【写真】紅白戦で投げる佐藤投手=浦和学院グラウンド(朝日新聞埼玉版)
第83回選抜高校野球大会(日本高野連・毎日新聞社主催、朝日新聞社後援)は組み合わせ抽選会まで1週間を切った。6年ぶり7回目の出場となる浦和学院は、フルスイングをモットーに昨秋の関東大会を制した。初優勝を狙い、最終調整に入っている。
◇初V視野に調整
浦学の選手たちは3日から沖縄で合宿中だ。11日まで、沖縄尚学や沖縄水産といった実力校との練習試合がびっしりと組まれている。
冷え込んだ2月中旬、さいたま市緑区のグラウンドに校歌が響いていた。ノックで簡単なボールを後ろにそらしたり、気の抜けたプレーをしたりした選手が大きな声で歌う。甲子園で先輩たちが校歌を歌ったのは、2004年夏の選手権大会が最後。小林賢剛主将(新3年)は「どのチームよりも多く歌いたい。埼玉に優勝旗を持ち帰りたい」と語った。
昨秋の関東大会は1試合平均7点以上をたたき出し打ち勝った。だが、続く明治神宮大会では、日大三に2―5で敗れた。甲子園で同校を破ることが冬場の目標となった。
選手たちは「悔しさを次に生かしたい」と、90メートルダッシュや長距離ランニング、タイヤを引きずりながらノックを受け続ける練習を繰り返し、下半身を強化した。
◇フルスイング
打力強化にも取り組んだ。トスバッティングやピッチングマシン相手の練習で竹製バットを使ってきた。単なる大振りにならないよう、球を芯でとらえるためだ。芯を外した時は痛みが走る。
「痛みが怖くてフルスイングができない時期もあったが、毎日やることで芯に当てられるようになった」と主軸を担う小林主将。昨秋から公式戦11試合で3本塁打を放っている沼田洸太郎選手(同)らの打撃にも期待がかかる。
◇エースが成長
「春は投手力」といわれる甲子園だが、エースの佐藤拓也投手(新2年)も成長が見込める。昨秋の公式戦すべてに先発した。内角を攻める直球とスローカーブにスライダーを織り交ぜる。冬場の練習で下半身が安定し球の切れが増した。新たに二つの変化球も身につけ、打たせて取る投球に磨きをかける。「冬の苦しい練習を乗り切れた。焦らないで調整していく」と落ち着いている。
課題は控え投手の成長だ。関東大会3試合は佐藤投手がすべて完投。決勝の東海大相模戦では、終盤スタミナ切れで連打を浴びた。左腕がそろう控え陣の中で、中山翔太投手(新3年)が頭角を現してきた。伸びのある直球を低めに投げ込み、スライダーで打ち取るのが持ち味だ。
森士監督は「今年こそ校歌を歌う。一戦必勝」と意気込んでいる。
抽選会は15日にあり、大会は23日に開幕する。
(朝日新聞埼玉版)