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浦学、佐藤温存が裏目 8強入りならず

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【写真】8強を逃し、涙を流しながら整列する浦和学院ナイン=19日午後、甲子園球場(埼玉新聞)

 第94回全国高校野球選手権大会第11日は19日、兵庫県西宮市の甲子園球場で3回戦4試合を行い、選抜大会8強の浦和学院は天理(奈良)に2-6で敗れ、春夏連続のベスト8入りはならなかった。

 浦和学院の先発マウンドは1、2回戦で完投したエース佐藤ではなく、2年生の山口だった。佐藤は2回戦から中1日。森監督は「佐藤はここ2試合はそれほど良くはなかった。ここからは総力戦で挑みたかった」と起用の意図を説明。埼玉大会で3試合に先発した本格派を先発させ、継投策で六回から佐藤を登板させる腹積もりだった。

 しかし、山口は緊張もあってか、本来の出来から程遠かった。一回に3四死球で2死満塁を招くと暴投で先制を許した。続く二回に明石のスクイズで同点としたがその裏、2死走者なしから四球を与えると三塁打、二塁打を浴び2失点し降板した。三回からは1年生左腕小島が登板。はつらつとした投球だったが三回に1失点、五回に2失点し点差を広げられた。

 2回戦で18安打11得点と爆発した強力打線も7安打2得点とらしくなかった。四回に高田のソロ本塁打で1点を返したが、1~3番の左打線が天理の左腕中谷の徹底した外角攻めに苦しんだ。特に竹村、林崎の1、2番コンビは無安打に終わった。

 最大の追撃のチャンスは六回。佐藤の安打と2四球で2死満塁を築いた。一打出れば流れが変わる場面だったが、明石は三邪飛に倒れた。

 佐藤は六回からマウンドに上がった。3回を1安打無失点に抑える意地の投球だった。

 勝てば、20日の準々決勝で選抜大会で逆転負けした大阪桐蔭戦だったが、再戦を前に甲子園から去ることになった。それでも26年ぶりに夏の甲子園で2勝を挙げ、壁を一つ越えた。投手陣は山口、小島をはじめ、登板のなかった涌本、渡辺剛の両2年生も奮起を誓う。

 大観衆を沸かせた竹村、山根、高田ら野手陣にも2年生が多い。「3年生にお世話になった分、来年は恩返しをしたい」と竹村。思いを引き継ぐ後輩たちがきっと来年、甲子園で大暴れしてくれるだろう。

◇佐藤温存が裏目 甲子園8強入りならず

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【写真】浦和学院-天理 2回裏天理2死二塁、東原の適時二塁打で3点目を奪われ、マウンドに集まる浦和学院ナイン(左から林崎、高田、竹村、緑川、山口)(埼玉新聞)

 (19日・甲子園)

 第11日は3回戦4試合を行い、浦和学院は天理(奈良)に2-6で敗れ、26年ぶりの8強入りはならなかった。

 浦和学院はエース佐藤の温存が裏目に出た。先発の右腕山口が2回3失点で降板。2番手の左腕小島も3回3失点と攻略され、劣勢に追いやられた。佐藤は六回から登板し1安打無得点。

 打線も天理の左腕中谷を攻略できなかった。二回に明石のスクイズで1度は同点に追い付き、四回には高田のソロ本塁打で追撃したものの、六回の満塁機を逃すなど決定打に欠けた。

 そのほか桐光学園(神奈川)作新学院(栃木)東海大甲府(山梨)が勝って、8強が出そろった。

 桐光学園は松井が3試合連続2桁の12奪三振。4-1で浦添商(沖縄)を下し、春夏通じ初の8強入り。作新学院は3-2で仙台育英(宮城)を下して2年連続で8強に進んだ。東海大甲府は3-2で初出場の宇部鴻城(山口)に競り勝ち、8年ぶりに8強入りした。

 20日は準々決勝2試合を行う。

 戦評…浦和学院は、攻守で後手に回り天理に完敗した。

 浦和学院は1点を追う二回に明石がスクイズを決め同点。しかしその裏、先発山口が2死走者なしから与えた四球をきっかけに2点を勝ち越されると、2番手小島が3失点した。2試合完投のエース佐藤を温存。山口、小島の継投が持ちこたえられなかった。

 頼みの打線も左腕中谷の前に7安打2得点に終わった。四回に高田のソロ本塁打で反撃したが、六回2死満塁で明石が凡退し、最大の追撃のチャンスを逃した。

◇勢い消え攻守で後手

 投打ががっちりかみ合っていた2回戦までの姿は、どこにいってしまったのか。浦和学院は、天理から一度もリードを奪えないまま完敗。森監督は「思わぬ失点から流れを止められずに、ずるずるといってしまった」と悔しさをにじませた。

 埼玉大会では佐藤と2本柱だった右腕山口を、満を持して今夏初のマウンドに送り込んだ。しかし、これが大誤算。一回に暴投で先制されると、同点となった二回には2死から不用意な四球で出塁を許し、連続長打を浴び2点を勝ち越された。

 三回からリリーフした1年生左腕小島もこの回に犠飛で1点。五回には無死一、三塁から一塁走者が走った際に捕手林崎の二塁送球が悪投、さらに適時打で2点を追加された。「小島がつなぎ、いい形で後半から佐藤につなぐ」という指揮官の思惑通りにはいかず、エース佐藤が六回にマウンドに上がった時にはすでに大勢は決していた。

 悪い流れは攻撃にも伝染。2試合で28安打を放っていた頼みの打線も天理の左腕中谷の外角を中心とした攻めに、打たされる場面が目立った。最大のチャンスは2-6の六回の2死満塁。一打出れば試合は分からない。代打も考えられた場面で森監督は「キャプテンに懸けた」。しかし明石は初球の高めの直球を打ち上げ三邪飛に終わった。

 春季県大会で完敗後、“夏の日本一”をつかむために血のにじむような猛練習を重ねた。大阪桐蔭とのリベンジマッチを前に、志半ばで甲子園を去ることは無念で仕方ないだろう。それでも主将の明石は「最後まで『絶対に負けてたまるか』というウラガクの魂は見せられた。このチームで野球ができて最高でした」。目を真っ赤にしながらも最後は胸を張った。

◇魂込め意地の好投

 1回戦で完封、2回戦で完投した浦和学院のエース佐藤。中1日で迎えた3回戦は中堅での先発だった。先発山口の不調を見て早めに準備したが、出番は4点を追った六回から3番手での登板だった。

 「守備からリズムをつくるつもりだった」と、持ち味の直球と変化球のコンビネーションがさえた。3回を被安打1、無失点。「(3試合の中で)きょうが一番良かった」と自己評価したが、意地の好投が報われることはなかった。

 この試合に勝てば、選抜大会8強で逆転負けした大阪桐蔭との再戦だった。「リベンジしたい思いでやってきた。その前の戦いに勝たないといけない」と自らに言い聞かせていた。

 春夏連続で甲子園に出場し、強豪の名にふさわしい戦いを見せてきた。それだけに「もっとこのチームで野球を続けたかった」と話すと涙が止まらなかった。

◇絶好調の笹川、3戦連発逃す

 2試合で7安打6打点で2本塁打。3戦連発アーチも期待された笹川だが、この試合は2併殺を喫するなど無安打に終わった。 

 六回の1死一、二塁では、快音を残したもののライト正面。「チャンスはあったけど、打てなかったのは自分の責任。チームに貢献できずに、悔しいですね」。口を真一文字に結び、必死に涙をこらえていた。それでも甲子園に強烈なインパクトを与えたことに変わりはない。「一日一日を大事に送ってほしい」。強打をけん引してきた浦和学院の主砲は、後輩にエールを送った。

◇山根が3安打、光った存在感

 2回戦は大爆発した打線の中で無安打だった4番山根が、この試合ではきっちり3安打。再び存在感をアピールした。

 二回、先頭として中前打で同点への口火を切ると、打撃のお手本を示すかのように四、八回にも中前にはじき返した。「前回は打てなかったので、絶対に打ってやろうと思っていた」と仕事を果たした。

 スイングのヘッドスピードは相当なもので、将来が楽しみな2年生。新チームに向け、「負けた悔しさを忘れない」。短い言葉に決意を込めた。

◇大舞台の経験、来年へ 2年生高田が豪快弾

 攻守で伸び盛りの2年生高田が、目の覚めるような本塁打で4万1千の大観衆を沸かせた。

 秘めるパンチ力と巧みさを兼ね備えた一発だ。1-4の四回2死。打者有利のカウントで、直球狙いだったが「スライダーで取りにきても対応するつもりだった」。言葉通り、甘いスライダーの曲がりっぱなをたたき、左翼スタンドに突き刺した。「レフトを越えるかなと思ったが入ってくれて良かった」と喜んだ。

 新チームからは主将の有力候補だ。「3年生をお手本にして1、2年生には学んだことを伝えたい」。貴重な経験を次の舞台で生かすつもりだ。

◇「よくやった」拍手 全力プレー貫く

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【写真】メガホンをたたいて応援する山根選手の出身チーム「ヤングひろしま」の選手たち=19日午後、甲子園球場(埼玉新聞)

 スクールカラーの真っ赤なスタンドが3度、歓喜に包まれることはなかった-。19日、第94回全国高校野球選手権大会3回戦で浦和学院は天理(奈良)に2-6で敗れ、準々決勝進出を逃した。それでも最後まで全力プレーを貫いた選手たちに、詰め掛けた約700人からは惜しみない拍手が送られた。

 浦和学院応援団が、陣取る三塁側アルプススタンド。地元・関西の天理に、応援の数では劣るが熱気や思いの強さでは負けてない。

 ひと際目立つ紺色のユニホームを着てグラウンドに声援を送るのは、山根佑太左翼手が中学時代に所属していた広島県の硬式野球チーム・ヤングひろしま。大型バス1台で広島を午前6時に出発し、選手ら47人が駆け付けた。現在の山根選手と同じように2年生で4番を担う石谷哲也選手(13)は「優しい先輩で尊敬してます。チャンスで打ってほしい」と期待を込めた。

 試合は一回に1点を先制されたが二回。山根選手の中前打を皮切りに明石飛真一塁手のスクイズで同点とした。

 かつての教え子の活躍を見守る姿も。朝霞三中時代の高田涼太三塁手を指導した同中の神崎創造監督(32)はこの日の朝の新幹線で甲子園に乗り込んだ。高田選手が中学を卒業する時、神崎監督に「先生の教え子で初の甲子園球児になります」と書かれた手紙を渡したという。まさしく有言実行の高田選手に「夢のようです。野球に対して熱い男。いつも通り声を出して引っ張って」と笑顔を見せる。

 恩師の願いが通じたのか1-4の四回。2死走者なしからその高田選手の左翼スタンドに飛び込む一発で2点差。試合はまだまだ分からない。

 だが五回に2点を失い2-6とされ、そのまま最終回に突入した。2死二塁で森戸佑樹二塁手の打球は二塁手のグラブに収まりゲームセット。それでも一瞬、スタンドを覆った静寂は、ナインが最後のあいさつで目の前に来ると、「よくやったぞ」という全力プレーをたたえる歓声と惜しみない拍手へと変わった。

 チームを常に大声で鼓舞してきた明石飛真主将。その父・守弘さん(41)も「『3年間ご苦労さま』と言いたい。埼玉には胸を張って帰ってきてほしい」とねぎらった。

◇浦学ナインのひと言

(1)佐藤拓也投手
 日本一になるためにやってきた。勝てなくて悔しい。

(2)林崎龍也捕手
 最後まで自分を信じてくれた投手陣に感謝している。

(3)明石飛真一塁手
 このチーム、仲間と野球がやれて最高だった。

(4)緑川皐太朗二塁手
 1、2回戦は打てたが、きょうは相手投手が良かった。

(5)高田涼太三塁手
 これからはチームを引っ張れるように頑張りたい。

(6)竹村春樹遊撃手
 いい経験ができた。来年は3年生の敵を討ちたい。

(7)山根佑太左翼手
 悔しさを忘れず、出てた2年生が見本を見せたい。

(8)西岡伸朗中堅手
 この仲間と日本一になって笑って帰りたかった。

(9)笹川晃平右翼手
 打てなかったのは自分の責任。力んでしまった。

(10)山口瑠偉投手
 春と違う雰囲気にのまれ自分の投球ができなかった。

(11)池山颯人投手
 左肘を故障しなかったら、もっと貢献できたかも。

(12)森戸佑樹二塁手
 最後の打者として力を出し切れなかったのが悔しい。

(13)石橋司中堅手
 指導してくれた森先生にプレーで恩返ししたかった。

(14)小島和哉投手
 自分が足を引っ張ってしまった。本当に申し訳ない。

(15)吉川智也三塁手
 県大会よりも素晴らしい球場の雰囲気に圧倒された。

(16)渡邊剛投手
 自分の役割として精いっぱいベンチから声を出し続けた。

(17)涌本亮太投手
 春も夏も貢献できなかった。また絶対に戻ってくる。

(18)服部将光中堅手
 甲子園でプレーできたことをみんなに感謝したい。

(埼玉新聞)

■8月19日(3回戦)

浦和学院
010100000=2
12102000x=6
天理

【浦】山口、小島、佐藤-林崎
【天】中谷-船曳

▽本塁打 高田
▽三塁打 早田
▽二塁打 東原、稲別(天)西岡(浦)

【浦和学院】
⑥ 竹 村4-0-0
② 林 崎4-0-0
⑧1佐 藤4-1-0
⑦ 山 根3-3-0
⑨ 笹 川3-0-0
⑤ 高 田2-1-1
③ 明 石2-0-1
H 服 部1-0-0
① 山 口1-0-0
1 小 島1-0-0
8 西 岡2-1-0
④ 緑 川2-1-0
H4森 戸2-0-0

(打数-安打-打点)

安 打:浦7、天10
失 策:浦1、天1
三 振:浦2、天4
四死球:浦3、天5
盗 塁:浦0、天1
犠 打:浦2、天1
併 殺:浦2、天0
残 塁:浦7、天8

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