◇埼玉・浦和学院が2連覇 秋季関東高校野球 選抜濃厚に
第64回秋季関東地区高校野球大会(関東地区高校野球連盟主催)は4日、甲府市の小瀬球場で決勝があり、県代表の浦和学院(埼玉1位)が作新学院(栃木1位)に5-0で勝ち、2年連続3度目の優勝を飾った。来春の選抜大会出場のチャンスを大きくたぐり寄せ、23日に開幕する明治神宮野球大会にも関東代表として出場する。
確実に好機を生かし、反撃の隙を与えなかった浦和学院が快勝した。3回、林崎、石橋の適時二塁打で2点を先制すると、4回には四球と安打でつくった好機に林崎が2点適時打を放った。8回にも押し出しで5点目を奪い、終始試合を優位に進めた。
3回途中から登板した渡辺が9回途中まで3安打に抑えるなど、3投手が力投し、無失策の堅い守りで得点を許さなかった。
◇苦手の外角を適時打 石橋司選手
「踏み込んで打つ」。3回裏2死一、二塁の好機で、石橋司君(2年)は、そう決めて左打席に入った。先制点が入った後の大事な場面。中軸を担う5番打者として、どうしても追加点が欲しい。
思い出していたのは、1打席目に外角の速球を打ち上げて凡退したこと。「どうしようもないほど打てなかった」という県大会からずっと、外角球をうまくとらえられなかった。弱点として狙われたのか、今大会でも要所で投げられ、抑え込まれていた。
もう同じ失敗は繰り返したくない。「体が開かないように」と意識し、待ち構えていた外角球を、三塁側へ思い切り踏み込んで振り抜いた。鮮やかな流し打ちとなり、打球は左翼手と左翼線の間を抜けていった。
流し打ちを警戒されて定位置で構えられていたら、あっさり捕球されていたかもしれない。苦手な球にあえて挑んだ適時二塁打で、小さくガッツポーズした。
連覇に貢献し、試合後は「チャンスで打って、みんなの期待に応えられる打者を目指す。まだ通過点。甲子園に出て勝ち進みたい」と晴れやかに語っていた。
(朝日新聞埼玉版)