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投打にエース復活 佐藤拓也投手(3年)

 浦和学院の佐藤拓也投手(3年)が、昨春の悔しさを糧に、甲子園のマウンドに戻ってきた。切れと制球力が増し、精神力もたくましくなっていた。126球。敦賀気比打線を6安打2点に封じ込めた。

 「いつも通り投げればいい」

 初回から直球にスライダー、ツーシームを織り交ぜた。打ち取った内野ゴロは16、3回以外はすべて先頭打者を抑えた。

 林崎龍也捕手(同)は「気負わず今までで一番くらいだった。秋以降、精神面で大きく成長した」とほめた。

 昨春、2年生の主戦として初戦の鹿児島実戦のマウンドに立った。しかし舞い上がり、3暴投1ボーク7四死球と自滅した。

 大会後も調子は戻らず、昨夏から野手を務めることが増えた。打者としては主軸だが、「甲子園のマウンドに立ちたい」という思いは強かった。下級生の投手が次々と頭角を現し、競争も激しくなった。

 この冬、下半身強化のためランニングを増やし、1日200球投げ込んで切れを磨いた。打撃でも結果を出そうと、1日2千スイングを欠かさなかった。

 この日は2回、四球後の初球を狙って2点適時二塁打を放つなど苦手の左投手を攻略、打撃でも貢献した。

 初戦敗退だった昨春の甲子園。「すべては自分の精神的な弱さ。精神的に強くなって、また甲子園に来る」と誓っていた。

 あれから1年――。

 「今日は気持ちに余裕があった。大会の最後まで投げたい」。ひと回り大きくなった背番号「1」は、まだまだ上を目指している。

(朝日新聞埼玉版)

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