(12、13日・県営大宮ほか)
第3、4日は2回戦計40試合が行われ、選抜大会4強のAシード浦和学院が大宮西を11-3で退けたほか、シード校は順当に3回戦に進んだ。
昨夏王者のCシード春日部共栄は1点リードの六回2死一、二塁から磯田、大上、関谷、清水の4連続適時打で5点を挙げ、早大本庄に9-1で七回コールド勝ち。Bシード聖望学園は1点を追う六回に大野亮の2点適時打で逆転に成功し、3-1で狭山経済を下した。
Bシード成徳大深谷も0-2の六回に佐野の犠飛と川俣の2点適時打で逆転。所沢北に5-3で競り勝った。越谷北は2-2で迎えた延長十五回に4点を勝ち越し、所沢西に6-2で競り勝った。浦和北は6-5で八潮南に逃げ切り勝ちを収めた。
第5日は14日、県営大宮など10球場で2回戦の残り24試合を実施し、3回戦に進出する64校が出そろう。
◇春夏連続へ 初戦大勝 浦和学院 |
春夏連続甲子園出場を目指す初戦は、強力打線が12安打11得点と実力を発揮した。森監督は「夏はここから向上していく能力が求められる」と選手にさらなる飛躍を期待する。
一回、諏訪の三塁打の後、3連続四死球と山崎の犠飛で2点を先制。二回に同点とされたが、直後の三回に津田が「引っ掛け気味だったが、よく飛んだ」と左翼席に勝ち越しの2ランを放った。その後は着実に加点し点差を広げた。
投手陣は江口、小倉、榊原と継投した。エース江口は5回6安打2失点とピリッとしなかったが、指揮官は「投手を多く投げさせられたのは収穫」と手応えを口にした。
◇序盤は健闘 一時同点に 大宮西 |
浦和学院に完敗したが、序盤は健闘した。2点を追う二回、1死二、三塁から寺尾、小原の連続タイムリーで一時は同点に追い付いた。五回までに相手エース江口を6安打と攻め立て、再三好機をつくった。
鈴木監督は「王者相手に臆することなく立ち向かってくれた」と選手の全力プレーに満足そう。主将の長岡も「浦学相手に序盤は戦えていた。やってきたことは間違いじゃなかった」と悔いは残していないようだ。
(埼玉新聞)
◇対戦 ライバルとして 大宮西・小原投手 |
待ち望んでいた対戦だった。1点を追う二回1死一、三塁。打席に立った大宮西のエース小原海斗選手(3年)は、18メートル先のマウンドに立つ浦和学院の江口奨理(しょうり)投手(3年)に向け、心の中でつぶやいた。「奨理、負けない」
ヒット・エンド・ランのサインが出ていた4球目。三塁走者の中野大洋選手(3年)が走り出すのが見えた。試合前、チームで「手を出さない」と決めていたチェンジアップに、必死にバットを合わせた。力なく上がった打球は運良く一塁と右翼の間に落ち、同点の適時打となった。
江口投手とは同じ中学。クラブチームも一緒で、ともに投手だった。当時から雲の上の存在だったが、いつかライバルとして追いつきたいと思っていた。右投げの小原選手は乳児のころに事故で負ったけがのため、左足の踏み込む力が弱く球威不足が悩みだった。ハンディを克服しようと、中学時代には江口投手のフォームをまね、改善を図った。
さらに今春には、選抜大会を終えた江口投手からカットボールの投げ方を教わり、配球の幅も広がった。地道に練習する姿を鈴木久幹監督に認められ、この日の登板を迎えた。
10安打を浴び7失点。だが8回を投げ切り、格上相手に140球以上を気迫で投じた。「ずっと奨理に勝ちたくて練習してきた。(この日は)『やっと手の届くところまで来た』という気持ちだった。大学でもまた投げ合いたい」。そう言って、視線を次の舞台に向けた。
(朝日新聞埼玉版)
試合結果 |
2回戦 7月12日(市営大宮球場) | ||||||||||||
TEAM | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | H | E |
浦和学院 | 2 | 0 | 2 | 1 | 0 | 1 | 0 | 1 | 4 | 11 | 12 | 1 |
大宮西 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 3 | 8 | 1 |
【浦】江口、小倉、榊原-西野【大】小原、長岡、河井-寺尾、荒川、羽田 ▽本塁打:津田(浦)▽三塁打:諏訪(浦)▽二塁打:臺(浦)吉田(大) |
浦和学院打撃成績 | ||||
位置 | 選手名 | 打数 | 安打 | 打点 |
⑤ | 諏訪 | 5 | 2 | 0 |
④ | 臺 | 5 | 3 | 2 |
⑥ | 津田 | 5 | 2 | 3 |
⑨ | 高橋 | 3 | 0 | 1 |
1 | 榊原 | 0 | 0 | 0 |
⑧787 | 荒木 | 4 | 0 | 0 |
③ | 山崎 | 3 | 1 | 1 |
② | 西野 | 5 | 2 | 2 |
⑦ | 幸喜 | 2 | 0 | 0 |
H | 小澤 | 0 | 0 | 0 |
19 | 小倉 | 1 | 1 | 0 |
①898 | 江口 | 3 | 1 | 2 |
計 | 36 | 12 | 11 | |
大宮西打撃成績 | ||||
位置 | 選手名 | 打数 | 安打 | 打点 |
⑤ | 吉田 | 5 | 1 | 0 |
⑥ | 中島 | 2 | 0 | 0 |
③ | 高田 | 5 | 0 | 0 |
⑦17 | 長岡 | 4 | 1 | 0 |
⑨ | 田波 | 1 | 1 | 0 |
H9 | 笹川 | 1 | 0 | 0 |
⑧ | 中野 | 3 | 0 | 0 |
④ | 星川 | 2 | 1 | 0 |
4 | 一宮 | 0 | 0 | 0 |
② | 寺尾 | 3 | 2 | 1 |
H7 | 長谷井 | 1 | 0 | 0 |
7 | 水谷 | 0 | 0 | 0 |
1 | 河井 | 0 | 0 | 0 |
① | 小原 | 3 | 2 | 1 |
H | 高野 | 1 | 0 | 0 |
2 | 荒川 | 0 | 0 | 0 |
2 | 羽田 | 0 | 0 | 0 |
計 | 31 | 8 | 2 |
投手成績 | |||||||
TEAM | 選手名 | 回 | 被安打 | 奪三振 | 四球 | 死球 | 失点 |
浦和学院 | 江口 | 5 | 6 | 4 | 1 | 2 | 2 |
小倉 | 3 | 2 | 6 | 1 | 1 | 1 | |
榊原 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
大宮西 | 小原 | 8 | 10 | 1 | 3 | 2 | 7 |
長岡 | 0/3 | 0 | 0 | 2 | 1 | 0 | |
河井 | 1 | 2 | 1 | 1 | 0 | 4 |
TEAM | 三振 | 四死球 | 犠打 | 盗塁 | 失策 | 併殺 | 残塁 |
浦和学院 | 2 | 9 | 3 | 2 | 1 | 0 | 10 |
大宮西 | 10 | 5 | 3 | 2 | 1 | 0 | 9 |
浦和学院が12安打11得点で大勝。同点の三回に津田の2ランで突き放し、その後も加点。大宮西は二回、寺尾、小原の連続適時打で粘った。