【写真】甲子園のベンチ入りメンバーが発表され、森監督と握手するエース佐藤ら浦和学院の選手たち=17日午後、浦和学院高校グラウンド(埼玉新聞)
沖縄遠征から前日に戻ったチームは17日、同校グラウンドに集まり、甲子園メンバー18人を発表した。
メンバーは優勝した昨秋の関東大会とほぼ同じ顔ぶれ。レギュラー陣は背番号に変更がなく、控え投手の中山翔太が10番に昇格したほか、外野手の小野達輝が17番で初のベンチ入りを果たした。
ポジション別では投手が4人、捕手が2人、内野手が6人、外野手が6人。学年別では新3年生が13人、新2年生が5人選ばれた。
東日本大震災の影響により大会開催の可否が最終決定していない中、森監督は「野球をやっていること自体が恵まれている。出させてもらえたらそれにふさわしいプレーをしていこう」と選手に呼び掛けた。
主将の小林は「やるかやらないか分からないが、やるとしたら激戦区。楽しみだし、いい状態で入れるかという不安もある」と心情を吐露した。
日本高野連は18日午後、大阪市内で臨時運営委員会を開き、大会開催の可否について最終協議を行う。チームは同日午前、新幹線で大阪入りする予定。
◇外れた選手も一丸で
メンバー発表は選手にとって一つの儀式のようなものだ。森監督は言う。「自分が背番号をもらった夢を見て、起きたら泣いていたことが何度もあった」。森監督は上尾高-東洋大と名門を進んだが、けがなどもあり背番号をもらえなかった。
昨秋の大会では常にベンチ入りしながら、今回は惜しくもメンバーに選ばれなかった室町は「正直に言って悔しい」。小泉は「できることをやるだけ」と記録員の仕事を全うするつもりだ。
しかし、これですべてが終わるわけではない。森監督は選手たちによく話すことがある。「人生のメンバー外になるな」。そこには「将来、仕事に就くときにはメンバーとして活躍する場をつかまなければいけない」というメッセージがある。
背番号をもらい涙を流す夢は監督になって一切見なくなったという。もらう立場から配る立場に変わったからだ。「監督として違う大変さ、満足感を味わえるようになった。自分の仕事に集中しているのかもしれない」。監督として15度目の甲子園。メンバー外も一丸で戦うことを強調した。
◇新2年生右腕が1番に気合い十分 佐藤
メンバー発表で真っ先に名前を呼ばれた。昨秋の県大会、関東大会優勝に大きく貢献した新2年生右腕の佐藤がエースナンバーを付ける。「1番をもらって今まで以上にさらに頑張ろうと思った」と気合いが充満する。
沖縄合宿での練習試合では良い面も悪い面も出たが、この日はブルペンで調整し、調子は悪くなさそうだ。「あとは実戦の気持ちの部分。技術面では体の開きが早くならないようにしたい」と課題も分かっている。甲子園でもその右腕で勝利をつかみ取る覚悟だ。
◇打撃好調で外せぬ存在 小野
新3年生で外野手の小野が入学以来初めてメンバー入りした。17番をもらい「まさか入るとは思っていなくて驚いたが入ったからには貢献したい」と目を輝かせる。
沖縄合宿でめきめきと頭角を現した。練習試合で右投手から鋭い当たりを連発し、最後の最後で滑り込み。森監督も「打撃がよくて外せなくなった」というほど欠かせない選手に成長した。ラッキーボーイは「右投手を打つ気持ちで臨む。代打で結果を残したい」と甲子園の打席に立ち、安打を打つことを夢見た。
◇ベンチ入り選手
①佐藤拓也 2年 投 手
②森 光司 3年 捕 手
③日高史也 3年 一塁手
④遠藤 生 3年 二塁手
⑤沼田洸太郎3年 三塁手
⑥小林賢剛 3年 遊撃手
⑦荒井大樹 3年 左翼手
⑧石橋 司 2年 中堅手
⑨柴崎裕介 3年 右翼手
⑩中山翔太 3年 投 手
⑪笹川晃平 2年 右翼手
⑫林崎龍也 2年 捕 手
⑬浅田龍一 3年 投 手
⑭松浦光謙 3年 投 手
⑮今栄尚人 3年 左翼手
⑯村上和広 3年 遊撃手
⑰小野達輝 3年 中堅手
⑱明石飛真 2年 一塁手
(埼玉新聞)