第98回全国高校野球選手権・地方大会展望

 第98回全国高校野球選手権大会は8月7日から15日間、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開かれる。今年も47都道府県から49代表(北海道、東京は2校)が出る。地方大会は18日の沖縄から始まり、順調に進めば7月30日に全代表校がそろう(未定の熊本をのぞく)。約4千校の参加が見込まれる地方大会の展望を紹介する。

埼玉「花咲徳栄、エース復活カギ」

 3季連続の甲子園をねらう花咲徳栄と春の県大会を制した浦和学院が軸。上尾、聖望学園、山村学園などの実力校が挑む。

 花咲徳栄は制球力が強みの2年生右腕綱脇が急成長。打撃好調の岡崎、勝負強い西川、楠本ら打線に切れ目が無い。エース左腕高橋昂の復活が鍵だ。浦和学院は最速140キロのエース榊原と、攻守に安定する主将諏訪を軸とした基本に忠実な野球が持ち味。守備力の強化が課題だ。

 山下、渡部など投手層が厚い上尾、打線に力のある聖望学園や春日部東も注目。春の県大会4強の山村学園や昨秋県3位の春日部共栄のほか、川越東、西武台、狭山ケ丘も上位を狙える。

茨城「常総学院、わずかに先行」

 今春の県大会を制した常総学院がわずかにリード。同準優勝の石岡一、霞ケ浦、水戸商、明秀日立などが挑む。

 常総学院は直球とスライダーが武器の左腕エース、鈴木昭の出来が鍵を握る。春に経験を積んだ倉田や樫村が控える。県大会の打率が3割3分3厘の打線は切れ目がなく、花輪や宮里の長打力に期待がかかる。今春の関東大会に初出場して勢いに乗る石岡一は、エース高崎を軸とした堅い守りと、少ない好機をものにする粘り強い打線が持ち味。2連覇を狙う霞ケ浦は4番の佐野を中心とした強力な打線に注目だ。水戸商はエースで4番の滝がチームを引っ張る。明秀日立は総合力がある。

栃木「文星芸大付・作新学院が軸」

 春の関東大会8強入りの文星芸大付と栃木大会5連覇中の作新学院が軸になりそうだ。文星芸大付は制球力抜群のエース左腕佐藤良、控えの海老原と投手陣が安定。打線は春の県大会で橋浦や伊藤が打率4割を超え、盗塁など機動力も使える。

 作新学院は春の県大会2本塁打の小島や昨夏の甲子園で5番だった小林らが力強い。速球派の今井や入江、技巧派左腕の宇賀神ら投手陣の層も厚い。好投手の伊沢と水野を擁して昨秋の県大会を制した白鴎大足利や春の県大会準優勝の青藍泰斗が上位を狙う。公立校では春の県大会で作新学院を破った栃木工のほか、真岡工や栃木も注目される。

群馬「前橋育英・健大高崎、混戦か」

 昨秋と今春の県大会決勝にすべて違うチームが勝ち進んでおり、混戦が予想される。

 今春優勝の前橋育英はエース佐藤ら投手陣が安定しており、関東大会で初優勝した。今春準優勝で3年連続の全国選手権を狙う健大高崎は、甲子園を経験した野手の宮本やエース石毛が残る。今春の選抜大会出場の桐生第一は左の内池、右下手の青木らタイプの違う投手がそろう。昨秋を制した樹徳は、4番嶋田を中心に爆発的な強打を誇る。

 公立校も上位をうかがう。前橋工のエース八野田は関東大会を経験し、伊勢崎清明の岡本は今春の県大会で健大を八回まで3安打に抑えている。前橋は打線に勢いがある。

千葉「木更津総合、充実の投打」

 今春の選抜大会で8強入りした木更津総合、春の県大会を制した東海大市原望洋、準優勝の千葉黎明を中心に大混戦となりそうだ。

 木更津総合のエース早川は、伸びのある直球を武器に選抜を1人で投げ抜いた。選抜の3試合すべてで打点を挙げた4番鳥海が引っ張る打線も強力だ。東海大市原望洋は、最速153キロの右腕島を擁し、打線も春の県大会での打率が5割超の峯尾、倉石を中心につながりがある。

 千葉黎明は投手を中心に、春の県大会5試合で失策3と堅い守備が持ち味だ。昨夏覇者の専大松戸、好投手鈴木を擁して春4強の成田と千葉経大付、昨秋準優勝の千葉明徳なども上位を狙う。

東東京「関東一・二松学舎大付が柱」

 秋春連続で都大会を制した関東一と、いずれも準優勝の二松学舎大付が総合力でリードする。関東一は長打力のある佐藤佑や米田、俊足の本橋らを中心に3季連続の甲子園を狙う。二松学舎大付は最速140キロ台後半の左腕大江が健在で、今村、三口が打線を引っ張る。

 攻撃力がある帝京は佐藤怜ら投手陣の出来が鍵を握る。春の都大会4強の東亜学園は打線に切れ目がない。投打で関根が大黒柱の城東は、15年ぶり3回目の代表に期待がかかる。右腕市川を擁する岩倉、個々の能力が高い修徳も注目。創部7年目で初のシード権を得た日本ウェルネス、守備の堅い都立の江戸川もチャンスがある。

西東京「東海大菅生・日大三が有力」

 16年ぶりの優勝をめざす東海大菅生、伝統の強打を誇る日大三、連覇がかかる早稲田実が混戦の中心か。

 2年続けて準優勝の東海大菅生は、キレのあるスライダーが武器の伊藤、好機に強い落合が攻守の柱となり、「三度目の正直」を狙う。日大三は宮木の俊足巧打、中軸に座る坂倉、山本の長打力が光る。

 昨夏の甲子園で2本塁打の清宮、出塁率の高い金子が主力の早稲田実はノーシードで臨む。服部ら甲子園を経験した投手陣が安定感を増せば激戦を乗り切れるか。初優勝に挑む八王子は打線に切れ目がない。早大学院は最速145キロの右腕柴田に注目。都立勢は日野や東大和、昭和に上位進出の力がある。

神奈川「打倒横浜、東海大相模追う」

 県内の公式戦では昨秋から負けなしで、今春の関東大会で準優勝した横浜が一歩抜けた存在だ。最速150キロ超の右腕藤平と、制球力が光る左腕石川が投打で活躍。長打力のある村田、公家を軸とした打線には厚みがあり、関東大会では2度のコールド勝ちを収めた。

 昨夏の甲子園で優勝した東海大相模は「打倒横浜」を掲げ、右腕北村や強打者戸崎を中心に総合力が高い。下手投げの中川が柱の桐光学園も有力だ。小技も巧みな慶応、強力打線の横浜隼人、春の県大会準優勝の日大と、4強の藤沢翔陵も上位をうかがう。公立の厚木北や弥栄も投手力が充実し、戦いぶりが注目される。

山梨「東海大甲府、初のV7挑む」

 春季県大会、夏の山梨大会、秋季県大会を通して6大会連続優勝中の東海大甲府が総合力で一歩リード。春季関東地区大会4強入りで自信をつけた日本航空などが追う。

 県内初の7大会連続優勝に挑む東海大甲府は球のキレで勝負する菊地と制球力が強みの松葉が二枚看板。福武ら内野陣の守りも堅い。打線は機動力を生かし、どこからでも得点できる。

 日本航空はエース片岡に加え、冷静な投球が光る西角が急成長。捕手の片野や関東大会で長打力を見せた上栗ら2年生にも注目したい。昨夏準優勝の甲府城西は好機での打撃が鍵となりそう。優勝経験のある日川も、昨夏初戦敗退の雪辱を期す。

※関東地区のみ掲載

(朝日新聞)



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