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夏季埼玉県高校野球、8日開幕 大会展望

徳栄筆頭も実力伯仲 8日開幕

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止になった第102回全国高校野球選手権大会と同埼玉大会の代替大会となる夏季埼玉県高校野球大会は8日、東西南北の4地区に計148チーム(160校)が参加して開幕する。

 優勝争いは、昨夏の埼玉大会で5連覇を達成し、大会期間中に甲子園で行われる交流試合に出場する東部地区の花咲徳栄が中心。ただ、同地区の春日部共栄や昌平、南部地区の浦和学院と埼玉栄、西部地区の聖望学園、北部地区の上尾や正智深谷なども実力を備えており、花咲徳栄が絶対的優位とは言えない。花咲徳栄の“夏の6連覇”を阻むチームが出てくるのか、王者が貫禄を示すのか。熱戦の行方を4地区に分けて探った。

東部「共栄と昌平追う構図」

 東部地区は、投打に戦力が充実している昨秋の県大会覇者で関東大会8強の花咲徳栄が最有力。これを春日部共栄、昌平などが追う構図だ。

 花咲徳栄は、県内随一の強打者井上を1番に抜てきし、昨夏の甲子園を経験している中井と田村を上位打線に置く「超攻撃的」な打順を組む。切れ味抜群のエース左腕高森を筆頭に、投手陣も粒ぞろい。順当なら、春日部共栄と対戦する3回戦が最初のヤマになる。

 春日部共栄は強打者の平尾や走力のある土谷らを軸に、機動力も絡めて攻撃。右横手のエース三枝は課題の制球力も安定し、準備が整った。

 昌平は攻撃陣の層が厚い。1年次から4番を務める渡辺や千田、角田、吉野哲など強打者がそろう。春日部東や草加など、公立校も存在感を示したいところだ。

西部「聖望学園が盤石布陣」

 西部地区は聖望学園が中心だ。川越東、狭山ヶ丘、市川越、山村学園なども虎視眈々と頂点を狙っている。

 聖望学園の打撃陣はプロ注目の遊撃手、蔵田を軸に左打者を多く並べる。投手は最速143キロの本格派エース園田に加えて、右横手投げの清水が抑えに控える盤石の布陣となった。

 追い掛ける第一候補は川越東か。右横手から140キロ台の直球を投げる蔭山が投手陣の柱で、攻撃では186センチの大型遊撃手三枝が打線を引っ張る。狭山ヶ丘も地区大会制覇に照準。エースで4番の清水が投打で実力を発揮できれば、ダークホースとなりそうだ。

 昨年夏の埼玉大会準優勝の山村学園をはじめ、実力校である市川越、武蔵越生も勢いに乗れば快進撃を見せる可能性を秘めている。

南部「浦和学院、一歩リード」

 好投手がそろう南部地区は、浦和学院が総合力で一歩リード。これを埼玉栄、西武台、浦和実、大宮東などが追う。

 浦和学院は、最速148キロの直球が持ち味のエース右腕美又や左腕廣咲ら投手陣の戦力が充実。打線は里、小櫻、金丸の主軸を中心に、切れ目ない攻撃で援護する。

 本命を倒す1番手の埼玉栄は、プロ注目で最速148キロの直球が武器のエース右腕内田に加え、左腕田村も安定している。攻撃は江城らの足を絡め、得点していく。

 昨秋の関東大会8強の西武台は、制球力のあるエース左腕増田と長打力を備えた松本がけん引する。浦和実は伸びのある直球が武器の右腕豆田が頼もしい。大宮東は技巧派左腕河内と右腕石塚に注目。このほか、昨秋の県大会4強の川口市立や武南も侮れない。

北部「上尾、正智を軸に混戦」

 北部地区は、4地区で最も混戦模様だ。上尾や正智深谷をはじめ、どこが勝ち上がってきてもおかしくないだろう。

 上尾は一発がある秋葉と金子、出塁率が高い佐藤と勝負強さを持つ田中涼ら、切れ目のない打線で勝機を広げる。投手陣は安定感が持ち味のエース右腕堀を筆頭に倉持、岩崎、田中優、富沢の5投手を総動員し、最少失点にしのぐ。順当に勝ち進めば、正智深谷と顔を合わせる3回戦が大きなヤマになりそうだ。

 正智深谷は、1年次から背番号1を付ける右腕北田が勝負の鍵を握る。最速140キロの伸びのある直球とスプリットを武器に、凡打の山を築く。打線も田渕、萩原らを軸にそつなく得点する。

 このほか熊谷工、本庄第一、熊谷商、松山、東農大三、鴻巣なども力があり、台風の目になり得る。

(埼玉新聞)

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