッチ。抜けていればピンチが広がる場面。全身で防いだ。

 終盤の逆転劇でライバル花咲徳栄を撃破。さあ次は決勝だ。史上初の5季連続Ⅴへ。「あと一つ勝つだけ」と八谷。強い浦学には頼れる主将が中心にいる。

劣勢はね返す一振り 大内、6回同点打

 9番大内の一振りが、試合の流れを引き寄せた。2-4の六回、2死から大勝の中前打と死球で一、二塁に走者を置き、打席に入った。2ストライクと追い込まれたが、3球目の外角高めの直球を芯で捉えた打球は左中間を破る三塁打に。2者が生還し、試合を振り出しに戻した。

 相手エースの金子が中盤から外角の直球でカウントを取りにきていることを察知し、狙っていた。勝負強さを発揮した9番打者は「チームが苦しい時に貢献できたことがうれしい」と笑顔を見せた。

(埼玉新聞)

浦和学院が花咲徳栄に勝利 森監督「目標は花咲徳栄の岩井監督」気持ちを胸に決勝へ

 センバツ4強の浦和学院が、花咲徳栄とのライバル対決を制し、甲子園出場に前進した。

 終始劣勢の展開をひっくり返した。1点リードの4回に3失点で逆転を許し、6回に追いつくも、7回に再び勝ち越された。

 4-5と1点を追う7回は、1死満塁からスクイズに失敗。嫌なムードが漂う中、2死二、三塁から八谷晟歩(はちや・せいほ)主将(3年)が左翼席に逆転3ランを放った。初球のスライダーをとらえ、一振りで試合をひっくり返した。

 森大監督は「2017年の決勝で(花咲徳栄に)敗れた試合で胴上げを見たんですが、その悔しい思いが、私自身もOBの選手たちも含めた悔しい思いが、あのキャプテンの、八谷のホームランにつながったと思います」と言った。

 決勝に向けて「夏の王者は花咲徳栄さんだと私自身ずっと思ってきた。尊敬する人は(父の)森前監督なんですけど、目標としているのは花咲徳栄の岩井監督だったので、今日勝たせて頂いた気持ちも胸にして、明日全力で選手たちと一緒に戦いたい」と誓った。

(日刊スポーツ)

浦和学院、準決勝で花咲徳栄に勝利 八谷主将が試合決める3点HR

七回、逆転の3点本塁打を放ち、生還する浦和学院の八谷晟歩(左)

 今春の選抜大会4強で春の関東大会を制した浦和学院と、2017年に埼玉県勢初の夏の全国制覇を果たした花咲徳栄。浦和学院の森大監督(早大卒)は「埼玉の早慶戦」と称する。2アウトから試合が動く熱戦となり、観衆を沸かせた。

 浦和学院の左腕・宮城誇南(3年)と花咲徳栄の右腕・金子翔柾(3年)の両エースによる投げ合いで始まった一戦。試合が動いたのは、三回裏だった。

 浦和学院は先頭打者の宮城が四球で出塁。犠打と四球を挟んで1死一、二塁で2番の伊丹一博(3年)は三振に倒れたが、続く金田優太(3年)が中堅への適時打で先制点を挙げた。

 花咲徳栄も四回表、すかさず反撃。2死から上田光浩(3年)が二塁打を放つなど、4連打で3点を奪い、逆転した。五回にも安打で走者をため、宮城は降板。遊撃から金田がマウンドに上がった。

 浦和学院は五回裏に、金田が右前に適時打を放って1点を返した。前半の五回を終えて花咲徳栄が3-2とリードした。

 六回表、花咲徳栄は斉藤海(2年)が2死からソロ本塁打を放ち、すぐに引き離した。だが、直後に浦和学院は2死から下位打線が粘りを見せて一、二塁の好機を作り、9番打者の大内碧真(3年)が適時2点三塁打を放ち、4-4とした。

 七回表、またも2死から試合が動いた。5番打者の前田空(3年)がソロ本塁打を放ち、勝ち越した。

 だが、その裏。試合を決める一発が出た。

 1死二、三塁から打席に立ったのは主将の八谷晟歩(3年)。スクイズを空振りし、2死二、三塁となったが、その直後。左翼へ3点本塁打を放った。

 八回にも小林聖周(2年)と金田の適時打で3点を追加し、10-5と突き放した。金田は九回を無失点に抑え、ゲームセット。マウンドで拳を握りしめた。

 浦和学院の森大監督は「17年に徳栄と決勝を戦い、ネット裏で徳栄の胴上げを見た。OBも含め、その悔しい思いが八谷のホームランにつながった」と語った。決勝に向け、「しっかり浦和学院として戦いたい」と気を引き締めた。

 浦和学院は26日の決勝で、山村学園と聖望学園の勝者と対戦する。

(朝日新聞電子版)

浦和学院が花咲徳栄を下して決勝進出 逆転3ランの八谷晟歩「つなぐ気持ちだった」

浦和学院・八谷晟歩内野手(右)は、花咲徳栄戦の七回に逆転3ランを放ち、迎え入れられた

 準決勝で浦和学院は主将の八谷晟歩(せいほ)内野手(3年)の逆転3ランで花咲徳栄を10-5で下し、決勝進出を決めた。

 1点差の七回1死満塁。八谷はスクイズを空振りし、2死二、三塁となったが、起死回生の一発を左翼席にほうり込んだ。「やばいと思ったけど、つなぐ気持ちになった。肩口から入る甘い球を打った。瞬間いったと思った」と開き直り、高校通算12本目となる値千金の逆転弾を放った。

 エース左腕・宮城を早めに降板させたものの、プロ注目の金田が3安打4打点と活躍し、花咲徳栄のエース右腕・金子を攻略した。

 今春の選抜大会では準決勝進出。甲子園初采配で4強に導いた森監督は、2年連続15度目の出場に挑む。「選抜で負けた近江の山田君に全員感化されている。甲子園に向かって全員の気持ちを一つにして戦いたい」と宿敵撃破で勢いをつけた。

(サンスポ)

浦和学院が花咲徳栄下し決勝進出 主将・八谷、逆転3ランに男泣き「自然と涙が」

八回の守備につく際に涙を流す浦和学院・八谷

 春夏連続で甲子園出場を目指す浦和学院が花咲徳栄を下し、決勝進出を決めた。

 八谷晟歩内野手(3年)が主将の意地を見せた。4-5の七回1死満塁。3球目にスクイズを失敗し、一塁走者がアウトに。2死二、三塁となってカウント3-1から甘く入ったスライダーを振り抜き、逆転3ラン。「つなぐ意識で打った結果。打った瞬間いったなと思った」と勝利を引き寄せる自身公式戦初本塁打に何度も何度も拳を握った。

 八回の守備につく前には「みんながよくやったと言ってくれたので自然と涙が出た」と男泣き。ただ、気を緩めることなく同回1死二塁で痛烈な三ゴロを裁き、ピンチを防いだ。

 指揮官として初めての夏を戦う森大監督は「大一番の試合だったけど選手がよく頑張ってくれた」と称賛。八谷の一発には「スクイズを失敗して悔しい思いを本人もしたと思う。僕も『ああ、やったな』と思ったけど、最後まであきらめないで甘く入ったスライダーを捉えたのは主将として1年間大変な思いをしながら頑張った成果が乗り移ったかな」と目を細めた。

 花咲徳栄は先制を許した直後の四回に4連打3得点で逆転。六回には1番・斎藤海外野手(2年)が、七回には前田空外野手(3年)がそれぞれソロ弾をたたき込んだ。エース・金子翔柾木投手(3年)は160球を投げ込み、8安打10失点(自責7)。キレのある変化球を駆使して11奪三振と力投したが、甲子園の夢は絶たれた。

(デイリースポーツ)

浦和学院王手 八谷晟歩主将、スクイズ失敗から涙の逆転V弾「とにかくなんとかしたかった」

7回、逆転3ランを放ち、ベンチ前で雄叫びをあげる浦和学院・八谷(左から2人目)

 3季連続の甲子園に向け浦和学院が決勝に駒を進めた。主将の八谷晟歩(せいほ=3年)が公式戦初本塁打となる決勝3ラン。「とにかくなんとかしたかった」と振り返った。

 1点を追う7回1死満塁で1ストライクからスクイズを試みるも空振り。走者が1人アウトとなり、カウントも追い込まれた。それでも「引きずっても仕方ない」と切り替える。森大監督の指示は「追い込まれたらスライダー待ち」。それを実践し、肩口からの甘いスライダーを振り抜いた。「打った瞬間、入ったと思った」という豪快な逆転弾だった。

 同僚たちに迎えられると涙があふれ「こんなに周りに喜んでもらえたことはない」と感慨を込めた。2年連続の夏の聖地まであと1勝となったが、戦い方は変わらない。決勝も一丸で勝利を目指す。

(スポニチ)

逆転3点弾に喜びの涙 八谷晟歩主将

 ドスン。芯で捉えた鈍く、強い金属音が球場に響き渡った。

 七回裏、2死二、三塁。浦和学院の主将・八谷晟歩の打球は左翼スタンドに吸い込まれた。「打った瞬間『行ったな』と思った」

 逆転の3点本塁打。「仲間に喜んでもらえて、自然と涙がこぼれた」。ダイヤモンドをまわってベンチに戻ると、うれし涙があふれ出た。

 本塁打の1球前。スクイズを空振りし、一塁走者がアウトになっていた。「引きずっても、この場面で追いつけない。なんとかしてやろうと割り切った」。心を整え、高めに浮いたスライダーを完璧に捉えた。

 ミスをしても、リードを許しても、焦らずに取り返せるのが今大会の浦和学院の強みだ。

 準決勝も、先発したエース左腕宮城誇南が制球を乱して5回途中で降板したが、2番手の金田優太がカバー。打線も下位を打つ大勝朱恩、大内碧真らが起点になるなど、選手層の厚さは県内随一だ。

 昨秋に父から監督を引き継ぎ、夏の大会は初采配の森大監督は「劣勢になっても、ベンチの中でコミュニケーションを活発にして臨機応変に対応したい」と語る。

 春夏連続の甲子園に向け、決勝でも王者の野球を見せる。

(朝日新聞埼玉版)

試合結果

全国選手権埼玉大会・準決勝(7/24・県営大宮)

TEAM 1 2 3 4 5 6 7 8 9 H E
花咲徳栄 0 0 0 3 0 1 1 0 0 5 14 1
浦和学院 0 0 1 0 1 2 3 3 x 10 8 0
【浦】 宮城、金田-高山
【花】 金子-柴田
八谷(浦)斉藤、前田(花)
大内(浦)斉藤(花)
上田(花)

打撃成績

 浦和学院
位置 選手名 打数 安打 打点
小林 3 1 1
伊丹 3 1 0
⑥1 金田 4 3 4
鍋倉 5 0 0
高山 4 0 2
八谷 5 1 1
⑦4 大勝 4 1 0
宮城 0 0 0
7 三宅 1 0 0
④6 大内 2 1 2
31 8 10
 花咲徳栄
位置 選手名 打数 安打 打点
斉藤 5 2 3
山田 5 0 0
藤田 4 1 0
柴田 4 1 0
前田 4 1 1
増田 4 2 0
H 吉原 0 0 0
R 布川 0 0 0
上田 5 3 0
金子 4 2 1
H 更屋 1 0 0
新井 4 2 0
40 14 5

投手成績

 浦和学院
選手名 安打 三振 四球 死球 失点 自責
宮城 4 2/3 8 0 1 2 3 3
金田 4 1/3 6 2 0 1 2 2
9 14 2 1 3 5 5
 花咲徳栄
選手名 安打 三振 四球 死球 失点 自責
金子 8 8 11 7 2 10 7
8 8 11 7 2 10 7

チーム成績

TEAM 攻撃 守備
三振 四死球 犠打 盗塁 残塁 失策 併殺
浦和学院 11 9 2 0 8 0 1
花咲徳栄 2 4 0 0 12 1 0

浦和学院は1点を追う七回2死二、三塁で八谷の逆転3ランが決勝点となり、花咲徳栄との乱打戦を制した。三回2死一、二塁から金田の中前適時打で先制。四回に逆転されたが2-4の六回2死一、二塁から大内の左中間2点三塁打で同点。七回にリードすると八回に3点を加えて突き放した。花咲徳栄は14安打を放ったが、12残塁と拙攻が続いた。

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