7月27日、夏の甲子園埼玉大会準決勝が35℃を超える猛暑の中、県営大宮球場で行われた。本校野球部は春の県大会準優勝、関東大会2年連続優勝でAシードという重圧を背負い大会に臨んだ。精一杯戦った選手たちの功績はもちろんであるが、浦和学院公式ホームページでは、新聞紙上・テレ玉放映では報道が少ない裏方特集を組み、「浦学生の熱い夏」を一人でも多くの浦学ふぁみり~に伝える企画とした。(編集室)
◇校長より御礼
7/27 埼玉大会準決勝おいて、本庄第一高校に1対4で敗退致しました。野球部は、この悔しさを新チームに引き継ぎ、さらなる発展を遂げることと確信しております。多くの県民の皆様、浦学ファンの皆様にご声援をいただき感謝しております。ありがとうございました。
校長 小沢 友紀雄
◇浦学が誇れる背番号22番の選手たち 燃えに燃えたスタンド!!
ベンチ入りできる選手数は背番号20番までの20名。今大会5回戦まで進んだある県立高校の監督は「ベンチ入り選手は20名で各自その役割を果たす、21番は記録員という役割で複数のマネージャーから選ばれる大きな存在。そしてスタンドは22番。その役割は勝ち進んでいくにあたり極めて重要。」という話が聞けた。
永年「スタンドは21番」という認識をもっていた私もこの言葉に聞き惚れた。浦学野球部員は85名、今回は背番号22番の控え選手64名とマネージャー4名にスポットを当てスタンドの様子を紹介したい。
◇応援団長・片桐淳 3年J組(さいたま市立三室中学校出身)
浦学の部員は85名。しかし練習に差はない。同じグランドでアップ、班別に打撃・守備・トレーニング・食事等を効率よく回転させる。5名の顧問の他、OBも手伝い指導者にも事欠かない。メイングランド、サブグランド、雨天体操場なども大勢の練習を可能にする受け皿だ。また、多い時にはバス2台を使い3か所で練習試合もこなす。
3年片桐淳選手は、浦和シニアでキャッチャーを経験し浦学でもレギュラーを目指した。3年に入り、春季大会・関東大会そして今回は野球部員の応援団長としてスタンドのリーダーを務めてくれた。「悔いがないと言ったらウソになる。でも、3年間甲子園に出場し全国制覇するために頑張ってきた。同級生の原が怪我(7/25所沢北高校戦)をし、戻ってくるまで負けるわけにはいかない。早く戻ってきて暴れて欲しい。」と試合前に語ってくれた。
さらに、毎試合後一般席・本校応援団・野球部父母会3方向に挨拶する理由を聞くと、「今までやってこられたのは、周囲の人のおかげ。一緒に戦い勝ち抜きたい」という思いで挨拶する。
片桐団長は猛暑の中、制服正装で暑さと戦う。常に笑顔を絶やさない。特に見方がピンチの時、得点が欲しい時はスタンドで円陣を組み、さわやかに指示を出す。周囲の3年生も負けまいと片桐を盛り立てる。片桐たち3年生のためにも、「甲子園」へ近づけてあげたかった。しかし、球運は浦学には傾くことなく、「全国一、練習するチーム」を見放した。試合終了と同時に片桐は動けず泣き崩れた。最後の挨拶をしっかり行い「自分たちは試合に負けたが、人生に負けたわけではない。人生の勝ち組になってみせます」と力強く語り、「後輩たちが絶対に甲子園に行きます」というコメントも忘れなかった。この暑さ、精神状態の中で高校生としては、立派すぎる挨拶。春の関東大会では、茨城の一般市民からも大きな喝采を得た。来年、甲子園で片桐の笑顔に再会したい。
ありがとう片桐団長、そして3年生の部員達。
◇応援指導部 生徒会・吹奏楽部・ソングリーダー部
浦和学院は、夏10回・春6回合計16回の甲子園出場を数える。そのノウハウを活かし県大会でも応援指導部の生徒・教員が大活躍し、野球部の勝利を支えてくれている。応援指導部は毎試合、スクールバス3台に分乗し試合地へ乗り込む。
◇生徒会
準々決勝以上は、学年応援・全校応援となるため生徒会の役員たちも大忙し。応援指導部の飲料の手配、応援セット(帽子・メガホン)の搬送に力を貸してくれる。「この暑さの中、立っているだけでも厳しい。しかし、生徒達は野球部が勝ち進むために進んで動いてくれる。ありがたいことです。」(生徒会指導部主幹 清水教諭談)生徒達は、紙コップの飲料水を休む間もなくと球場内の関係者に配ってくれている。
◇ソングリーダー部(他校ではバトン部)
3年生12名、2年生13名、1年生17名で構成されている。スクールカラーの臙脂、応援カラ―の浦学ファイヤーレッドに近いコスチュームに身を包み、吹奏楽部の演奏する軽快なリズム、応援団長の声に合わせて多彩な動きをする。浦学の応援は甲子園でも定評があり、他校から真似をされるケースが多い。曲目もオリジナルを含めて30曲を数える。「踊りは新しい曲ができるたびに、生徒達が考え後輩に引き継ぐ。3年生は1年時に甲子園を経験していたが、また甲子園のスタンドで踊ることを心待ちにして活動している。願いを叶えてあげたかった。」(顧問 河原田教諭)
今大会は、1年生も交替で参加。42名全員が踊ってくれた。自らの全国大会も8/2・8/3東京体育館にて出場が決定しており、大会の演技と野球応援を両立して猛暑の中活動している。野球が敗退してしまったが、全国大会での好成績を期待したい。頑張れ、ソングリーダー部。
◇吹奏楽部
126名の部員。浦学で一番の大所帯部活だ。吹奏楽部も夏休み中に大会を控えており交替で戦いに参加している。今回、応援曲の指揮者を担当する副部長の3年W組日野笑美奈さんに試合中話が聞けた。「野球部には、絶対に勝ってもらいたい。今日は半分のメンバーが学校で練習している。そのメンバーに明日参加して欲しいので精一杯頑張る。」普段の練習と違う所は?と聞くと「暑いので水分を補給して首とくちびる焼けをしないようケアしている。」と話していた。
指揮者は日野さん、1年H組新井愛さん、1年U組増淵佐和子さん、1年L組青木菖吾さんの4名が交替で担当、「まとまり感が選手に届いていることを願う、絶対に勝って欲しい」と強い気持ちが伝わった。日頃から早朝から遅くまで練習している吹奏楽部。次回はみんなが演奏してくれる曲にのせて野球部員を甲子園に運んで欲しい。
編集室には応援メールがたくさん届きました。紙面の関係で2通をご紹介します。
◎野球部のご活躍には毎年パワーを頂いております。今年の選手達も大変魅力あるチームワークでした。勝敗も大切ですが 特に野球部の生徒さんたちの素晴らしい挨拶は来校するたびに気持ちが良いです。甲子園のキップは惜しくも逃しましたが 選手たちの今後のご活躍に期待しています。先生・学校関係者の各位殿、本当にお疲れさまでした。
◎自分の母校では、出来なかった憧れのスタンドでの応援を皆様とさせていただきまして本当にありがたく感じております。ぜひ来年は甲子園での応援に期待しております。なかなか、お力になる事が出来ませんが、今後もさらに応援を続けさせていただきます。
http://www.schoolnetwork.jp/urawa/wp-content/uploads/2010/07/22728aiiua.pdf
(浦和学院公式ホームページより)