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徳栄、浦学がV争いか 埼玉大会あす開幕

 第92回全国高校野球埼玉大会は9日、県営大宮球場で開幕。昨年より1チーム増の159校が参加し、28日の決勝まで甲子園出場を懸けた熱戦が繰り広げられる。優勝争いは花咲徳栄、浦和学院のAシードが中心になりそうだが、そのほかのライバルたちも頂点を狙える実力を備えており、今年もし烈な戦いが予想される。

◇坂戸西、川越東も注目 上位狙う上尾、朝霞、昌平 潜在能力高いノーシード

 選抜大会出場で、春季県大会を制した花咲徳栄は9年ぶり2度目の栄冠、春季関東大会2連覇の浦和学院は2年ぶりの王座奪還を狙う。ともに豊富な投手陣と強力打線を擁しており、優位は揺るがない。

 2強を追うのが秋、春の県大会でともにベスト4入りしたBシードの坂戸西と川越東。それぞれ好投手を擁し、安定した戦いぶりが光る。

 他のシード勢では上尾、朝霞、昌平、市川越、成徳大深谷などが上位に進出する力を持つ。

 ノーシードでは昨年覇者の聖望学園、春日部共栄、本庄一、埼玉栄、春日部東らが潜在能力を秘め、台風の目となりそう。

◇花咲徳栄-昌平ゾーン「投打万全の徳栄軸」

 花咲徳栄が頭一つ抜けている。県内屈指の投手陣を持ち、変化球の豊富な左腕橋本、制球力のある右腕松本に加え、左横の山口、右横の今西が控える。春は登板しなかった左腕のエース五明の状態も上向きだ。

 打線は1-3番の佐藤、大塚、木村が安定。4番にはパンチ力のある金久保が入り、5番橋本は抜群の長打力を誇る。下位の英、木内も好打者。2年の田中も成長した。

 初戦でぶつかる市川口はエース平山を中心にまとまる。接戦に持ち込めば勝負は分からない。15年ぶりシードの秩父農工科は1番高橋ら打線が活発。富士見、羽生実、秀明英光などが立ちはだかりそうだ。

 Cシード昌平はエース槙谷ら投手を軸に守り抜き、市川ら抜け目ない打線が援護する。しぶとさのある松山などが控えるが、16強入りは順当か。

 走力が持ち味のDシード浦和北のブロックは混戦模様。昨年準優勝の埼玉栄は打力では前チームより劣らないだけに、佐藤、近藤ら下級生投手の出来が鍵を握る。西武台、東農大三、春日部も侮れない好チーム。初出場の山村国際にも注目だ。

◇成徳大深谷-川越東ゾーン「実力校多い激戦区」

 実力校がひしめく最激戦区。どこが勝ち上がってもおかしくない。

 秋春連続4強の川越東は左腕2枚が自慢。エース高梨は最速142キロの直球とスライダーが一級品で、4番も担う投打の柱。2番手猪岡はピンチでしぶとい。

 昨年覇者の聖望学園は先発の半数が2年。エース滝瀬は長身からの直球が力強く、甲子園を経験した永田、片岡ら中軸が頼もしい。初戦の大宮武蔵野も好チーム。武蔵越生、栄北も上位を狙う。

 Cシード成徳大深谷は木村ら投手が多彩。4番並木が中心の打線が好機を生かす。出羽、仲戸の両右腕がいい伊奈学園、南稜が壁となりそう。

 エース野田が軸のDシード川越西は初戦の川越初雁戦は簡単ではない。9年ぶりにノーシードで臨む春日部共栄は速球派のエース鎌田恭、昨夏から4番の池内など実力はある。大宮東も意地を見せたいところ。

 安本、西浦の右腕2本柱を擁するDシード大宮西は厳しい戦い。初戦の好投手・小野瀬のいる熊谷、秋8強の桶川、エース小田部の評判が高い滑川総合、早大本庄などにチャンスがある。

◇坂戸西-上尾ゾーン「公立中心に展開か」

 公立の好チームを軸とした展開が予想される。

 秋春連続4強の坂戸西は左腕長島が大黒柱。直球とスライダーを丁寧に投げ分ける。捕手安斎との呼吸も良く、黒沢俊を中心とした打線は全員が機動力を備える。坂戸、八潮南などが待ち構えるが、16強までは順当か。

 Cシード上尾はカーブを持ち味とする左腕伊藤が投打の柱。同じ2年の左腕三宅もそん色ない。打っては1番鍛冶を筆頭に下位までむらがない。

 同ブロックは激戦。昨年4強の春日部東は菊池らの継投で守り、俊足巧打の3番青木ら打線が着実に加点する。一昨年の北埼玉覇者の本庄一は当時から4番の田村が投打の要。葉梨、田尻らが脇を固める。3校のいずれかが勝ち上がるだろう。

 Dシード市川越は昨年8強の中軸が残る強力打線。弥田、丹羽は長打力があり、3番清水も好打者。2年左腕の大岩根の出来が鍵だ。阻むのはエース貫井の川越工、下級生主体の熊谷商か。昨年4強の川口青陵は苦戦しそう。Dシード正智深谷は強打者はいないが、4番村山ら打線がつなぎに徹し、5回戦までは堅そうだ。

◇朝霞-浦和学院ゾーン「投手陣豊富な浦学」

 浦和学院は昨年の先発が4人残り、例年通り強力打線がうり。1番石田、2番濱田がしぶとく出塁し、一発のある中軸の星、原、久保がかえす。6番萩原大も好打者だ。

 投手陣は右腕のエース阿部、197センチの長身から最速145キロの直球を投げ込む本格派の南、左横からの制球がいい萩原大と豊富だ。

 初戦の浦和実戦は好カード。右下手投げの菊池が打ちづらいが、これを越えれば準々決勝まで難敵は見当たらない。

 Cシード朝霞は右腕尾崎が伸びのある直球と多彩な変化球で打たせて取る。4番大谷は昨年2試合連続本塁打を放った。和光との初戦は注目。最速142キロの直球を誇る左腕・佐野との投手戦が予想される。同ブロックは所沢北、飯能南、越谷南とくせ者がそろう。

 Dシード立教新座はエース田仲の直球に切れがある。初戦の蓮田松韻は投打にまとまり侮れない。勝っても所沢商、西武文理など好チームがいる。Dシード武南は昨年を経験した右のエース六沢が安定している。順当なら昨年満塁弾を放った谷沢を擁する鷲宮と16強を争う。

(埼玉新聞)

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