23日に開幕する春季県高校野球大会の組み合わせ抽選会が20日、上尾市のスポーツ総合センターで行われ、出場39校の対戦相手が決定した。選抜大会出場のAシード花咲徳栄は県大会初出場の星野と初戦の2回戦で顔を合わせることになった。
昨秋の県大会王者で大会4連覇を狙う浦和学院は本庄東と、昨秋県3位でBシード春日部共栄が草加西とそれぞれ対戦する。秋4位の狭山ヶ丘が地区大会敗退のため、Bシード残り1枠は秋8強の3校から投票で上尾に決定。初戦で川口とぶつかる。
大会は県営大宮など4球場で熱戦を展開。順調に日程を消化すれば、決勝は5月4日に県営大宮で行われる。上位2校が関東大会(5月21~25日・群馬)に出場する。
大会は全試合が有料で一般500円、中高生200円。引率された少年野球・中学生チーム(引率者・保護者有料)、障害者(障害者手帳の提示)と介添え者1人、小学生以下は無料。
地力勝る2強優位 追う共栄、上尾、本庄一、聖望
選抜大会に出場した花咲徳栄、昨秋王者・浦和学院の地力優位は揺るがない。だが、両チームとも2番手投手の育成を春の課題に掲げているだけに、2強を追う春日部共栄、上尾、本庄第一、聖望学園などの実力校にもチャンスがある。
花咲徳栄は網脇、清水の両2年生右腕からプロ注目のエース左腕高橋昂への継投が予想される。2年生西川の台頭で厚みを増した打線も切れ目がない。3回戦では昨秋5-3と手を焼いた早大本庄との再戦も予想され、気は抜けない。
投手7人を登録した浦和学院はエース右腕榊原に続く存在を見定めたい意図がうかがえる。抜群の勝負強さを誇る打線に加え、遊撃手諏訪、二塁手家盛、三塁手杉山とそれぞれ転向した内野陣の守備にも注目だ。
春日部共栄は昨秋もろさを露呈した投手陣の奮闘が勝ち上がるための必須条件。守備の基本から鍛え直した冬場の成果を発揮したい。対抗は昨秋8強で左腕佐々木ら粒ぞろいの山村学園か。
出場校の投票でBシードに推された昨秋8強の上尾はいずれも右腕の山下、阿部、渡部の3本柱が充実。2、3回戦は公立校との対戦が続くだけに、是が非でも夏の上位シードを勝ち取りたい。
松山-西武台は1回戦の好カード。制球力が光る西武台の左腕唐沢と、右下手投げの松山・弓田の投げ合いは見応えがありそう。松山は一回の集中打で試合を決めた昨夏4回戦を再現できるか。
田中新監督の下で飛躍を期す本庄第一、右腕西沢ら投手陣が成長著しい聖望学園、地区大会で川越東を破った西武文理、新2年生が活発な蕨も要注意だ。
王者、育成も視野に
春の県大会4連覇を目指す浦和学院はベンチに投手7人を並べ、エース右腕榊原に続く2番手以降の投手育成をテーマに掲げる。森監督も「終盤の連戦をどうやって戦っていくかが、夏に向けた前哨戦の中での課題」と表情を引き締める。
昨秋の関東大会初戦で桐生第一(群馬)に敗れた悔しさをバネに、守備面を徹底的に強化。遊撃手に転向した主将の諏訪は「エースは榊原と決めるのではなく、それぞれがエースになるという気持ちが必要」と投手陣の奮起に期待を込めた。
選抜の経験、力に変える
選抜大会では初戦の1回戦で九州王者・秀岳館(熊本)に5-6と惜敗した花咲徳栄。冒頭では村上部長が「1点の重みを感じた試合はいい経験になった。技術以上に精神面の充実が必要と感じた」と報告を行った。
甲子園で好投した2年生右腕網脇が好調で「行く前と後で変わった。強気で投げている」と主将の岡崎。「(2年生右腕の)清水も対抗心を燃やしている」と競争激化を歓迎し、「経験をプラスに考えて、目の前の試合に集中していきたい」と一戦必勝を誓った。
強豪と初出場校が激突「勝つつもりで戦う」
初の県大会出場を果たした星野は初戦から選抜大会出場の花咲徳栄に挑む。地区大会ではエース右腕の青山を中心に、昨秋敗れた所沢北に延長戦で雪辱。代表決定戦も所沢中央に8-1のコールド勝ちを収めた。
主将の天井は「目立った選手はいないが、全員野球で戦う」とチームの特長を自己分析。強敵との対戦にも「甲子園に行ったチームと戦える。勝つつもりで戦う」と胸を張り、「初めてなので試合を楽しみ、初のシード権を取りたい」とベスト16入りを目標に掲げた。
夏の甲子園決勝 午後2時に開始
第98回全国高校野球選手権大会(8月7日から15日間・甲子園)の運営委員会が20日、大阪市内で開かれ、決勝の開始時間を従来の午後1時から1時間遅らせ、午後2時に変更することを決めた。リオデジャネイロ五輪のテレビ中継と重なる可能性があり視聴者に配慮した。今春の選抜大会で新設した小中学生を中心にバックネット裏前方に無料招待する「ドリームシート」を夏の大会でも導入することも決定した。
(埼玉新聞)