【写真】グラブを修理する松本将大さん=ベースマン大宮支店で(毎日新聞埼玉版)
野球用具販売店「ベースマン大宮支店」(さいたま市大宮区)でグラブ修理などを手掛けているのは、浦和学院野球部OBの松本将大さん(30)だ。8強入りした98年のセンバツでは俊足を生かし、代走などで活躍した。
当時は120人と大所帯のチーム。代打や代走では起用されるもののレギュラーにはなれず、「チームの中で自分の果たせる役割とは」と悩み続けた。しかし、センバツ出場が決まった日にコーチから「お前の生かせる役割は一つあるんだぞ」と励まされた。そのセンバツでは代打や代走として全4試合のうち2試合に出場。盗塁成功で、夏に向けて「足を生かしたプレーを追求しよう」と自信が持てたという。
「エースにはエースの、4番には4番の、メンバーそれぞれに役割がある。それが分かったとき精神的に成長できた」と話す。最後の夏は甲子園の土を踏めなかったが、高校卒業後は販売業などを通してほぼ一貫してスポーツにかかわってきた。「本気で野球にぶつかっている球児のサポートがしたい」。使い古したグラブを縫う手に力が入った。
(毎日新聞埼玉版)