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浦和学院、山村国際にコールド勝ちで3回戦進出 秋季高校野球県大会

【写真】伊藤漣投手

 秋季県高校野球大会第3日は28日、県営大宮など4球場で2回戦の残り8試合を行い、ベスト16が出そろった。

 浦和学院は山村国際に12-3の七回コールド勝ちで、3回戦に進出した。

 第4日は30日、県営大宮など4球場で3回戦8試合を行い、ベスト8が決定する。

浦和学院がコールドで初戦突破!破壊力抜群の旧チームから今年は投手力、粘り強さで勝負

 県営大宮球場の第2試合は浦和学院と山村国際との一戦。浦和学院は今夏早期敗退したこともあり、ノーシードで今大会を迎える。新チームは新人戦で立教新座に勝利も3対1と苦しむなど野手陣にやや課題が残る印象を受けたが、その現在地に迫る。

 浦和学院の新チームは強力打線を前面に押し出す旧チームとはスタイルが大きく異なる。投手陣は旧チームで登板経験のあるエース・伊藤漣(2年)、投打ともに才能が高い西村虎龍(2年)、左腕・城間琥珀(2年)、春に登板があった本格派右腕・日高創太(2年)と4枚残る。だが、野手のスタメンは主砲・鈴木謙心(2年)以外総入れ替えとなっている。その鈴木を1番で起用している。森監督は打順の意図を語った。

 「今はうちで一番良い打者である鈴木を1番に置いてます。立教新座戦は4番でしたがもう少し自由に打たせたくて。まだ少し率が上がって来ないですが良い時は爆発するので”1番・鈴木”がハマってくれたら。チームに勇気を与える打撃を期待したい。2番以降は今年は強打ではなく巧打者が多いので、この秋はとにかく繋ぎ。下位打線は旧チームより良いかもしれません。内藤蒼(2年)と大宮翔(1年)は守備に集中して欲しくて下位に据えてますが、本来は大宮が2番で、内藤が4番。また春以降のDH制も踏まえて伊藤、西村の2人は打撃も良いので打線に組み込んでいます」

 登板しない時は打力のある伊藤、西村らが守備位置に入り、打線のキーマンにもなるなど、現状は投手陣がチームを引っ張る形だ。今大会で勝ち上がりながら、どこまでチームの完成度を高めることができるかが鍵となる。

 先発は浦和学院がその伊藤、一方の山村国際は下山晃生(2年)と両エースが登板し試合が始まる。

 先制したのは山村国際であった。

 浦和学院・伊藤は4回表、1死から5番・保條大成(2年)に左越え二塁打を浴びると、6番・金子明暖(2年)、7番・小暮琉唯(2年)に連続長短打を浴び先制を許す。

 一方、山村国際・下山の動くボールに序盤やや苦しめられた浦和学院もその裏すぐに反撃開始。1死から5番・西村、6番・玉榮久豊(2年)の連打で1死一、三塁とし、7番・内藤のセーフティースクイズが相手の野選を誘い同点とする。

 一気に流れを持ってきたい浦和学院は5回裏にも、押し出しを含む5四死球と突如乱れた山村国際・下山の制球難に付け込み、満塁から内藤、8番・大宮、9番・伊藤の3連続適時打など一挙7点を奪うビックイニングを作る。

 6回にも大宮、伊藤の連続長短打で4点を奪いコールドペースに持ち込む。

 投げては伊藤が悪いなりにまとめて4回1失点、城間2回2失点、日高1回無失点と3投手の継投で3失点で切り抜ける。

 結局、浦和学院が7回コールド12対3で山村国際に勝利し初戦を突破した。

 序盤やや苦しむも最終的にはコールドで初戦を突破した浦和学院。森監督は新チームについて投手陣の力量と粘り強さを高く評価している。

「夏は滑川総合に負けて、もう一回投手陣から作ろうと。一つずつ原点回帰で。投手陣を整備して投手陣でリズムを作る。伊藤は途中足を捻りあまり良くなかったが、まとめるのが上手い。今年は状態が悪い投手が出てきてもすぐ継投することができる。投手陣は例年以上かなと。今日最初、投手戦のような展開になり、経験がないのでやや苦しみました。守備からリズムを作って攻撃に転じようとやっていますが、うちはまだ発展途上。安定した試合運びが今後の課題です。ただ旧チームほどの破壊力はないですけど、今日みたいに繋がれば得点にはなるので。最終的に3年前の江口の代のようなチームになってくれたら。今年は凡事徹底をテーマに我慢強く粘り強く。練習試合は夏負けてから50試合くらいやった。守りは安定していて守りで崩れることはなくなってきた。夏終わってこの代で負けるのかという悔しい気持ちから始まって頑張ってきている子たちなので粘り強い」

 滑川総合戦に負けた理由としては慌てたことが挙げられる。

 「0対0から複数失点をした時にいかに落ち着いて臨めるか。今日は失点してすぐ落ち着いてセーフティースクイズを決め追いついたこと。粘り強さを強みにしていきたいのでその点は評価できる。いかに慌てない試合運びができるかが課題。去年から浦和実業を見ていて、石戸君の打たれないっていうメンタリティーはもちろん、とにかく守備が良かった。浦和実と叡明の試合をずっと見ていたんですが、両校はとにかく守りからリズムを作る意識が浸透している。もちろん、うちや徳栄のように能力の高い選手がその能力を発揮できればいつでも良い試合になるけど、大会を通じて勝ち上がることを考えた時に学べたのは浦和実や叡明の野球をうちがやれるかどうか。後輩たちは藤井や垣内の打球を見てあんな打球を打ててもその代が甲子園に行けなかったことを目の当たりにしているので、この学年は堅実に行こうと現実的」

 指揮官は浦和実や叡明を引き合いに出しながら守備の意識を再確認する。

 確かに、旧チームの大型打線は周りから見ると脅威であったが、同時に脆さも同居していた。新チームはとにかく投手陣が計算できるので、この代の持ち味である投手力、守備力、粘り強さでどこまで勝ち上がることができるのか今後も注視していきたい。

(高校野球ドットコム)

試合結果

秋季県大会・2回戦(9/28・県営大宮)

TEAM 1 2 3 4 5 6 7 8 9 H E
山村国際 0 0 0 1 0 2 0     3 8 0
浦和学院 0 0 0 1 7 4 x     12 12 0
(7回コールド)
【浦】 伊藤、城間、日高-内藤
【山】 下山、久保田、今福、小林-加藤
大宮(浦)
伊藤(浦)保條、小暮(山)

浦学スタメン

打順 位置 選手名 学年
1 鈴木 2年
2 坂田 1年
3 法量 1年
4 藤澤 2年
5 西村 2年
6 玉榮 2年
7 内藤 2年
8 大宮 1年
9 伊藤 2年
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