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浦和学院、甲子園決定的 選抜高校野球出場有力校

 第85回選抜高校野球大会(3月22日開幕、甲子園)の出場校を決める選考委員会が25日、大阪市内で開かれる。記念大会のため、出場校は昨年より4増の36校(一般選考32、21世紀枠4)。東北地区の一般枠は従来の2に、明治神宮大会枠と新設の東北絆枠を加えて4校となった。昨秋の地区大会成績を基に、出場有力校を探った。(かっこ内の数字は出場校の割当数)

【北海道(1)】

 道大会決勝を戦った北照と駒大苫小牧の争い。エース大串を擁し、2年連続で優勝した北照で順当だろう。

【東北(4)】

 鈴木、馬場の2投手をそろえ、東北大会と明治神宮大会を勝ち抜いた仙台育英(宮城)、東北大会決勝で終盤まで粘った聖光学院(福島)は文句なし。盛岡大付(岩手)は準決勝でサヨナラ負けしたが、増枠で出場をかなえそうだ。残る1枠は4強の酒田南(山形)が最有力。

【関東・東京(6)】

 関東大会決勝に進んだ浦和学院、花咲徳栄の埼玉勢と、4強入りした宇都宮商(栃木)、常総学院(茨城)は、すんなり決まりそう。東京大会を制し、阿部(巨人)の母校として知られる安田学園も初の甲子園が決定的だ。

 関東大会3連覇の浦和学院は勝負強い打撃力に加え、堅実な守備が光る。花咲徳栄は捕手の若月を中心にした強打が持ち味。宇都宮商は犠打を多用したきめ細かい攻撃、常総学院は準々決勝で延長十二回にサヨナラ勝ちした粘りがある。安田学園は、早稲田実との東京大会決勝で再三、好守を見せた。エース大金は準々決勝で無安打無得点試合(七回コールド)を達成するなど頼りになる。

 残る1校は、関東大会準々決勝で浦和学院と接戦を演じた前橋育英(群馬)か。早稲田実は安田学園に1点差で敗れた決勝の評価がポイントとなる。高い奪三振率で昨夏の甲子園を沸かせた左腕、松井がいる桐光学園(神奈川)は県大会で4強入りできず、選出は難しそうだ。

【東海(3)】

 県岐阜商(岐阜)が51年ぶりに秋の東海大会を制覇。独りで投げ抜いた左腕藤田に安定感があり、打線も切れ目がない。準優勝で春の初出場が確実の菰野(三重)は、2試合連続コールド勝ちなど打力が出色。左腕の山中は制球に優れ、151キロを投げるという控えの浦嶌もいる。残る1枠は4強の常葉菊川(静岡)と市岐阜商(岐阜)を比較し、地域性と内容で常葉菊川か。

【北信越(2)】

 福井から2校の出場が有力視される。春江工は坪田-栗原のバッテリーを中心に初の地区大会進出で優勝。準優勝の敦賀気比は2年連続出場が濃厚だ。4強の新潟明訓(新潟)と上田西(長野)は、地域バランスでの選考に望みをつなぐ。

【近畿(6)】

 近畿大会初出場で優勝した京都翔英(京都)と、準優勝の報徳学園(兵庫)は文句なし。京都翔英はエースで4番の榎本が同大会で3完投。3試合で2桁安打を放った打線も力強く、初の甲子園切符が確実だ。報徳学園は本格派右腕の乾が大黒柱。準決勝では大阪桐蔭(大阪)を1安打完封している。

 4強勢も当確だろう。史上初の3季連続優勝を目指す大阪桐蔭は、公式戦11試合で109得点。春夏連覇を支えた森捕手を軸に、破壊力が抜群だ。甲子園で春夏68度出場を誇る龍谷大平安(京都)は、軟投派左腕の福岡を中心に、攻守にまとまりがある。

 残る2枠は、京都翔英に競り負けた履正社(大阪)と、公立校で唯一8強入りした大和広陵(奈良)がリード。大商大堺(大阪)と天理(奈良)はコールド負けした印象が痛いところだ。

【中国(3)】

 中国大会を制した関西(岡山)と準優勝の広陵(広島)は順当なところ。関西は土井を中心に、しぶとい打撃が持ち味。広陵は本格派の下石が投打の中心となる。残る1枠は、4強の岩国と岩国商(ともに山口)が比較され、準決勝の内容から岩国商か。

【四国(3)】

 四国大会優勝の高知(高知)、準優勝の鳴門(徳島)は堅い。高知は主軸の和田恋が力強い打撃をし、鳴門は攻撃の粘りが持ち味。残る1校は、済美(愛媛)と徳島商(徳島)の4強が争うが、準決勝の試合ぶりと地域性から2004年優勝の済美が有力だ。

【九州(4)】

 九州大会初優勝の沖縄尚学(沖縄)、準優勝の済々黌(熊本)は順当な線。沖縄尚学は左の比嘉、右の宇良と投手力が安定。済々黌は昨夏の甲子園を経験した左腕の大竹ら投打にまとまる。選抜に出れば55年ぶりだ。

 残る2枠は4強の創成館(長崎)、尚志館(鹿児島)が候補だが、ともに準決勝の内容がいまひとつ。準々決勝で沖縄尚学に競り負けた熊本工(熊本)、宮崎日大(宮崎)も検討されそうだ。

【21世紀枠(4)】

 記念大会のため例年より1校増の4枠。全国9地区から推薦された9校を東西地域に分けて1校ずつ選び、残る7校から地域を限定せず2校を選ぶ。北海道東北部にある遠軽は、厳寒の中で練習を積み昨秋の道大会4強。部員18人のいわき海星(福島)は、東日本大震災での津波被害を乗り越えた。

 門司学園(福岡)は、少ない練習時間でチーム力を高めた。五泉(新潟)と日立一(茨城)は、ボランティア活動など地域貢献を実践。愛知大会準優勝の豊川、文武両道で鳴らす土佐(高知)は、ともに選ばれれば私立初の21世紀枠校となる。

(時事通信)

◇選考委員会の流れ

 9:00 21世紀枠候補推薦理由説明会
10:30 選考委員会総会(委員長選出など)
11:00 21世紀枠特別選考委員会(4校を選出し、選外5校は一般選考へ)
      地区別小委員会(一般選考)
15:00 選考委員会総会再開
      ・21世紀枠4校を発表
      ・一般選考の地区別経過報告と32校決定

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