(21日・県営大宮ほか)
第11日は3球場で5回戦8試合を行い、ベスト8が出そろった。Cシード叡明とDシード山村学園、Cシードふじみ野はいずれも初。Cシード川越工は28年ぶりの8強。
叡明はDシード大宮東に5-2で競り勝った。七回に三上、坂本の連続適時打で勝ち越しに成功した。山村学園は北本に12―3と七回コールド勝ち。一回に3点を先行されたがその裏、山口、深田の適時打などで4点を奪い、その後も小刻みに加点した。
ふじみ野はDシード埼玉平成を6-2で破った。二回、大久保の適時打などで3点を先制し、リズムに乗った。川越工は川越東に7―3で逆転勝ち。八回に7点を挙げた。
Aシード浦和学院は星野に4-3で延長十二回サヨナラ勝ち。家盛が決勝打を放った。星野はエース左腕湯沢が粘投したが、九回に追い付かれた。
3連覇を目指す花咲徳栄は浦和実に快勝。先発綱脇が1失点完投した。前回準優勝の聖望学園は本庄東に競り勝ち、春日部共栄は朝霞に大勝。
22日は休養日で、第12日は23日、県営大宮と市営大宮で準々決勝4試合を行い、ベスト4が決まる。
焦らず終盤リズム 浦和学院
危うく、夏の甲子園を逃した過去3年と同じ轍(てつ)を踏むところだった。
二回までに3点を先行されると、五回まで無得点と沈黙。三~五回は、いずれも3人で切って取られていた。果敢に内角を攻めてくる左腕相手に「狙い球の選択にミスがあった。絞り切れていなかった」と認める森監督。五回は先頭で出塁した本田がけん制死し、リードされている展開で攻めあぐねる完全なる浦和学院の負けパターンだった。
それでも過去3年と違ったのは、仲間たちを信じ、焦らなかったことだ。
六回に4番蛭間の適時打で1点差。さらに八回から2年生左腕佐野が登板すると空気が変わり、九回には先頭の5番山本が二塁打で出塁。続く秋山は「佐野が抑えてくれる。とにかく1点が欲しかった」と右犠飛で同点。サヨナラ打の家盛も「後ろにも信頼できる打者がいる。打てたのは仲間のおかげ」とうなずいた。
薄氷の勝利に違いないのだが、最大の難所を乗り越えたという見方もできる。「終盤にやっと戦うリズムが出てきた」と指揮官。準々決勝は春の県大会で負けそうになった聖望学園が相手。この日の反省を生かし、立ち上がりからエンジン全開といきたい。
(埼玉新聞)
蛭間、4戦連発ならずも“好アシスト”
浦和学院(埼玉)は3-3で迎えた延長12回無死三塁、3番・家盛がサヨナラ打を放ち、星野との死闘を制した。
2年生4番の蛭間は4試合連続本塁打を逃したが、先輩を好アシスト。打席に向かう家盛に「ここで打てばヒーローですよ」と声を掛けた。家盛は「リラックスして打席に入れました。蛭間においしいところを持っていかせない、という気持ちで打席に入りました」と笑顔だった。
(スポニチ)
“蘇生力”でサヨナラ8強 森監督「また、命を拾った」
1点を追う九回無死から三塁打と犠飛によって、浦和学院は追いついた。そして延長十二回無死三塁で、家盛陽介内野手(3年)が右前に弾き返し、歓喜のサヨナラ勝利。ヒーローは興奮気味に振り返った。
「つなぐ意識で振りました。何とか、と思った」
諦めない気持ちは、仲間も一緒だった。延長十回一死二、三塁のピンチを連続三振で切り抜けた左腕・佐野涼弥投手(2年)は試合後、「厳しかった」と正直な思いを口にした。
経験が生きた。春の埼玉大会1回戦、聖望学園に3-4でリードを許し、九回二死一塁まで追い詰められた。中堅に上がった飛球で万事休す-のはずが、遊撃手と中堅手の“お見合い”で安打。一、三塁となり、直後の中越え三塁打で逆転勝ち。出場した春の関東大会では頂点に立った。
森監督は「春に一度あって、きょうもまた、命を拾った。やらないといけないですね」とチームに備わる“蘇生(そせい)力”を強調した。夏の甲子園を目指す浦和学院の武器は、勝利への執念と粘りだ。
(サンスポ)
試合結果 |
4回戦 7月17日(県営大宮) | ||||||||||
TEAM | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
星野 | 2 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
浦和学院 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 1 | 0 |
TEAM | 11 | 12 | 計 | H | E | |||||
星野 | 0 | 0 | 3 | 10 | 1 | |||||
浦和学院 | 0 | 1x | 4 | 11 | 2 |
【浦】 | 清水、桑野、渡邉、佐野-秋山 |
【星】 | 湯澤-中田、清水 |
三 | 山本(浦) |
二 | 矢野(浦)飯野、櫻井(星) |
浦和学院打撃成績 | ||||
位置 | 選手名 | 打数 | 安打 | 打点 |
⑤ | 矢野 | 6 | 3 | 0 |
③ | 杉山 | 1 | 0 | 0 |
④ | 家盛 | 5 | 1 | 1 |
⑨ | 蛭間 | 4 | 2 | 2 |
⑧ | 山本 | 5 | 1 | 0 |
② | 秋山 | 2 | 0 | 1 |
⑦ | 本田 | 3 | 1 | 0 |
R | 山口 | 0 | 0 | 0 |
7 | 赤岩 | 1 | 1 | 0 |
① | 清水 | 0 | 0 | 0 |
1 | 桑野 | 1 | 1 | 0 |
1 | 渡邉 | 1 | 0 | 0 |
H | 燈中 | 1 | 0 | 0 |
1 | 佐野 | 2 | 0 | 0 |
⑥ | 森川 | 5 | 1 | 0 |
計 | 37 | 11 | 4 | |
星野打撃成績 | ||||
位置 | 選手名 | 打数 | 安打 | 打点 |
④ | 風間 | 5 | 1 | 0 |
⑧ | 星野 | 5 | 0 | 0 |
⑦ | 飯野 | 6 | 4 | 2 |
⑨ | 櫻井 | 6 | 2 | 1 |
③ | 内海 | 2 | 0 | 0 |
H | 隅田 | 1 | 0 | 0 |
3 | 小山 | 1 | 0 | 0 |
⑥ | 安藤歩 | 6 | 0 | 0 |
② | 中田 | 3 | 1 | 0 |
H2 | 清水 | 2 | 0 | 0 |
① | 湯澤 | 3 | 0 | 0 |
⑤ | 佐藤 | 5 | 2 | 0 |
計 | 45 | 10 | 3 |
投手成績 | |||||||
TEAM | 選手名 | 回 | 被安打 | 奪三振 | 四死球 | 失点 | 自責 |
浦和学院 | 清水 | 1 1/3 | 4 | 2 | 1 | 2 | 3 |
桑野 | 1 1/3 | 4 | 1 | 1 | 1 | 0 | |
渡邉 | 4 1/3 | 1 | 4 | 0 | 0 | 0 | |
佐野 | 5 | 1 | 8 | 1 | 0 | 0 | |
星野 | 湯澤 | 11 0/3 | 11 | 7 | 7 | 4 | 3 |
TEAM | 三振 | 四死球 | 犠打 | 盗塁 | 失策 | 併殺 | 残塁 |
浦和学院 | 7 | 7 | 4 | 4 | 2 | 1 | 11 |
星野 | 16 | 3 | 3 | 0 | 1 | 1 | 12 |
浦和学院は延長十二回、家盛のサヨナラ打で逆転勝ちした。2-3の九回に秋山の犠飛で同点。星野は粘投した左腕湯沢を三回以降、援護できなかった。