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第85回センバツ:浦和学院に待望切符 地元後援会エール

◇10年ぶりダブル出場

 第85回記念選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)の選考委員会が25日、大阪市北区の毎日新聞大阪本社で開かれ、県内から浦和学院と花咲徳栄の2校が選ばれた。浦和学院は3年連続9回目、花咲徳栄は3年ぶり3回目。県内から2校が出場するのは、03年の第75回大会に両校が出場して以来、10年ぶり3回目となる。出場決定の一報が入った両校では、選手や生徒らが喜びに沸いた。3月15日に組み合わせ抽選が行われ、大会は同22日に兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開幕する。

◇浦和学院に待望切符

 浦和学院の出場決定を知らせる電話が鳴ったのは、午後3時10分ごろ。校長室で待機していた小沢友紀雄校長は、緊張した面持ちで受話器を取ると「ありがたくお受けしたいと思います。よろしくお願いします」と答え、ほっとした表情を見せた。

 小沢校長はグラウンドに整列した選手たちに出場決定を報告。「これまで非常に厳しい練習に耐え、一つ一つの試合を勝ち抜いてきました。その力を十分に発揮できれば、甲子園での戦いも一つ一つ勝ち抜いていけると思います。地域の人や県外にいる浦学ファンなど多くの人に『本当にいい試合をしたな』と言われる試合をしてほしい」と激励。グラウンドに集まったソングリーダー部員や吹奏楽部員、保護者らも激励の言葉や拍手を送った。

 森士(おさむ)監督は「応援していただけるのにふさわしい姿を見せられるよう、日々精進していこう。信頼してくださる人たちの思いを裏切らない戦いができるように、これから頑張っていこう」と語りかけ、選手たちは引き締まった表情で決意を新たにした。

 史上初の関東大会3連覇を達成してつかんだセンバツ出場。甲子園は昨春のセンバツから3季連続出場で、チームには甲子園経験者が多く残る。だが、1年時からレギュラーとして活躍している竹村春樹選手(2年)は「他の出場校と比べて地力がない。一球に集中して、最後まであきらめずに戦いたい」と気を引き締めた。山根佑太選手(2年)は「甲子園の舞台に再び立つことができる喜びを感じている。日本一を目標に全力で戦いたい」と闘志を燃やす。

 贄(にえ)隼斗選手(2年)は「一球に魂を込めて、見ている人たちに感動を与えられるプレーをしたい」。昨夏の甲子園のマウンドに立った1年生エースの小島和哉投手は「先輩たちのためにもチームの勝ちに貢献したい」と力強く語った。

◇進学指導にも力

 浦和学院(小沢友紀雄校長、さいたま市緑区代山)は、1978年創立の男女共学の私立校。生徒数(1月現在)は、2370人(男子1278人、女子1092人)。部活動だけでなく国際教育や進学指導にも力を入れており、大学や短大、専門学校への現役進学率は95%(11年度)。

 野球部創部は学校創立と同年。現在の部員は54人(1年24人、2年26人、女子マネジャー4人)。甲子園は86年夏に初出場し、ベスト4入りした。今回を含めて春夏合わせて計20回の出場は県勢最多となる。昨秋の関東大会では史上初の3連覇を達成した。

 主な卒業生には、埼玉西武ライオンズの坂元弥太郎選手やタレントの畑野浩子さんらがいる。

◇地元後援会エール

 浦和学院があるさいたま市緑区の代山地区の住民有志が結成した「地元後援会」の一員が、同校で開かれたセンバツ出場報告会で「甲子園で優勝してもらいたい」とエールを送った。

 後援会は、昨年7月に結成された。約60人が集い、夏の甲子園大会や秋季関東大会、明治神宮大会など球場に足を運び、声を張り上げた。時には選手を自宅などに招き、丹精込めた食事で球児を後押ししてきた。

 会田稔会長(65)は「センバツ出場が決まり、うれしいの一言だ。甲子園では粘り強い試合をしてほしい」と激励した。

◇乗降客らに号外

 浦和学院高校の生徒らが乗降するJR武蔵野線と埼玉高速鉄道の東川口駅では、センバツ出場の号外が乗降客らに配られた。

 友人と帰宅途中の県立越谷南高校3年、竹内亜由美さん(18)は「野球は大好きなので、おめでとうと言いたい。(浦学は)自宅近くにあるので、親近感があり応援したいです」と激励。都内に向かう途中という、さいたま市南区の会社員、買手〓子(としこ)さん(75)は「選手が一生懸命プレーするのが魅力。(出場は)素晴らしい」と話した。

◇全員野球で感動を 小沢友紀雄校長

 選手たちは頑張ってここまで勝ち抜いてきたので、普段の力を出し切ることができればいい成績が出てくるのではないかと期待している。全員野球で頑張ってほしい。高校野球は真剣さが共感を呼ぶ。見ている人たちに感動と爽やかさを与えるようないい試合をしてほしい。

◇一戦集中でプレー 浦和学院・森士監督

 新たな戦いの舞台に出させていただけることに感謝したい。また日ごろから応援、支援してくださる方々にも感謝したい。選手たちには、目の前の一戦に集中することを心がけてほしい。個々のレベルアップがこの冬の課題だ。甲子園では一戦必勝で、プレーできることの喜びを感じて戦いたい。

◇支えていきたい 浦和学院野球部父母会・西川孝会長

 目標の「全国優勝」へのステージに立つためのスタートを切ることができた。埼玉県の代表として、関東地区の代表として恥ずかしくない試合をできるよう、父母会としても支えていきたい。ベンチの選手もスタンドの選手も、全員が浦学の選手として一緒に戦ってほしい。

(毎日新聞埼玉版)

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