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浦和学院、7年ぶり4強 鍋倉8回決勝3ラン 局面で浦学魂体現

【写真】8回裏、3ランを放ちガッツポーズする鍋倉(手前)と喜ぶ浦和学院ベンチ

 第94回選抜高校野球大会第9日の28日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で準々決勝4試合が行われ、第1試合に登場した浦和学院は、昨秋の九州大会覇者の九州国際大付(福岡)を6-3で下し、7年ぶり4度目の4強入りを果たした。昨秋に就任した森大監督(31)は、父・士(おさむ)氏が甲子園で初采配した1992年の第64回選抜大会の4強と並んだ。大会第10日の30日、準決勝で4年ぶり6度目の近江(滋賀)と対戦する(11時開始予定)。

 浦和学院は、2度追い付かれたが、一度もリードを許さず、八回に4番鍋倉が決勝3ランを放ち、勝利の女神を振り向かせた。

 浦和学院は一回、1死から2番伊丹が右前打と失策で二塁に進み、3番金田の左前適時打で先制した。

 1-1の六回には、1死から伊丹が「しっかり振り抜くことができた」と内角低めの直球を振り抜いた。打球は左翼ポール上部を直撃し、大会第4号のホームランとなった。さらに3番金田の二塁打で好機を築き、4番鍋倉の適時右前打で追加点を奪った。

 八回に再び同点とされて、迎えたその裏の攻撃。1死から伊丹の四球、金田の左前打で一、二塁とし、鍋倉が「伊丹、金田がつないでくれて打ちにいかないといけない」と内角の真っすぐを捉えた。右翼方向へのライナー性の打球は、ぐんぐん伸びてスタンドイン。勝利を呼んだ決勝3ランに一塁ベンチの浦和学院ナインは喜びを爆発させた。

 この試合は、好守も光った。八回2死満塁から金田が左前打を浴びて三塁走者が生還して同点。逆転を狙い二塁走者も本塁へ。だが、左翼手小林が好返球し、タッチアウト。相手にリードを許さなかった。

 就任1年目で春の甲子園4強入りした森監督は「ここまで来たら、決勝を目指して選手一丸で頑張りたい」と喜びをかみしめた。全国制覇した2013年以来の決勝進出へ新生・浦和学院の大冒険はまだまだ続く。

局面で浦学魂体現 ハイライト

8回裏浦和学院1死一、二塁、鍋倉が右越えに決勝の3ランを放つ。投手香西、捕手野田

 2度同点とされても主導権は簡単に渡さない。浦和学院が終盤まで意地を見せ、7年ぶりに4強入りした。

 「自分のプレーでチームを変えてやるぞと魂(メンタル)が大事だよ」。日々の練習から森監督が選手たちに伝えていた言葉を体現するように、一人一人が浦学魂を発揮した。

 1-1の六回、先頭打者の2番伊丹が内角低めの直球を左翼方向へはじき返した。「ファールにならないか心配だった」という打球は、ボール上部を直撃。伊丹の本塁打で勝ち越すと、後も続き2点をリードした。

 だが、八回の守りでピンチに直面。1点差まで縮められ、なお2死満塁で2番手金田が4番佐倉に左前打を許し、三塁走者が生還して同点。さらに二塁走者が逆転を狙い、三塁ベースを蹴って本塁へ。それを阻止しようとする左翼手小林から好返球が捕手高山のミットに吸い込まれ、タッチアウト。ビッグプレーが窮地を救った。

 ピンチの後に好機が訪れる。その裏の攻撃、1死から伊丹の四球、金田の左前打で一、二塁とし、4番鍋倉が内角の直球を振り抜くと、打球は右翼方向へ。フェンス直撃かと思われたが、打球の勢いは衰えずにスタンドインし、決勝3ラン。この一発が勝利を手繰り寄せた。

 森監督は大会前に「三本の矢で脳の活性化と体づくりはいいけど、メンタル面がまだまだ」と心配していた。だが、甲子園で試合を重ねるごとに選手たちは成長し続けている。森監督は「選手が本当に頼もしい。次戦もしっかり準備したい」と力強く語った。

 新生・浦和学院が甲子園で満開の桜を咲かせるための大冒険は続く。

コーチの教えを糧に

 「甲子園でホームランを打ったら、かっこいいですよね」。日頃から口にしていた4番鍋倉が、八回に試合を決める3ランを放ち、4番打者としてたくましく見えた。

 八回1死一、二塁で打席が回り、「打つ時は緊張していた」。第5球目の内角の直球を少し詰まりながらもライト方向に運び、「打球が伸びてくれた」とフェンスを越えて3点本塁打。ダイヤモンドを一周し、一塁ベンチに戻ると仲間から祝福を受けた。

 今大会、試合前日は心配のあまり三浦コーチに打撃フォームを何度も見てもらい、アドバイスをもらっていたという。「自分の打撃は、基本も応用も三浦先生に教えてもらっている」。プロ野球の巨人、埼玉西武でプレーした師匠の指南を大事にする。

 3試合連続で安打と打点を記録し、試合を重ねるごとに調子を上げている。鍋倉は「試合でホームランを打てたことで少し不安が解消された。次は少しだけ楽に入れると思う」とほほ笑んだ。準決勝でも快音を響かせて、かっこいい姿が見られることに期待したい。

伊丹、両親の前で本塁打

6回裏、本塁打を放ちガッツポーズする浦和学院・伊丹

 森監督が「バント、長打なんでもできる2番打者」と頼りにする2番伊丹が六回に左翼ポール直撃のソロ本塁打を放った。

 さいたま市出身の伊丹は、5歳半から小学校5年生までサッカーを経験。アルゼンチン代表のメッシら有名選手のユニホームを着て試合を観戦するほど熱中していた。野球は小学校3年生から始めて、中学時代は大宮シニアで投手と外野手を兼任。浦和学院に入学すると、2年秋からレギュラーの座を獲得した。

 この日は両親がアルプススタンドで応援。父・重信さんは「メンバーに入っていることで驚いている。打ってくれたらいいな」と願っていたところ、目の前で息子が躍動した。

 伊丹は「優勝しないと意味がない。次も勝ちたい」と気合十分だった。

粘り強く投げるも4安打3失点反省 エース宮城

九州国際大付戦に先発した浦和学院・宮城

 先発のエース宮城は、7回1/3を4安打3失点と粘りの投球を見せた。

 切れのある直球と変化球を巧みに使い分けて三回まで走者を出さない完璧な投球。その後も安定感のある投球を続けたが、「ボールに勢いはあったけど、コントロールにばらつきがあった。そこで自分の首を絞めてしまった」と、3-1の八回1死満塁で2番手の金田にマウンドを託した。

 準決勝に向けて宮城は「準々決勝は野手に助けてもらった。恩返しの気持ちで次はチームを勝たせたい」と意気込んだ。

金田、3試合連続複数安打と打点

 3番金田が3安打1打点とチームに貢献。3試合連続で複数安打と打点を記録し、「調子が良くて、全打席(球が)見えている」と力強く語った。九州国際大付のエース香西に対して、「真っすぐを張りながら、センター方向に強く引っ張る感覚で打った」と広角に打ち分けた。

 八回には、1死満塁の場面でマウンドに上がったが、この回を0点で抑えることができず、「気持ちが空回りした。ピッチングは修正したい」と準決勝に向けて準備を整える。

(埼玉新聞)

浦学、強豪破り4強 最後まで攻め続け

 第94回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)第9日の28日、浦和学院は準々決勝で九州国際大付(福岡)と対戦。優勝候補の一角を6-3で降し、7年ぶりのベスト4進出を決めた。先行して2度追いつかれる接戦となり、伊丹、鍋倉の本塁打が流れを決めた。浦和学院は大会第10日第1試合(30日午前11時開始予定)で、近江(滋賀)との準決勝に臨む。

 2度目に同点とされた直後、3-3で迎えた八回裏。伊丹、金田が出塁し、1死一、二塁で4番・鍋倉が打席に立った。「伊丹と金田がつないでくれた。自分も打ちにいかないと、と思った」。5球目、やや高めの直球を振り抜くと、打球は一直線にライトスタンドへ吸い込まれた。「詰まってライナーになるかと思ったが、伸びてくれた」。試合の流れを引き戻す、勝ち越し3点本塁打。右手の拳を何度も握って塁を回った。

 浦和学院が先行し、九州国際大付が猛追する展開だった。

 初回、金田の左前適時打で先制。母の治代さん(55)は「とにかく1本打ってほしかった。ほっとした」と表情を緩める。金田は、1-1とされた後の六回にも、本塁打を放った伊丹に続いて右中間越え二塁打。鍋倉の右前適時打で生還し、2点を勝ち越した。

 伊丹の父、重信さん(56)は自身も元球児。「甲子園は自分の夢でもあった。ホームランを打ってほしいと願っていたが、(現実になると)頭は真っ白です」

 その点差を詰め寄られた八回表のピンチ。途中登板の金田にメガホンがたたき鳴らされる。「大丈夫、落ち着いて」。野球部で選手の栄養管理などに関わる医師の伊藤史子さん(52)もスタンドから祈った。2死満塁から相手の4番が放った左前安打をレフト小林が好返球。勝ち越しの相手走者を本塁でタッチアウトとし、八回裏の反撃につなげた。

 校内応募で部活の仲間と駆けつけた仲戸咲来さん(17)は「応援するのに精いっぱいだったが、うれしい。浦学らしく最後まで点を取る攻撃がすごかった」と力を込めた。

 2021年秋から指揮を執る森監督は、父・森士前監督が就任初年度に実現したセンバツ4強に並んだ。「前監督の偉業は遠い目標だった。選手たちは最後の最後に魂を見せてくれた」とたたえた。

全国3位のチア

 スタンドを盛り上げるソングリーダー部の大谷実悠部長(17)は「勝ち進んでくれたおかげで、また甲子園で応援できた」と笑顔。千葉市で25日に開催されたチアリーディング・ダンスの全国選手権大会「USAナショナルズ」で、部は全国3位に輝いた。大会出場のため和歌山東との2回戦(24日)を応援できなかった主要メンバーも駆け付け、全国3位のチアを披露した。「本番前に野球部の準々決勝進出を知って『私たちも』と士気が高まった。次も浦学打線の活躍で迫力ある試合を!」

頼れる2番打者に 浦和学院・伊丹一博中堅手(3年)

 1-1で迎えた六回裏。森大監督から「しっかり振っていけ」と打席に送り出された。「変化球が続いた後には直球が来る」。読みが当たり、内角低めのインコースを振り抜いた。左翼のポール際まで引っ張り、大会第4号の本塁打で勝ち越し点を挙げた。

 新チーム発足後、2021年秋の県大会は4番を打った。結果が出ず、関東大会で打順は7番に。森監督には「最後まで4番を目指せ」と奮起を求められ、4番・鍋倉と競い合ってきた。

 2番を任されたのは冬以降。目指した打順とは違うが「楽しい。出ることも還すことも求められ、やりがいがある」。つなぎ役の印象が強いが「『2番最強説』ではないが、持ち味の長打力で自分なりの2番打者になりたい」。鍋倉は「ライバル以上に良い仲間。打撃が奮わない時、悪い所を教えてくれる」と頼りにする。

 センバツでは3試合連続、第1打席でヒット。自ら課した役割を全うする。「ここまで来たら優勝しないと意味がない」。狙うは頂点だ。

失敗恐れず成果 浦和学院・森大監督

 緊迫した場面で1本の長打が出ることをチームのテーマとしてやってきた。伊丹も鍋倉も渾身(こんしん)の一振りをしてくれた。失敗を恐れず振り切れという冬場の取り組みの成果が好機で出た。

ピンチでも冷静 浦和学院・八谷晟歩主将

 八回表のピンチでも内野手、バッテリーは落ち着いていた。全員が「ここを抑えれば勝てる」と思っていた。準決勝では、主将としては一番冷静にプレーし、打者としては6番の仕事をしたい。

夏に向けて強化 九国大付・楠城徹監督

 相手の中軸は粘って逆方向に打ち、甘い球は引っ張るバッティングの基本のような姿。香西も悪くなかった。下位打線の底上げが十分にできていなかった。夏に向けバッテリーの強化をしっかりやっていく。

打撃面の向上を 九国大付・野田海人主将

 浦和学院が自分たちの上を行ったということで悔しいという気持ちしかない。香西に頼りっきりで、夏はみんなが打撃面を向上させ、「打の九国」と言われるよう頑張りたい。

(毎日新聞埼玉版)

浦学4強、ここぞ長打

 浦和学院、7年ぶりの4強進出。28日にあった準々決勝で、昨秋の九州大会を制した九州国際大付(福岡)を6-3で破った。3-3の同点に追いつかれた直後の八回裏、4番打者・鍋倉和弘選手(3年)の3点本塁打で勝ち越した。準決勝は、30日午前11時の第1試合で近江(滋賀)と戦う。

「最強の2番打者」監督に応え一発 伊丹一博選手 憧れは本田圭佑

六回裏浦和学院1死、伊丹は勝ち越しの本塁打を放つ。捕手野田

 接戦を打開する道は、長打力にあり。浦和学院の森大監督は4強に終わった昨秋の関東大会の後、選手にこう説いてきたという。

 迎えた選抜の準々決勝、成長を試す場が来た。1-1で迎えた六回裏の1死無走者。2番打者の伊丹一博選手(3年)は、監督にこうささやかれた。「こんな時こそ、1本の長打だよ」

 フルカウントからの8球目。相手左腕の内角低めに入った直球を腕をたたんで振り抜いた。ボールは左翼のポールに直撃する本塁打。「飛距離は『入ったな』と思った」と喜んだ。

 昨秋の県大会では、4番打者だった伊丹選手。長打力に加えてバントや逆方向に打てる器用さを買われ、今大会から2番になった。昨秋から就任し、「超攻撃型野球」を掲げる森監督は伊丹選手を「最強の2番打者」に育てようとした。

 新たに4番に座った鍋倉和弘選手(3年)の存在も、伊丹選手の励みになった。どちらかの調子が悪い時には動画を撮って教えるなど、切磋琢磨してきた。

 八回表に再び同点にされたが、直後の攻撃で今度は鍋倉選手が右翼のポール際に3点本塁打。2人で5打点を稼いだ。森監督は「当てにいかずによく振り抜いた」とたたえた。この試合までに出た5本の本塁打のうち4本が浦和学院の選手のもの。「超攻撃型野球」が甲子園で花開いている。

 伊丹選手は、サッカー少年だった。今でも憧れの人は「本田圭佑」だ。身長の高さを生かしてFWとしてプレー。Jリーガーを夢見ていた。家のリビングでは、いつも小さいゴムボールを蹴っていたという。

 小学3年の時。見かけた野球チームのチラシをきっかけに、野球もはじめた。小学5年で両方でレギュラーになると、両立が困難に。どちらか選ぶように父の重信さん(56)が言うと、「父とキャッチボールしていたときが楽しかった」と野球を選んだ。

 「明るくて凝り性」という伊丹選手。「道具を大切にしないとうまくなれないぞ」と重信さんに言われると、サッカーボールをよく手入れするようになったという。それがバットとグラブに代わってからも、入念に磨き続けている。

(朝日新聞埼玉版)

今大会初失点 浦学3年・宮城誇南投手

 勝利にも表情は晴れなかった。浦和学院の先発宮城誇南(こなん)投手(3年)は今大会3試合目で初失点。八回途中でピンチを招いて降板し、背番号1は「自分がしっかり抑えたかった」と悔しさをにじませた。

 抜群の制球力と球の切れを武器に、2回戦まで計16イニングで無失点と快投。だが、この日は「コンディションを整えられなかった」とボール先行の苦しい投球が続き、四回に長打を浴びて1点を失った。2点リードの八回は、2安打と四球で1死満塁とされたところで降板。後続が打たれて一時は同点とされた。

 昨夏の甲子園でもエースナンバーを背負ったが、初戦で先発のマウンドには立てず、チームも敗退。悔しさをばねに冬の間は体と技術を徹底的に鍛えた。その成果を堂々と発揮しているが、理想は高く、自分に厳しい。

 「野手に助けられっぱなしだった。次は自分がいい投球をしてチームを勝たせたい」。この悔しさも糧に次戦、優勝した2013年大会以来の決勝進出をかけた一戦に臨む。

(東京新聞埼玉版)

浦和学院が守る野球の原理原則「準備、確認、実行」

6回、浦和学院・伊丹は左越えにソロ本塁打を放ち森監督(左)に迎えられる

 野球には原理原則が必ずある――。ヤクルト担当をしていた90年代の初め、野村克也監督がよく口にした言葉だ。そして、こうも言っていた。「いい仕事をするために大事な3つの要素を知っとるか?準備、確認、実行の3つや」。7年ぶりのベスト4を決めた浦和学院(埼玉)にその3大要素が見えた。

 象徴的なシーンがあった。2点を勝ち越した6回。なおも1死一塁の場面で、九州国際大付(福岡)が伝令を送って内野手がマウンドに集まったとき、次打者の5番・高山維月(3年)が両足にレガースをつけたまま打席に入ろうとしたのだ。マウンドにはまだ内野手が集まっている。急いでレガースを外す様子を見て、そんなに慌てることはないのにと思ったが、何も慌てたわけではなかった。早く打席に入り、準備を整えたかったのだ。

 各自のルーティンもあると思うが、浦和学院は打席に早く入る選手が多い。早めに構え、状況や狙い球を確認し「さあ、来い」と投球を待つ。それは打席だけではない。同点の8回1死一、二塁の場面。ここでも、守備のタイムで内野手がマウンドに集まっている間、二塁走者の伊丹一博(3年)がスタートを繰り返し、一塁走者の金田優太(3年)は両手を広げて本塁と二塁方向を確かめるようにスタートする。「準備」と「確認」だ。その直後、鍋倉和弘(3年)の決勝3ランが飛び出すが、2人の走者の準備と確認は決して無駄とは思わない。

 森大監督(31)の父である名将・士前監督は「新生浦学だ」と言ったが、根底にあるものは変わらない。甲子園では何が必要かを分かっているのだろう。今大会で4本塁打が生まれた要因とも無関係ではないはずだ。

 しっかり準備し、確認し、実行すれば、甲子園という舞台では結果に結びつく。それも野球の原理原則だ。

(スポニチ)

今大会4本塁打の浦和学院4強入り、盛り上げ役・八谷晟歩主将が語る手応え「一人一人がフルスイングできている」

2回、犠打を試みる浦和学院の八谷主将

 2点リードの八回。一死一、二塁の窮地で、三塁を守る八谷晟歩主将(3年)は「ここを抑えれば勝てる。全員で守り抜こう」と宮城誇南投手(3年)ら内野陣に声をかけた。その後、追いつかれたものの、左翼の小林聖周選手(2年)の本塁への好返球で勝ち越しは阻止。その裏の決勝3ランを呼び込んだ。

 大会前、森大監督から盛り上げ役に任命され、「劣勢や仲間が落ち込んでいる時に先頭に立つ」と心に決めた。昨夏の甲子園に立った経験を生かし、大舞台でもチームが平常心を保てるように努めている。

 この日、自身は二回に送りバントを失敗するなどして無安打に終わった。それでも長打力の向上を目指してきたチームは今大会4本塁打。「一人一人がフルスイングができている。練習の成果だ」と仲間の成長に手応えを感じている。

 準決勝へ向け、「チームの誰よりも落ち着いてプレーしたい」と、まずは主将の役割を果たすことを優先するが、「野手としては絶対に打ちたい」。プレーでもチームを引っ張る機会をうかがっている。

(読売新聞)

試合結果

選抜大会・準々決勝(3/28・甲子園)

TEAM 1 2 3 4 5 6 7 8 9 H E
九国大付 0 0 0 1 0 0 0 2 0 3 6 1
浦和学院 1 0 0 0 0 2 0 3 x 6 9 0
【浦】 宮城、金田-高山
【九】 香西-野田
伊丹、鍋倉(浦)
大内、金田(浦)小田原(九)

打撃成績

 浦和学院
位置 選手名 打数 安打 打点
小林 4 0 0
⑧98 伊丹 3 2 1
⑥1 金田 4 3 1
鍋倉 4 2 4
高山 4 1 0
八谷 4 0 0
日高 3 0 0
4 大勝 0 0 0
①8 宮城 3 0 0
9 喜屋武 0 0 0
④6 大内 3 1 0
32 9 6
 九州国際大付
位置 選手名 打数 安打 打点
黒田 4 2 0
中上 2 0 0
H 毛利 1 0 0
9 大島 0 0 0
小田原 3 1 1
佐倉 3 1 1
野田 4 0 0
白井 4 1 0
④6 隠塚 4 0 0
香西 4 1 0
尾崎 2 0 0
H4 浅嶋 0 0 0
31 6 2

投手成績

 浦和学院
選手名 安打 三振 四球 死球 失点 自責
宮城 7 1/3 4 4 1 1 3 3
金田 1 2/3 2 2 1 0 0 0
9 6 6 2 1 3 3
 九州国際大付
選手名 安打 三振 四球 死球 失点 自責
香西 8 9 2 1 0 6 5
8 9 2 1 0 6 5

チーム成績

TEAM 攻撃 守備
三振 四死球 犠打 盗塁 残塁 失策 併殺
浦和学院 2 1 0 0 3 0 0
九国大付 6 3 1 0 5 1 0

浦和学院は2度追い付かれたが、八回鍋倉の3ランで九州国際大付を振り切った。一回に金田の適時打で先制。1-1の六回に伊丹のソロと鍋倉のタイムリーで2点勝ち越すが、八回に同点とされた。その裏、四球と安打で1死一、二塁とし、鍋倉が右翼席に決勝アーチ。先発宮城は八回途中まで3失点にまとめ、2番手金田が後続を抑えた。

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