第100回全国高校野球選手権記念南埼玉大会は21日、県営大宮で準決勝が実施される。5年ぶりの甲子園を狙う春季大会王者のAシード浦和学院と一昨年準優勝のDシード聖望学園が激突。5年ぶりの決勝進出が懸かるノーシードの川越東と初の決勝進出を目指すノーシードの川口が対戦する。準々決勝までのデータを基に準決勝の見どころを探った。
浦和学院「安定感光る投手陣」
守備からリズムをつくる両チームだけに、投手陣の出来が鍵になる。継投のタイミングも重要になりそうだ。
浦和学院のエース右腕河北は3試合に先発し10回無失点と安定感抜群。プロ注目の右腕渡辺は準々決勝の登板機会はなく、河北とともに登板が濃厚。右横から140キロを超える直球を投げる1年生の美又はワンポイントリリーフもあり得る。
投手陣を援護したい打線は、打率6割を超える1番中前、復帰したばかりで打率5割ちょうどの2番矢野を蛭間、上野、後藤と続くクリーンアップでかえすのが理想的だ。
聖望学園「2枚看板で主導権」
対する聖望学園は防御率2・25のエース坂本と防御率3・87の広瀬の両右腕が軸。準々決勝で満を持して初先発した坂本が先発か。いずれにしても、粘り強く投手戦に持ち込みたい。
20犠打と徹底して得点圏に走者を進め、ときにはスクイズも仕掛けるしたたかな攻撃が今年の武器。打率6割4分3厘の3番柳沢、5打点の4番蔵田の中軸は長打力もあり、小技を絡めながら確実に1点をもぎ取りたい。
川越東「自慢の強打で流れ」
ここまで49安打36得点の川越東は、チーム打率が4割0分8厘と4強の中で最も高く、長打の数も23本と飛び抜けている。山形、山本、前多、吉藤、浪江の5人で本塁打は7本。好投手を擁するシードの山村学園や市川越にも打ち勝ってきた。
エース右腕小笠原は打者80人に対して2四球の制球力が強み。低めに集め、思い切りよく振ってくる相手打線を打たせて取りたい。9回1/3で無失点の2年生右腕宮崎の好投も期待できる。
川口「点取り合戦も自信」
川口は打ち合いも望むところ。打率4割2分1厘とチームトップの1番相馬の出塁をきっかけにつなぐ意識が高い打線は止まらない。9打点とポイントゲッターの4番豊田の前にいかに走者を出せるかが重要だ。
2年生エース右腕岩城は四球など無駄な走者を出さずに粘り強く投げたい。多少の安打を打たれることは覚悟して打たせて取れるか。野手は無失策で盛り立てたい。
(埼玉新聞)