【写真】先発し力投する浦和学院・伊藤
(第7日、3日・県営大宮)
準決勝を行い、昌平と浦和学院が決勝に進出した。決勝進出は、昌平が東和大昌平時代の1997年以来26年ぶり2度目、浦和学院が3年連続20度目。両校は関東大会(20~23、27、28日・神奈川)の出場を決めた。関東大会出場は昌平が26年ぶり2度目、浦和学院は3年連続22度目。
昨秋覇者の昌平は、大宮東に5-2で競り勝った。四回に菅沼の右前適時打で先制。六回には金子がソロ本塁打を放ち、さらに九回に3点を挙げ大宮東を突き放した。投げては先発佐藤勇、佐藤立、渡辺俊とつなぎ2失点に抑えた。
浦和学院は、11-0の五回コールドで市川越に快勝。一回2死満塁で伊藤が走者一掃の右越え三塁打を放つなど一挙5点。11安打11点と打線が爆発した。伊藤、細澤の継投で市川越打線を零封した。
最終日は4日、県営大宮で決勝を実施し、昌平-浦和学院(10時)のカードで春の王座を懸けて争う。
投手陣も打力強化
序盤の猛攻で大勢を決した浦和学院が、2021年春から続く県大会の決勝進出を7季連続とした。森監督は「1球目、1打席目を大事にしようという意識が出てきている」と冬場の取り組みの成果を強調した。
2点リードの一回2死満塁で打席に立った先発左腕の伊藤は、「秋は打撃で足を引っ張った。緩い変化を狙った」と内角低めの変化球をすくい上げ、走者一掃の右越え三塁打を放った。
打線のブレーキとなった昨秋の反省から、森監督は「打率2割5分を目指そう」と300球の打ち込みを投手陣に課し、強力打線がさらなる厚みを増した。
今大会初先発となったマウンドでも、「立ち上がりから試合をつくっていけば、攻撃につながる」と3月の練習試合で大阪桐蔭を完封した実力を存分に発揮。決め球のチェンジアップとスライダーを効果的に使い分け、夏を想定した大観衆の前で尻上がりに調子を上げた。
昨秋と同じく昌平と覇を争う決勝に向けて森監督は、「三塁側のベンチは好き。チャレンジャーの気持ちで臨める」と前置きした上で、「夏の第1シードを取るのは浦和学院」と雪辱を誓った。
強豪前に力の差痛感 市川越
投打で圧倒された市川越は、五回コールド負けを喫した。室井監督は「本気モードの浦学と戦えたのは収穫。でも突破口が開けなかった」と力の差を痛感した。
先発のエース西見は「相手をかわそうと思いすぎて守りに入った」と一回に打者一巡5失点の猛攻を許した。後を託された小田も計5点を失い、流れを取り戻せなかった。
左打者6人が並ぶ打線は、相手左腕の緩急をつけた投球を捉えられず1安打に終わった。主将の鈴木は「インコースに立って攻略したかったが、球の精度が高く力でつぶされた」と悔しさをにじませた。
昨秋の県大会初戦敗退から、春は4強入りを果たした。鈴木は「つなぐ野球ができればここまで来られる。次は個々の打力が課題」と自信を手に成長を誓った。
昌平、初の春王座へ 連覇へ強打の浦学 昨秋の再戦 決勝見どころ
昨秋の決勝の再戦。秋は6-3で昌平に軍配が上がった。投手力に磨きがかかる昌平が初の春王座を手にするか、強力打線の浦和学院が3連覇を果たすか、目が離せない一戦となる。
昌平は、緩急を駆使するエース渡辺俊と捕手斎藤がチームをけん引。佐藤勇、佐藤立の両右腕も大会を通じて成長し、誰が先発でもおかしくない。今大会2本塁打を含む打率6割超の2番金子ら打撃陣が奮起したい。
浦和学院は、打線の状態が上向いている。小技と長打を備えた1番小林の出塁率が高く、濱野、喜屋武、三井のクリーンアップが得点源。今大会で伊藤、渡邉ら6人が登板した投手陣の中にあって先発の出来が鍵を握る。
(埼玉新聞)
浦和学院、5回コールドで3年連続春季関東大会切符 最速144キロ左腕伊藤充輝が4回無失点
浦和学院は、5回コールドで市川越に快勝し、3年連続22度目の春季関東大会出場を決めた。森大監督は「先発投手が安定すると、こういう試合になる。(打者は)1球目、1打席目でとらえようという、取り組んできたことを出せている」と手応えを口にした。
最速144キロ左腕の伊藤充輝投手(3年)が、今大会初先発。キレのある直球と、打者の近くで落ちるチェンジアップを効果的に使い、4回を被安打1の無失点、4奪三振にまとめた。「自分が試合をつくれば、攻撃につながると思っていた。今日は(100点満点で)50点くらいです」と話した。
エース格の左腕が、打席では初回2死満塁で適時三塁打を放ち、投打で結果を残した。今年3月中旬の関西遠征では、大阪桐蔭戦で先発し、強力打線を被安打7で完封。4-0の勝利を飾った。強豪相手に投げ勝ち「自分の球を投げられれば、しっかり打ち取れるということが分かった」と自信がついた。
4日の決勝では、昨秋県大会の決勝(3-6)で敗れた昌平と対戦する。「優勝して(夏の)第1シードを取りたい。自分たちが持っている最大限の力を発揮したい」と意気込んだ。
(日刊スポーツ)
浦和学院、144キロ左腕エース格の伊藤充輝が貫禄の1安打無失点
浦和学院が市川越に11-0で5回コールド勝ち。144キロ左腕の伊藤充輝投手(3年)が、この県大会で初先発、4イニングを1安打に抑えた。昌平は大宮東を5-2で振り切った。決勝に勝ち上がった両校は神奈川県で20日から行われる関東大会出場を決めた。
3月の練習試合で大阪桐蔭を7安打完封した浦和学院の伊藤が、4イニングを1安打2四死球で無失点。オリックスの宮城に憧れ、武器はチェンジアップ。この日も要所で低めに決めた。
背番号10ながらエース格の左腕は「立ち上がりが投手陣の課題だったので、いい形で入れたのはいいが、2回に小技も使われてピンチを招いたのは反省。100点満点で50点」と辛口の自己採点。それでも、1回に自ら満塁の走者を一掃する右越え三塁打も放ち、チームは春夏秋の埼玉で7季連続で決勝に進出した。相手は昨秋と同じ昌平。「秋に負けた相手なので、勝って関東大会に行きたい」と力強く誓った。
(中日スポーツ)
試合結果
春季県大会・準決勝(5/3・県営大宮)
TEAM | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | H | E |
浦和学院 | 5 | 3 | 0 | 3 | 0 | 11 | 11 | 1 | ||||
市立川越 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 3 |
【浦】 | 伊藤、細澤-篠塚 |
【市】 | 西見、小田、今野-田島 |
三 | 伊藤、篠塚(浦) |
打撃成績
浦和学院 | ||||
位置 | 選手名 | 打数 | 安打 | 打点 |
⑧79 | 小林 | 3 | 1 | 0 |
④ | 月山 | 4 | 1 | 0 |
⑦ | 濱野 | 3 | 1 | 0 |
8 | 江口 | 1 | 0 | 0 |
⑨ | 喜屋武 | 3 | 3 | 2 |
6 | 小栗 | 0 | 0 | 0 |
⑤ | 三井 | 2 | 1 | 1 |
5 | 河内 | 0 | 0 | 0 |
② | 篠塚 | 3 | 2 | 3 |
③ | 西田瞬 | 2 | 1 | 1 |
3 | 浅田 | 0 | 0 | 0 |
① | 伊藤 | 3 | 1 | 3 |
1 | 細澤 | 0 | 0 | 0 |
⑥ | 西田和 | 2 | 0 | 0 |
H | 垣内 | 0 | 0 | 0 |
R7 | 山田 | 0 | 0 | 0 |
計 | 26 | 11 | 10 | |
市立川越 | ||||
位置 | 選手名 | 打数 | 安打 | 打点 |
⑧ | 南 | 2 | 0 | 0 |
⑦ | 嘉彌眞 | 2 | 0 | 0 |
⑨ | 畠山 | 2 | 0 | 0 |
② | 田島 | 1 | 0 | 0 |
⑤ | 西村 | 2 | 1 | 0 |
③ | 鈴木 | 2 | 0 | 0 |
⑥ | 霜田 | 0 | 0 | 0 |
6 | 土谷 | 1 | 0 | 0 |
④ | 深谷 | 2 | 0 | 0 |
① | 西見 | 0 | 0 | 0 |
1 | 小田 | 1 | 0 | 0 |
1 | 今野 | 0 | 0 | 0 |
計 | 15 | 1 | 0 |
投手成績
浦和学院 | |||||||
選手名 | 回 | 安打 | 三振 | 四球 | 死球 | 失点 | 自責 |
伊藤 | 4 | 1 | 4 | 1 | 1 | 0 | 0 |
細道 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 |
計 | 5 | 1 | 5 | 1 | 1 | 0 | 0 |
市立川越 | |||||||
選手名 | 回 | 安打 | 三振 | 四球 | 死球 | 失点 | 自責 |
西見 | 1 2/3 | 7 | 1 | 1 | 1 | 8 | 7 |
小田 | 1 2/3 | 4 | 1 | 0 | 0 | 3 | 2 |
今野 | 1 2/3 | 0 | 2 | 1 | 0 | 0 | 0 |
計 | 5 | 11 | 4 | 2 | 1 | 11 | 9 |
チーム成績
TEAM | 攻撃 | 守備 | |||||
三振 | 四死球 | 犠打 | 盗塁 | 残塁 | 失策 | 併殺 | |
浦和学院 | 5 | 3 | 1 | 2 | 4 | 1 | 0 |
市立川越 | 4 | 2 | 0 | 0 | 2 | 3 | 0 |
投打がかみ合った浦和学院が五回コールドで市川越に大勝した。浦和学院は一回に喜屋武の右前適時打で先制すると、2死満塁から伊藤が走者一掃の右越え三塁打。二、四回にも篠塚の適時打などで加点した。今大会初先発の左腕伊藤は切れのある変化球を武器に4回無失点。市川越は二回無死一、二塁の好機を生かせず、投手陣も踏ん張れなかった。