右肩痛から復活した広島・大竹寛投手(28)が27日、札幌に移動し、28日先発予定の日本ハム戦(札幌ドーム)へ向け、調整した。日本ハム戦は0勝6敗と白星はないが、昨年6月1日には復帰戦となった北の大地で、7回3失点と勝ち試合に貢献。好印象の地で今年も好投を誓い、今季初勝利を狙う。連敗中のチームは3連勝すれば、まだ2001年以来の4、5月連続勝ち越しの権利もある。14試合連続で先発に勝ち星がつかない状況で、一気に流れを変えるべく大竹がマウンドに上る。
日本ハムの室内練習場でマウンドに上がり、大竹は入念に高さや土の状態を確認した。遠投、ダッシュなどで28日の復帰第2戦へ向け、調整を終えると「いつも通りですよ」と笑顔を見せた。
前回21日のオリックス戦(京セラ)で5回1失点。それから中6日の登板に、右肩の不安はもう感じていない。「いつも通り」に投げられる‐。昨春キャンプで発症した右肩痛に1年以上も苦しんできた大竹にとって、何よりの喜びだった。
札幌は好印象の地でもある。昨季6月1日の札幌ドーム、日本ハム戦で1度は復帰した。「悪い投球ではなかった」と7回3失点。チームの勝利に貢献した。
今年も粘り強い投球を誓う。「何球とか何イニングとか考えず、1アウトでも1イニングでも多く先発としての仕事を果たしたい」
チームは連敗中。しかも5月5日にバリントンが勝って以来、14試合連続で先発投手に勝ち星は付いていない。「とにかく最少失点で相手より失点を少なく粘っていく意識で、結果が付けばいい」と、復活勝利へ意気込んだ。
大野投手チーフコーチは「今は肩の回復具合がいい。(球数が)100球いってくれたら」と、右腕のリミットを上げる考え。大竹が中6日ローテで100球を投げ、今季初勝利まで飾れば、チームにとって好影響は計り知れない。
うれしいニュースもあった。入団以来、公私に世話になり続けた河内(現在は育成選手)がこの日、ウエスタン・ソフトバンク戦(マツダ)で約3年半ぶりに試合で投げたのだ。左肩を手術し、再起へ黙々とリハビリをする姿は同じ肩痛の大竹にとって、何よりの励みだった。
「投げたんですね。さっきネットで僕も見た。メールしましたよ。去年はずっと3軍で一緒でしたから。河内さんがいたから、1年、僕もやってこれた。僕も頑張ろう、という気持ちになれます」と声を弾ませた。兄貴分の思いも込め、大竹は全開で右腕を振るう。
(デイリースポーツ)