応援メッセージはこちら

浦和学院、苦しみながらも初戦突破 鈴木由、岡部の継投で正智深谷に1-0

【写真】力投する浦和学院の先発・鈴木由馬

 大会第4日は14日、県営大宮球場などで2回戦が行われ、昨夏の代表校・浦和学院が初戦となった正智深谷との接戦を1-0で制して3回戦に進出した。

 正智深谷のエース右腕・波田野 桂伍投手の120キロ台の直球、90キロ台のカーブのコンビネーションに打ち崩せない。チャンスは作るも、勝負どころで1本が出ない。走塁ミスでチャンスを潰すなど、悪い流れが続いた。

 浦和学院は再三、得点圏の走者を許したが、先発の鈴木由馬、7回からリリーフした岡部修弥の継投で踏ん張り、得点させなかった。

 8回裏は2死一、三塁のピンチをしのぐと、9回表、二死三塁から7番・浅田健輔外野手(3年)の左前適時打で浦和学院がついに1点を先制する。9回裏は正智深谷打線を三者凡退に抑え、浦和学院が苦しみながらも初戦突破を決めた。

浦和学院、9回2死で意地の一打

 王者の意地を見せ、接戦をものにした。スコアボードが動かず迎えた九回2死三塁で、浅田が「メンバー外の3年生のためにも、今までの成果をここで出そう」と狙っていた甘めのスライダーを捉えた。会心の当たりは左前に抜け、殊勲の決勝打となった。

 試合後、脱力状態だった森監督は「よく集中力が切れなかった。ここを勝ったのは大きい」とうれしい疲労感をかみしめていた。

(埼玉新聞)

昨夏王者・浦和学院が初戦を辛勝 9回に6番浅田の適時打で待望の1点もぎとる

9回に均衡を破る適時打を放った浅田健輔中堅手

 昨夏王者がまさかの辛勝スタートだ。「この展開をよくものにできた。今回勝ったことは大きい」と森大監督(33)も感心した一戦は、8回まで両者無得点の緊迫した展開。6番の浅田健輔中堅手(3年)が均衡を破った。9回二死三塁、浮いたスライダーをレフト前へ運ぶ適時打。「打順が一巡したタイミングで、相手の変化球を狙おうとチームで共有していた。会心の当たり」と満足げに振り返った。

 ここ一番の勝負所でも、緊張はしなかった。「メンバー外の選手もそれぞれベンチ入りへ強い思いで練習してきた。その選手たちの分もという強い気持ちで、絶対に打つつもりで打席に入った」。球場が揺れんばかりの大声で背中を押してくれる仲間たち。その思いを打席にぶつけた。

 昨年浦和学院が夏の甲子園に出場した時、浅田はその一員に加わることができなかった。1年秋から2年春までベンチ入りしていたが、調子を崩して夏のベンチから外れてしまった。メンバー外の悔しさも知っているからこそ、一打席にかける思いは強い。

 「最後の夏なので特別な思いもある。全員で一つになって甲子園をつかみたい」。支えてくれる仲間への感謝を胸に、浅田は連覇に向けて気合を入れた。

(スポーツ報知)

浦和学院・三井が決勝生還!元西武父・浩二氏が応援する前で「粘り勝つ野球ができた」

9回、内野ゴロが相手失策となり出塁する浦和学院・三井

 昨夏の埼玉大会覇者の浦和学院が苦しみながらも初戦を突破した。0-0の9回先頭で主将の三井雄心(ゆうしん=3年)が三塁失策で出塁。その後の2死三塁から、浅田健輔(3年)の左前適時打で決勝の生還を果たし「最終回に1点取れたし、粘り勝つ野球ができた」と振り返った。

 ジャイアントキリングを狙う正智深谷の継投策に苦しみ4打数無安打に終わったが、高校通算34本塁打で今秋のドラフト候補だ。スタンドでは西武時代に通算36勝20敗を挙げた父・浩二氏(50)が応援。「最後なんで思い切りやれ」という激励の言葉を胸にプレーしている。

 「今年は伝統の堅守で(予選の)7試合を勝ちたい」と森大監督。三井も「派手な部分はないけど、1点ずつ取って勝ち抜きたい」と表情を引き締めた。

(スポニチ)

「粘り強く」連覇への決意 3年・浅田健輔選手

九回、決勝の左前適時打を放つ浦和学院の浅田

 昨年の優勝校として大会初戦に臨んだが、試合は終盤まで0-0の大接戦。八回には二死一、三塁の危機を2番手投手の岡部修弥(2年)が空振り三振で切り抜け、最終回を迎えた。

 先頭打者は、主将の三井雄心(3年)。主軸を任されながら、この日は3打席連続で凡退。最終打席も三塁方向に力のないゴロが転がったが、必死の全力疾走が敵失につながった。

 後続の凡打の間に三井は進塁し、二死三塁の場面で打席が回ってきた。ベンチ入りを果たせなかった仲間の部員たちを思い浮かべながら「絶対に打つ」と打席に入った。

 2球目のスライダーを振り抜くと、鋭い打球が左翼前へ。勝ち越し点を挙げ、「興奮した」とガッツポーズで喜んだ。

 昨夏の大会では、調子を崩して出場機会を得られなかった。悔しさをバネに毎日、練習後も1時間以上素振りを繰り返し、コンパクトなスイングを磨いてきた。接戦を制し、「厳しい展開が続いても、粘り強く戦う」と連覇への決意を示した。

(読売新聞埼玉版)

堅守の浦学へ 難敵相手に1-0の完封勝利

 ギリギリの勝利だった。浦和学院の森大監督は「組み合わせ抽選で正智深谷さんとあたったときから、この苦戦は想像していました。初戦では当たりたくない相手だと思っていました」

 正智深谷の昨秋、今春の戦いぶりを振り返ると、秋では春日部共栄を破っており、春では昌平に0-6で敗れているが、県上位校相手にそれなりの戦いができる。気が引き締まるような相手だった。

 正智深谷のエース右腕・波田野桂伍投手(3年)の投球に苦しんだ。120キロ台の直球、90キロ台のカーブのコンビネーションに打ち崩せない。森監督は「遅い球で勝負する投手というのはわかっていて、その対策はしてきたつもりなのですが…」と1点が遠い。

 森監督にとっては想定内の試合展開だった。「新基準バットは飛ばないですし、それに負けないように徹底としたフィジカル強化もしてきましたが、やっぱり強い相手となると点は取れないんです。これまで僕は強打のチームを作り上げてきましたが、この夏は浦和学院伝統の堅守のチームで勝負しようと思いました」

 春の県大会では西武台戦で守備の乱れから敗北を喫した。ここから守備練習の時間もかなり増えて、高校通算34本塁打のスラッガー・三井 雄心内野手(3年)は「基礎、基本をしっかりと見直した」と語る。際どい打球も多かったが、球際の強さを発揮し、各内野手が好プレーを見せた。そのためメンバー選考も守備力が高い選手を選んだ。

 「打撃能力の高さで考えれば、ベンチを外れた2年生が上回っています。ただ、今年の戦力の状況を考えれば、守備力が高い3年生中心のメンバーを選びました」

 それができるのは森監督が信頼する2人の好投手がいるからだ。エースの鈴木由馬投手(3年)は6回まで無失点の投球。常時130キロ後半の速球、スライダー、ツーシームを駆使してゲームメイクできる投手。

 そして0-0の7回裏からマウンドに登ったのは岡部修弥投手(2年)だ。岡部は常時130キロ〜135キロの速球、スライダー、カーブを適度に投げ分ける技巧派で森監督は「小島和哉投手(ロッテ)、宮城誇南投手(早大)のような投手に育つ素質を持っています」と評価する逸材は8回裏にピンチを招きながらも無失点に抑えた。

 最後までこの2人をもり立てる堅守が光った。3月の練習試合ではまさに強打のチームだったが、今ではしぶといチームに変わった。「接戦で勝てるには、最後まで集中力を保って試合ができるか。練習試合では負けたら終わりみたいな心境で臨んできました。決勝戦まで勝ち進めば今日含めて7試合はこんな試合が続くと思っています。守備は大事になってきます」

 これまで森監督が就任してから超攻撃野球を掲げてきたが、今年は堅守で2年連続の甲子園出場を目指す。

(高校野球ドットコム)

試合結果

全国選手権埼玉大会・2回戦(7/14・県営大宮)

TEAM 1 2 3 4 5 6 7 8 9 H E
浦和学院 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 5 1
正智深谷 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 5 2
【浦】 鈴木由、岡部-落合
【正】 波田野、北村、波田野-大澤
垣内(浦)上原(正)

打撃成績

 浦和学院
位置 選手名 打数 安打 打点
石田 3 0 0
月山 3 0 0
三井 4 0 0
西田 4 1 0
垣内 4 1 0
浅田 3 2 1
落合 4 0 0
鈴木由 2 0 0
H 椎津 1 0 0
1 岡部 0 0 0
上原 2 1 0
R 山田 0 0 0
7 吉田 0 0 0
30 5 1
 正智深谷
位置 選手名 打数 安打 打点
高橋 2 0 0
1 北村 0 0 0
5 蓮池 1 1 0
里見 4 0 0
松本 3 0 0
笠原 2 2 0
①31 波田野 4 0 0
⑤3 野口 3 0 0
H 片山 1 0 0
菊川 1 0 0
H8 田中 3 1 0
菅原 3 1 0
大澤 2 0 0
29 5 0

投手成績

 浦和学院
選手名 安打 三振 四球 死球 失点 自責
鈴木由 6 3 7 2 1 0 0
岡部 3 2 3 0 0 0 0
9 5 10 2 1 0 0
 正智深谷
選手名 安打 三振 四球 死球 失点 自責
波田野 7 2/3 5 1 2 0 1 0
北村 1 1/3 0 0 1 0 0 0
9 5 1 3 0 1 0

チーム成績

TEAM 攻撃 守備
三振 四死球 犠打 盗塁 残塁 失策 併殺
浦和学院 1 3 1 1 6 1 1
正智深谷 10 3 3 0 8 2 3
guest

0 件のコメント
Inline Feedbacks
すべてのコメントを表示
error: Content is protected !!
0
コメントしてみるx