第83回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高野連主催)の組み合わせ抽選会が15日、大阪市北区の毎日新聞大阪本社オーバルホールであった。浦和学院は27日の大会第5日第2試合で鹿児島実(鹿児島)と対戦することが決まった。強豪との初戦にナインは闘志を燃やしている。
エースの佐藤拓也投手は「相手は実力校。自分たちの力を全部出す」と語る。佐藤投手の実家のある茨城県鹿嶋市は東日本大震災で被災した。「甲子園で活躍して地元を励ませるようなプレーがしたい」と話す。
主砲の沼田洸太郎選手は「がむしゃらに目の前の試合に取り組みたい」と力を込めた。
◇開催可否18日決定
第83回選抜高校野球大会を開催するかどうかについては、18日午後に大阪市内で臨時運営委員会を開いて最終決定する。
◇鹿児島実業
1916年創立の私立校で、校訓は「不屈不撓(ふとう)」。野球部は18年に創部。甲子園出場は春が15年ぶり8回目、夏は17回で、96年春に全国制覇している。昨秋の県大会は6試合で57得点、九州大会は4試合で30得点を挙げていずれも優勝を果たした。打線は豊住康太主将、揚村恭平選手ら中軸が安定。エースの野田昇吾投手は140キロ超の速球などが持ち味で、公式戦13試合をほぼ一人で投げ抜いた。野球部OBにソフトバンクの杉内俊哉投手ら。
◇ひたむきに/被災地に勇気を
◇浦和学院・森士監督
鹿児島実は歴史ある強豪。粘り強く集中力を持って臨む。地震の影響で沖縄遠征から帰れず、選手に疲れもあるが、5日目の試合なので落ち着く時間ができた。頑張る姿で皆に感動を提供したい。
◇浦和学院・小林賢剛主将
対戦相手は強いチーム。先手必勝で、一発目から相手をつぶしにかかれるよう、一瞬一瞬が勝負。甲子園では「勝ちたいんだ」という気持ちで、ひたむきに悔いのないプレーをしたい。
◇鹿児島実・宮下正一監督
まずは初戦突破。相手は甲子園の常連校で、勢いにのまれないように心を一つに臨みたい。鹿児島も奄美の水害、新燃岳噴火などに苦しんできた。被災地に希望の見えるような戦いをしたい。
◇鹿児島実・豊住康太主将
相手は強豪で、打撃もパワフル。やりがいがある。胸を借りるつもりでプレーする。ボールを追える幸せに感謝しながら、震災で被災した人たちに勇気と力を与えられたらと思う。
(毎日新聞埼玉版)