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大先輩の金言を胸に飛躍誓う 西武・渡邉勇太朗

 余力を残してマウンドを降りた背番号12に、限りない可能性を感じた。

 10月4日の巨人とのイースタン・リーグ公式戦。先発した渡邉勇太朗(羽生市出身、浦和学院高出)は七回途中4失点、被安打9、奪三振4という内容でマウンドを後にした。球数は118。「『まだいける』という感じがあったんです。それが良かった」。ファームでみっちりと走り込んできた成果が、ものをいった結果でもあった。

 渡邉が目指す投手像がある。「変化球に頼らない(投手になる)ことですね」。この日は、序盤から長短打を集められ失点すると、その後はカットボールに頼りながら切り抜けてしまう自分がいた。「(自分のスタイルでもある)直球でもっと押していきたかった」。真っすぐとほとんど同じ比率でカットボールを多投せざるを得なくなった投球を反省した。

 それでも中盤にペースをつかんだ。五回は併殺でピンチを切り抜け、六回はこの日初めての三者凡退。七回もマウンドに上がり、先頭打者を見逃し三振に取ったところで役目を終えた。直球の最速は148キロまで出た。

 そんな将来のレオ投を担う彼の寮のロッカーには1冊のノートがある。「内海さんノートです」と笑みを浮かべながら持つノートには、内海哲也の金言があふれていた。

 たわいもない話から派生した野球の話で、自身の心に留めておきたい大先輩の言葉を書き起こしている。中でも印象に残っている話が内海の「これが完封できる術」。ノートには「1巡目はこのように、2巡目はこのように…」と1ページの約半分にわたって、その術が書かれていた。

 長い時間を共にした内海は8月に1軍昇格を果たした。「会えない寂しさもありました」と笑うが、テレビの中で往年のフォームで躍動する左腕を見て、「やっぱり内海さんが1軍で投げる姿はかっこいい」と大きな刺激を受けたという。

 通算28完投、12完封を誇る偉大な内海の背中を見て、渡邉自身また一つ階段を上ろうと鍛錬を重ねる日々だ。

 「ゲームメークする力はついてきていると思います。もっと直球主体の投球をしていきたいですね」と今の課題を口にした渡邉。目標に話が及ぶと、語気が強めた。「来シーズンは開幕から1軍ローテーションで回ることができるように。それが一番です」

 どこまでも伸びていきそうな埼玉の星・渡邉勇太朗に、大きな夢を見たい。

(埼玉新聞)

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