【写真】甲子園でも好投が期待される浦和学院のエース佐藤(埼玉新聞)
第83回選抜高校野球大会は23日に甲子園球場で開幕する。東日本大震災の影響で開催が決まったのは18日。準備面での影響は各校とも避けられないだろうが、優勝争いは昨秋の明治神宮大会を制し、投打に抜きんでる日大三(東京)が軸となりそうだ。関東大会優勝で神宮大会4強の浦和学院も有力候補の一つ。厳しいブロックに入ったが、勝ち抜く力は十分ある。
◇激戦ブロック勝ち抜けるか
浦和学院のエース佐藤は、昨秋の大会で防御率1・13と抜群の安定感を誇る。チーム打率3割4分4厘と強打で、ともに3本塁打を放った沼田、日高の長距離砲をそろえる。1回戦の相手は九州王者で神宮大会準優勝の鹿児島実と屈指の好カードとなった。鹿児島実も投打にバランスが良く、左腕野田は最速143キロの直球にスライダーを織り交ぜ、チーム打率は3割6分7厘と強打だ。
2回戦は140キロ台の直球が武器の右腕エース田村を擁する昨夏の甲子園ベスト4の報徳学園(兵庫)と、出場校中トップの1試合平均9・8得点を誇る昨秋の徳島大会優勝の城南の勝者とぶつかる。
さらに同ブロックには昨秋の地区大会王者が集まり激戦区となった。好投手を擁する中国大会優勝の関西(岡山)、昨春の選抜大会4強で東海大会制覇の大垣日大(岐阜)も左腕葛西が中心の強豪だ。
東日本大震災の被災地にある東北(宮城)はエースで主砲の上村が大黒柱となり東北大会を制している。関東大会準優勝の東海大相模(神奈川)も破壊力のある打線を武器にライバルたちに匹敵する実力を備える。
日大三は、打線に準優勝した前回大会の中心メンバーが残っているのが心強い。投手力も非常に安定している。1回戦では甲子園での経験が豊富な馬淵監督率いる明徳義塾(高知)と対戦。この試合を切り抜ければ弾みがつくだろう。
履正社(大阪)も総合力が高い。犠打を駆使する攻撃は確実性がある。神奈川大会を制し関東大会4強の横浜(神奈川)は機動力が自慢の好チーム。
震災の影響を受けた光星学院(青森)と、水城(茨城)は1回戦で顔を合わせる。
21世紀枠の大館鳳鳴(秋田)佐渡(新潟)城南(徳島)をはじめ、総合技術(広島)など、春夏を通じて初めて甲子園大会に臨むチームの戦いぶりも楽しみだ。創部1年目で出場を決めた創志学園(岡山)は、長沢監督の采配に注目したい。
(埼玉新聞)