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“一戦必勝” 森ウラガク(4)1年生投手陣が成長

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【写真】フィールディング練習をする山口(下)と(左から)渡辺剛、佐藤、伊藤、涌本の投手陣=浦和学院高校グラウンド(埼玉新聞)

 総力を結集させ、つかみ取った関東2連覇。4試合のチーム打率3割6分6厘、29得点と勝因は強力打線に目がいきがちだが、最大の原動力は1年生投手陣の成長にある。

 チームには昨年からのエース佐藤が健在。しかし、本来の球威ある投球が戻らない。「佐藤だけでは、上まで行くのは厳しい」と森監督は決断した。関東大会では3人の1年生がマウンドに上がった。

 初戦の東海大相模(神奈川)戦で完投するなど、先発2試合を含む全4試合に登板した右腕山口、3試合でリリーフし何度もピンチを切り抜けた左横手投げの渡辺、決勝で先発を託された185センチの本格派伊藤。背番号1の右腕涌本は出番こそなかったが、常にブルペンで準備万端だった。

 3投手で計29回を投げ自責点1、防御率は0・31は驚きの数字。関東の強豪を相手に抜群の安定感を誇った。

 秋の躍進は春から夏にかけて施した森監督の投手育成法にある。素質を秘める1年生投手陣に、しっかりと段階を踏ませ、トレーニングした。

 春先は肩づくりに専念させた。練習試合では山口、伊藤、涌本、渡辺ら5、6投手で1試合を小刻みに継投。決して無理はさせず1、2回ずつ投げさせた。森監督は当時から「試合を崩すことはほとんどなかった」と可能性を感じていた。

 新チームが始動した8月からは次のステップ。可能な限り完投させるスタミナ強化に着手した。「投手の実力は元からあると感じていたが、むやみに投げているだけだった」と捕手の林崎。試合経験を重ねることで、完投するための術も学んでいった。

 速球を狙われ痛打されることが多かった山口と涌本は、変化球でカウントを稼げるように。渡辺は左打者の内角に食い込む直球を投げ込める制球力がついたことで、それぞれの投球幅は格段に広がった。

 ピンチでの登板が多い渡辺は、「目の前の一人を打ち取る意識は変わらないけど、(関東大会からは)どんどん自信がついてきた」と頼もしい。山口は「甲子園に絶対行くという気持ちで投げた」と精神的なスタミナも付いて、関東では抜群のマウンド度胸を見せた。

 ルーキーズの活躍は、周到な準備に裏打ちされた必然だった。

(埼玉新聞)

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