【写真】第９４回選抜高校野球大会の対戦校が決まり気持ちを引き締める浦和学院の森大監督（左）と八谷晟歩主将＝４日午後、同校
第９４回選抜高校野球大会の組み合わせ抽選会が４日、オンラインで開催され、出場３２校の対戦カードが決まった。開幕試合は浦和学院と２１世紀枠の大分舞鶴の顔合わせ。同大会は兵庫県西宮市の甲子園球場で１８日から１３日間（準々決勝翌日と準決勝翌日の休養日を含む）で行われる。
新型コロナウイルスの感染対策で、昨年に続き出場校の主将らがリモートで参加した。昨秋の明治神宮大会を制した大阪桐蔭は第６日第１試合で鳴門（徳島）と対戦。注目のスラッガー、佐々木麟太郎を擁する花巻東（岩手）は市和歌山とぶつかる。
奄美大島の公立校、大島（鹿児島）は明秀学園日立（茨城）と戦う。２１世紀枠校は只見（福島）が大垣日大（岐阜）、丹生（福井）は広島商に挑む。
選手宣誓は、第１日の３試合を戦う６校の主将による抽選で、倉敷工（岡山）の福島貫太主将が務めることになった。
今大会から天候不良などで試合が中断した場合、翌日以降に中断時点からの試合の続きを行う「継続試合」を導入する。また、兵庫県にまん延防止等重点措置が適用されている期間は入場者を１試合２万人としている。
新しい風を吹かせる
開幕試合という新生・浦和学院にとってこの上ない舞台が整った。甲子園での初采配となる森監督は「新しい風を吹かせようと準備をしてきた。最も注目している開幕試合を引き当てたからには、頑張りたいと思います」と淡々とした口調で答えたが、目には闘志が宿っていた。
オンライン抽選会で、残り３校の抽選札から１枚を選び、開幕試合を引き当てた主将の八谷は「１試合目を引こうと思っていた。引き当てた時は『よっしゃ』と思った」とマスク越しでも分かる驚きの表情を見せた。
八谷を除く選手たちは、午後からグラウンドで練習を実施。監督室で抽選会を見守っていた森監督から開幕試合と伝えられると、選手たちはガッツポーズをするなど喜んだという。
開幕試合で対戦する大分舞鶴は、２１世紀枠で選出されての初出場。初戦で２１世紀枠のチームと対戦するのは、全国制覇した２０１３年の土佐（高知）以来となる。監督は「全国制覇した時に同行させてもらって、２１世紀枠のチームは手ごわいイメージしかない」と気持ちを引き締めた。
抽選会から、ちょうど２週間後の１８日に初戦を迎える。エースの宮城は「新生ウラガクで、見ている人を驚かせる野球をしたい」と意気込んだ。甲子園で春一番とともに出場３２校で一番最初の校歌を響かせてもらいたい。
大阪桐蔭、広陵が中心 ”怪物”佐々木にも注目
第９４回選抜高校野球大会の組み合わせが４日に決まった。昨秋の明治神宮大会を制した大阪桐蔭や同準優勝の広陵（広島）を中心とした優勝争いになりそうだ。東北大会王者で、スラッガーの佐々木を擁する花巻東（岩手）も注目だ。浦和学院は昨秋の公式戦９試合で３失策の堅守が持ち味。
大阪桐蔭は松尾、丸山を軸に、打線に切れ目がない。サウスポー前田ら投手陣も粒ぞろいで、攻守に強力な陣容を誇る。広陵は内海、真鍋ら打線が勝負強い。北信越大会を制した敦賀気比（福井）との１回戦は好カードだ。
花巻東の佐々木は昨秋、今大会の出場選手で最多となる６本塁打をマークした。身長１８３センチ、体重１１７キロ。規格外のパワーを発揮する”怪物”だ。肩の手術からの調整具合がやや気掛かりな点か。
昨夏の甲子園大会で４強入りした京都国際も上位争いに割って入りそうだ。森下、平野ら主力が多く残り、経験値の高さがある。
好投手の大野が引っ張る奄美大島の公立校、大島（鹿児島）や、高校日本代表を指揮した永田監督が采配を振る日大三島（静岡）の戦いも興味深い。
クラーク（北海道）－九州国際大付（福岡）は地区大会覇者同士の対戦。明治神宮大会では九州国際大付が勝った。
大分舞鶴や、只見（福島）丹生（福井）の２１世紀枠校の戦いぶりにも期待したい。
（埼玉新聞）
浦学、大分舞鶴と対戦 開幕戦に決定
対戦相手が決まり、森大監督（手前）の話に耳を傾ける選手たち＝さいたま市緑区の浦和学院で２０２２年３月４日
オンラインで開かれた第９４回選抜高校野球大会（毎日新聞社、日本高校野球連盟主催）の組み合わせ抽選会で４日、７年ぶり１１回目出場の浦和学院は、大会第１日（１８日）の開幕試合で、２１世紀枠で初出場の大分舞鶴（大分）と対戦することが決まった。
抽選会には八谷晟歩主将（２年）が参加。練習を終えてテスト勉強に励んでいた選手たちをグラウンドに集め、八谷主将が「開幕戦に決まった」と告げると拍手が起きた。エース左腕の宮城誇南（同）は「やっと実感がわいてきた。新生浦和学院で、見る人を驚かせるような野球をしたい」。二刀流の金田優太（同）は「開幕戦は一番注目される。相手関係なく、自分たちができることをどれだけ発揮するかが勝負」と意気込んだ。
大分舞鶴 文武両道を掲げ
１９５１年創立の公立校。普通科、理数科を併設し、２００５年には文部科学省からスーパーサイエンスハイスクールに指定された。県内有数の進学校として知られ、毎年、難関大に合格者を輩出している。
男女共学で９５３人（２月２８日現在）が学ぶ。校是は「舞鶴魂―しまれ、がんばれ、ねばれ、おしきれ」。文武両道を掲げ、ラグビー部は全国優勝の経験もある花園の常連校だ。
野球部は開校と同時に創部。勉強との両立を図るため平日の練習時間は２時間とし、班分けするなど、短時間に集中して練習する。近年は県大会で優勝するなど好成績を収めている。卒業生には歌手の南こうせつさんや伊勢正三さんらがいる。
気を引き締め1勝 浦和学院・森大監督
秋の大会が終わってから、センバツで開幕カードを引いたつもりで準備しようと声をかけてきた。（相手は）大分大会や九州大会でも良い試合をしていた。気を引き締めてまず1勝を目指したい。
緊張を力に変えて 浦和学院・八谷晟歩主将
開幕戦に緊張はあるが、力に変えて臨みたい。（相手チームは）良い投手がいるので、打ち崩すために、この冬やってきたことを発揮できれば。甲子園で新しい浦学野球を見せたい。
思い切りぶつかる 大分舞鶴・河室聖司監督
開幕試合で、本当にワクワクしている。浦和学院は、都会の洗練された私立校で、とても力のあるイメージ。初めての甲子園で選手が萎縮しないよう気持ちよく試合に臨みたい。あとは思い切りぶつかるだけです。
泥臭く格好つけず 大分舞鶴・甲斐京司朗主将
開幕試合を引いて驚きです。良い試合をして２１世紀枠でも力のあるところを見せたい。相手は甲子園の常連校で強いのは分かっている。名前負けしないよう、一球に対して泥臭く、格好をつけず頑張りたい。
（毎日新聞埼玉版）
浦学、開幕試合「うれしい」21世紀枠の大分舞鶴と対戦
抽選会が終わった後、八谷主将は報道陣の取材に答えた=２０２２年３月４日、浦和学院高校
第９４回選抜高校野球大会の組み合わせ抽選会が４日、オンラインで行われた。７年ぶり１１度目の出場となる浦和学院（さいたま市緑区）は１８日午前１０時からの開幕試合で、２１世紀枠の大分舞鶴（初出場）と対戦する。
新型コロナウイルスの影響で、抽選会は昨年に引き続いてオンラインで実施。各校の主将が選んだ番号の封筒の中に入る番号で、組み合わせを決めた。
浦和学院の八谷晟歩（せいほ）主将（３年）は学校から参加し、残り三つの数字が残る中で画面越しに「１４番でお願いします」と伝えくじを引くと、開幕試合「１」の数字が。八谷主将はマスク越しに驚いた表情を浮かべ、「うれしいです」と話した。その後練習グラウンドに移動し、他の選手たちに初戦の相手を報告すると、選手たちからは拍手がおこった。
昨夏まで３０年間監督を務めた森士氏が退任し、新監督になってから初めての甲子園出場となる。森大監督は「気持ちは前向きに。失敗を恐れずにやってもらいたい」と話した。
好投手打ち崩す 浦和学院・八谷晟歩主将
（開幕試合で）うれしい。良い投手がいるので、自分たちの野球で打ち崩せるように頑張る。新体制になって取り組んできたことを、甲子園で発揮できれば良いと思う。
大分舞鶴 強力打線、粘り強さも
大分県内屈指の進学校で初出場。２０２０年８月に就任した河室監督がそれまでの練習方法にメスを入れ「強力打線」と「粘り強さ」を築き上げた。
文武両道で、平日の練習時間は２時間。うち３０分間を筋力トレーニングを中心とした体力強化に費やす。
２１年の春の県大会で優勝、夏の大分大会では明豊を苦しめ準優勝を果たした。秋の県大会では５試合で計４４得点の「強力打線」を発揮。九州大会では、初戦の大島戦で九回に追いつく「粘り強さ」をみせ、再試合に持ち込んだ。
右腕奥本と捕手の青柳は昨夏からのコンビ。打線も甲斐、都甲を中心に切れ目がない。河室監督は「まずは一勝をめざす」と語る。
（朝日新聞埼玉版）
浦和学院”吉兆”だ、埼玉勢68年Vの大宮工以来の開幕カード 森大監督「まずは1勝」
開幕カードに決まり、ガッツポーズする浦和学院・八谷主将（中央）と選手たち
７年ぶり１１度目出場の浦和学院（埼玉）は想定通り、大会初日の第１試合を引き当てた。森大（だい）監督は「秋から“センバツは開幕戦でやるんだよ”と言って準備してきた。選手たちはガッツポーズでしたよ」と、笑顔を浮かべた。
昨夏限りで退任した父・森士（おさむ）前監督のチームを引き継ぎ、初めての大舞台に挑む森大監督に吉兆が重なった。埼玉勢がセンバツ開幕試合を戦うのは優勝した６８年の大宮工以来。さらに初陣の相手は２１世紀枠の大分舞鶴だが、小島和哉（現ロッテ）を擁して初制覇した１３年春の１回戦の相手も２１世紀枠の土佐（高知）だった。森大監督は「土佐は強かった。大分舞鶴も強い。あの時と同じように、まずは1勝。その先に全国制覇がある」と引き締めた。
オンライン抽選で「１」を引き当てた八谷晟歩（せいほ）主将（２年）は「超攻撃的野球をアップデートしてきた」と自信を見せ、エース左腕・宮城誇南（こなん、２年）も「新生浦学。見ている人を驚かせたい」と力強かった。
埼玉勢の開幕戦 54年ぶり2度目
埼玉勢がセンバツの開幕戦に登場するのは６８年大宮工以来、５４年ぶり２度目。大宮工は初戦で防府商を５－４で破るとそのままの勢いで初出場初優勝した。なお、埼玉勢と大分勢のセンバツでの対戦は初。夏は埼玉の０勝２敗となっている。
（スポニチ）
浦和学院は開幕戦登場 甲子園で伝統のユニホームが復活
第９４回選抜高校野球大会の組み合わせ抽選会が４日、オンラインで開催され、出場３２校の対戦カードが決まった。７年ぶり１１度目の出場の浦和学院（埼玉）は、２１世紀枠で初出場の大分舞鶴との開幕戦を引き当てた。抽選を終えた主将の八谷晟歩内野手（２年）が練習を終えて、ナインの前で、「絶対勝つぞー！」と鼓舞した。
「秋の大会後は選抜開幕日に合わせてやってきて、開幕戦を引きたかったので良かった。昨夏は、（雨などで初戦が約１週間遅れ）間延びして、自分たちのペースでできずに校歌を歌えなかった」
昨夏の甲子園では初戦の２回戦で日大山形に逆転負けで森士監督（５６）が勇退した。長男の森大監督（３１）が後を引き継ぎ、異例の父子指揮官で〝夏春連続出場〟を果たした。新監督は２０１０年まで着用した伝統のユニホームに戻し、チーム改革を進めている。
「全てに前向きにアグレッシブに。相手は２１世紀枠だけど、九州準優勝校と再試合した力がある」と森監督。『新生・浦学』が１３年以来２度目の優勝を狙う。
（サンスポ）
浦学、大分舞鶴と開幕戦 主将「緊張を力に変えて戦う」
開幕戦を引き当て、仲間たちとガッツポーズする八谷晟歩主将＝さいたま市緑区の浦和学院高校で
１８日に阪神甲子園球場（兵庫県西宮市）で開幕する第９４回選抜高校野球大会の組み合わせ抽選が四日、オンラインで行われた。７年ぶり１１回目の出場となる浦和学院（さいたま市緑区）は、初日の開幕試合で２１世紀枠の大分舞鶴（大分）と対戦する。
就任１年目で選抜に挑む森大（だい）監督は抽選後、選手たちに「日本中が注目する開幕戦ができることを喜び、全国制覇できるように力を合わせて準備していこう」と呼び掛けた。
八谷晟歩（はちやせいほ）主将（２年）は「開幕戦を引き当てて『よっしゃー』という気持ち。緊張を力に変えて戦いたい」と意気込んだ。相手の印象については「左右のいい投手がいるので、打ち崩すために力を発揮したい」と語った。
大分舞鶴は春夏通じて初の甲子園出場。昨秋の九州大会は１回戦で敗れたが、決勝まで進んだ大島（鹿児島）と延長十回悪天候による引き分け、その後の再試合でも接戦を演じた。卒業生に歌手の南こうせつさん（７３）や伊勢正三さん（７０）らがいる。
（東京新聞埼玉版）
