昨秋は県大会を3連覇すると、関東大会では一戦ごとに力を付けて2年連続で頂点に立った。春夏合わせここ5大会、甲子園での勝利から遠ざかっているものの、上級生の経験に下級生の勢いがかみ合えば全国制覇も夢ではない。大目標へ、“聖地”で主役の座を狙う浦和学院のメンバー18人を紹介する。
◇甲子園での借り返す 佐藤拓也投手
【写真】甲子園のマウンドで、リベンジを誓う佐藤拓也(埼玉新聞)
センスに満ちあふれる左のスラッガーだ。佐藤は昨秋、いずれもチーム一の22安打16打点、4本塁打をマークした。県大会準決勝の聖望学園戦では九回に逆転サヨナラ2ランを放った。
だが本人から発せられる言葉はいつだって「甲子園でマウンドに立ちたい」。誰よりも投手として強いこだわりを持つ。
昨年はエースとして甲子園に乗り込んだが、初戦の鹿児島実戦で7四死球3暴投など本来の投球からほど遠い内容で5失点し負け投手となった。以降は調子が戻らず、準決勝で敗れた夏の埼玉大会、連覇した昨秋の関東大会でも投手としては貢献できなかった。
それでもこの冬は投手陣のリーダーとして自身を徹底的に追い込み「切れも出て緩急もついてきた」と表情は明るい。試行錯誤を重ね、指先の感覚も戻ってきた。「甲子園での借りは甲子園で返す」。ミットだけを目がけ、ブルペンで投げ込む姿がそう物語っている。
◇頼もしさ増す扇の要 林崎龍也捕手
【写真】扇の要として、絶大な存在感を誇る林崎龍也(埼玉新聞)
171センチ68キロ。50メートルも6秒2と俊足だ。「捕手に見られない」と林崎は笑う。だが、ホームベース後方に身構えた瞬間、断然頼もしさを増す。多彩な投手陣を巧みに操る。まさに“扇の要”という言葉がぴったりだ。
この1年で、見違えるような飛躍を遂げた。
昨秋は全12試合で捕逸ゼロと、関東連覇の原動力となった1年生投手陣を支えた。精神面でもピンチと見るや抜群の間合いでマウンドに走り、練習中も気のないプレーをした投手を呼び喝を食らわすなど絶大な存在感だ。
打撃も開眼した。2番打者として左へ右へ安打を量産。竹村から佐藤への橋渡し役を担うとともに関東大会決勝では4安打3打点。ここ一番での勝負強さも兼ね備える。
捕手で2番。重要なポジションにやりがいを感じるタイプ。昨年出場できなかった大舞台は目前だ。「最高のパフォーマンスを発揮することしか考えてない」。大暴れを誓う春へ、機は熟した。
(埼玉新聞)
酒本祐也どうっすか