来春の第87回選抜大会への最終関門となる第67回秋季関東高校野球大会は25日、千葉県のゼットエーボールパークなどで開幕。関東7県の代表15校が、選抜大会出場が確実となる4強以上を目指し、熱戦を繰り広げる。埼玉からは浦和学院と川越東が出場。25日に県準優勝で関東大会初出場の川越東が甲府商(山梨2位)と、埼玉大会で3年ぶりの頂点に立った浦和学院は26日に桐光学園(神奈川2位)とそれぞれ1回戦を争う。大舞台を目指す埼玉県勢2校の戦力を分析した。
◇浦和学院、野手陣の奮闘不可欠 26日初戦桐光学園
県勢として45年ぶりの全国制覇を達成した第85回大会以来、2年ぶりの選抜大会出場を狙う。3年ぶりの頂点に立った県大会では伝統の勝負強さに加え、一戦ごとに成長を遂げた姿を披露した。けが人が続出し、整備が遅れたバッテリーをカバーするためにも、攻守で野手陣の奮闘がポイントとなる。
打線は4割超えの打率と勝負強さを併せ持つ3番津田、4番山崎を中心にどこからでも得点が狙える。5番幸喜は1年生ながら思い切りがよく、6番西野の復帰で打線に厚みが増した。下位を担う高橋、荒木も3割後半の数字を残している。
1番諏訪、2番臺のチャンスメークにも期待。例年と遜色ない打線が仕上がりつつあるが、状況に応じて小技を絡めて得点をもぎ取りたい。
エース左腕江口は直球の球速こそ120キロ台だが、抜群の制球力で低めに投げ込む。中学時代に全国優勝経験があり、大舞台慣れしている。1点台の防御率が示す通り、走者を出しても粘り強い投球が身上だ。スタミナに不安を残すが、右腕今村、左腕小倉ら周りの投手陣が脇を固める。
守りは故障明けの捕手西野が県大会で2失策を記録したものの、1年夏から主力を務める津田と臺の二遊間は経験豊富で安定感がある。ゴロ、フライをさばいて確実にアウトを重ね、守備からリズムをつくりたい。
◇伸びしろある 森士監督
ここから先は甲子園で戦うのと変わらない。一戦必勝で一つ一つ乗り越える。一戦ごとに成長していて、まだまだ伸びしろがある。
◇常に全力で 津田翔希主将
目の前のことを常に全力でやることが大事。野手が投手を引っ張っていけるように、それぞれが自分の責任を果たしたい。
◇桐光学園
8年ぶり3度目の出場。飛び抜けた選手は見当たらないものの、守りに力を入れていて大崩れしない安定感がある。地区、県の2試合で九回の逆転勝ちを演じるなど、土俵際の粘りも大きな特長。地面すれすれのリリースポイントからコースを突く1年生右腕中川から技巧派左腕の恩地につなぐ継投が基本で、打線も打率5割超えの3番恩地、4番中川が軸。捕手から三塁手へコンバートした2番田中幸も打撃センスが光る。不安要素は総入れ替えとなったセンターライン。
(埼玉新聞)