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浦和学院、決死の好返球で浦和実に雪辱 夏季県高校野球大会

7回表浦和実2死一、二塁、佐藤の右越え二塁打で本塁を狙った一塁走者山田がタッチアウト

 第10日は2球場で東西南北4地区の決勝計4試合を行い、県大会に進む4チームが決まった。東部地区は昌平、西部地区は狭山ヶ丘、南部地区は浦和学院、北部地区は正智深谷がそれぞれ勝利。狭山ヶ丘は全国高校野球選手権埼玉大会を含め、夏の県大会では初の4強入りを果たした。夏の県ベスト4進出は、昌平と浦和学院が2年ぶり、正智深谷は6年ぶり。

 浦和学院は美又、廣咲の継投で昨夏の埼玉大会4回戦で敗れた浦和実に2-1で雪辱した。正智深谷は本庄第一を延長八回タイブレークの末、3-0で破った。正智深谷は0-0の八回、北田の適時打などで一挙3点を奪った。

 狭山ヶ丘はエース清水が4安打完封し、2-0で星野との接戦を制した。昌平は5-1で、花咲徳栄を準決勝で破った鷲宮に快勝。一回に角田の先制犠飛などで3点を挙げ、二回にも2点を追加すると、宮坂が鷲宮の反撃を1点に抑えて完投した。

 第11日は22日、所沢市のメットライフドームで県大会準決勝を実施。昌平-浦和学院(10時)、正智深谷-狭山ヶ丘(13時)の組み合わせで決勝進出を争う。

決死の好返球で雪辱 浦和学院

 右翼手美又の鋭い送球が捕手石崎のミットに収まり、同点の生還を阻んだ浦和学院が1点差の好試合を制した。昨夏の埼玉大会4回戦で2安打完封を喫した浦和実に雪辱し、森監督は「最後は紙一重だった」と大粒の汗を拭った。

 2点リードで迎えた七回、2死一、二塁で浦和実・佐藤の打球は右翼フェンスを直撃。二塁走者今井が生還したものの、この回から右翼手の守備に就いた美又が「来た瞬間、ホームに投げようと思った」と迷いなく本塁へ送球。一塁走者山田の生還を許さなかった。

 勝利の立役者は2度のピンチを救った先発のエース美又だ。立ち上がりを攻められた一回1死満塁の場面。「チームが勝つことが大事」と力強い直球で5番板垣のバントミスを誘い、三塁走者山田を挟殺。追い込んだ板垣を空振り三振に抑えて切り抜けた。

 エースの好投に打線も奮起。豆田の直球に手を焼いた前回対戦とは違い、バットを短く持って単打を重ねる。二回、五回にそれぞれ1得点し、「助けられたからには引っ張らないといけない」と美又。6回7奪三振、無失点の好投を見せ、七回のピンチでもチームを救った。

 リベンジを成し遂げ、残すは県の頂点を目指すのみ。エース美又は「全球入魂でしっかり抑える」と力強かった。

(埼玉新聞)

エース美又王寿のビッグプレーで4強 昨夏完封負けの浦和実にリベンジ

 浦和学院のプロ注目右腕・美又王寿(3年)が今大会初先発。投げて守ってチームを準決勝へ導いた。

 6回を無失点にまとめて、広咲悠雅(3年)にマウンドを託して右翼の守備についた7回。2死一、二塁で佐藤晴(3年)が放った右越えの打球はフェンスを直撃。クッションボールを捕球した美又はジャックルせず、振り向きざまに本塁へワンバウンド送球。生還すれば同点となる一塁走者を刺して、試合を締めくくった。「神がかり。本塁打かと思った」と森士(おさむ)監督(56)も思わず興奮するほどのビックプレー。「広咲を何とか助けたかった」と声を弾ませた。

 登録変更が可能な今大会。過去4試合は背番号17だったが、この日は1に。「ここに来てしっかり投げてもらいたいと思った」という森監督の期待に応えるように右腕を振った。初回、1安打2四球で1死満塁のピンチを迎えるが、相手のスクイズ失敗などもあり無失点。2回以降も毎回走者を出しながら、この日最速となる142キロの速球を軸にした投球で7奪三振。被安打7も2併殺と味方の守りにも助けられて無失点でしのいだ。「立ち上がりが悪かったので60点」と振り返ったが、森監督に「その半分。30点だ」と返されて苦笑していた。

 昨夏4回戦で2安打完封負けを喫した浦和実・豆田泰志(3年)に投げ勝ち、メットライフドームで行われる準決勝(22日)へ。「1、2回戦から仲間がつないでくれたので、感謝して投げさせてもらっています」と力投を誓った。

(スポーツ報知)

浦和学院・美又、6回0封でエース対決制した

 南部地区決勝は、浦和学院が2-1で浦和実に勝利した。両チーム先発投手はプロ志望届を提出済み。県屈指のエース対決を制した。

 今大会初先発の美又王寿投手(3年)は、6回を投げ被安打7、7つの三振を奪い失点0に抑えた。浦和実・豆田泰志投手(3年)との投げ合いには「意識していたけど、まずはチームが勝つことを考えていました」と振り返った。

 最終7回は左打者対策として、左腕の広咲悠雅投手(3年)が登板した。マウンドを託し、美又は右翼手として守備についた。2点リードをしていたが、2死一、二塁で1打同点のピンチを迎えた。廣咲の球は完璧に捉えられ、美又の頭上を越した。フェンスに直撃し跳ね返った球を処理し、ワンバウンドでホームへ送球。2人目のランナーを差し、試合を決めた。「今まで先発して引っ張ってくれていた。追い込まれていた廣咲を助けようと思っていました」と笑顔で話した。

(日刊スポーツ)

美又、6回0封&V返球 頂点へ「感謝しながら全球入魂でいきます」

 埼玉では準々決勝(地区大会決勝)が行われ、4強が決まった。南部地区では、プロ注目の浦和学院・美又王寿投手(3年)が浦和実を相手に6回無失点と好投。2点リードで右翼に回った最終回(7回)の守りでは、2死一、二塁からの右越えの打球を処理してバックホーム。同点のランナーを刺すビッグプレーで勝利に貢献した。

 右翼の守備に就いていたエース・美又の頭上を越えた打球は、そのままフェンスを直撃した。90メートル近い遠投はワンバウンドで石崎聖也捕手(3年)のミットへ。同点を狙った一塁走者をホーム寸前で刺し浦和学院の南部地区優勝が決まった。

 「打たれた瞬間は、ホームランかと…」と振り返った森士(もり・おさむ)監督(56)は、捕球も送球もワンバウンドだったと聞き「神懸かりだな」と表情を緩めた。浦和実・土居健太監督(29)は「アウトになったランナーは、チームで足が一番速い選手。どうして、あそこに(投手で肩のいい)美又君がいるんだ…という思いです」とため息をついた。

 美又はマウンドでも6回7奪三振無失点と好投した。埼玉の頂点まで、あと2勝。「今があるのは仲間のおかげ。感謝しながら全球入魂でいきます」と完全燃焼を誓った。

(スポーツ報知)

美又、6回零封&7回には右翼でレーザービーム!自ら試合決めた渾身の1球

 浦和学院はエースのこん身の「1球」で勝利をつかみとった。投球と守備で魅せた美又王寿(3年)は「飛んできた時に一番にバックホームしようというのが頭にありました」と笑顔で振り返った。

 コロナ禍で7回制で開催されている埼玉大会。2点リードの最終7回2死一、二塁で浦和実・佐藤晴(2年)が放った打球は右翼フェンスを直撃した。二塁走者に続いて一塁走者も生還を狙ったが、6回を無失点に抑え、この回から右翼に回っていた美又が素早くクッションボールを捕球し、本塁にレーザービーム。ワンバウンドで捕手のミットに収めて試合が終わり、意気揚々と整列に加わった。

 美又は投球については「立ち上がりに助けられたので…」と自己採点で「60点」。森士監督も「(点数は)半分以下。エースの自覚を持って、頑張らないといけない」と辛口だったが最後の補殺には「神がかりだった」と称えた。南部地区を制し、22日にはメットライフドームで東部地区優勝の昌平と準決勝を戦う。美又は「全球入魂でしっかり抑えたい」と闘志を燃やした。

美又 王寿(みまた・おうじゅ)

2002年(平14)5月20日生まれ、福岡県飯塚市出身の18歳。中学時代は飯塚ボーイズでプレーし、3年夏の全国大会で優勝した。浦和学院では1年春からベンチ入り。1メートル76、80キロ。右投げ右打ち。

(スポニチ)

22日に準決勝、決勝は23日

 東部地区優勝の昌平と南部地区を勝ち抜いた浦和学院の対決は、強打者ぞろいの昌平が、浦和学院の守りを崩せるかが注目だ。

 昌平は、1試合平均9得点超をたたきだす強力打線が強み。地区の全試合で本塁打を放った。浦和学院は、最速140キロ後半の美又がエース。地区決勝で初先発して好投し、調子の上向きが期待される。

 北部地区優勝の正智深谷と西部地区の頂点に立った狭山ヶ丘の戦いは、それぞれ北田、清水というエースで4番の大黒柱を軸に試合が展開しそうだ。

(朝日新聞埼玉版)

試合結果

南部地区決勝(8/18・県営大宮)

TEAM 1 2 3 4 5 6 7 H E
浦和実 0 0 0 0 0 0 1 1 9 0
浦和学院 0 1 0 0 1 0 x 2 6 0
【学】 美又、廣咲-石崎
【実】 豆田-古川
古川、佐藤(実)
 浦和学院打撃成績
位置 選手名 打数 安打 打点
3 1 0
池田 0 0 0
1 廣咲 0 0 0
小櫻 3 1 1
金丸 3 0 0
⑨7 オコーリ 3 1 0
齊藤 3 1 0
石崎 3 1 0
①9 美又 2 0 0
樋口 2 1 1
22 6 2
 浦和実打撃成績
位置 選手名 打数 安打 打点
山田 3 2 0
松村 3 1 0
吉田 2 0 0
熊谷 1 0 0
H9 佐藤 2 2 1
板垣 3 0 0
3 石井 0 0 0
倉持 3 1 0
古川 3 2 0
豆田 3 0 0
今井 2 1 0
25 9 1
 投手成績
TEAM 選手名 被安打 奪三振 四球 死球 失点
浦和学院 美又 6 7 7 4 0 0
廣咲 1 2 2 1 0 1
浦和実 豆田 6 5 6 2 0 2
TEAM 三振 四死球 犠打 盗塁 失策 併殺 残塁
浦和学院 6 2 2 2 0 2 6
浦和実 9 5 1 1 0 0 9

勝負どころで集中力を発揮した浦和学院が浦和実に競り勝った。二回2死二、三塁から樋口の適時打で先制。五回にも小櫻の適時打で加点した。6回無失点の先発美又が守備でも貢献した。浦和実は打線がつながりを欠き、拙攻に泣いた。

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