【写真】2回、一塁から先制の右越え三塁打。8回には1死から左越えソロ本塁打を放ち2安打2打点と勝利に貢献した高山の打撃
(31日・ノーブルホームスタジアム水戸ほか)
第2日は1回戦の残り4試合を行い、5年ぶり18度目出場の浦和学院は向上(神奈川2位)を7-5で下し、準々決勝に駒を進めた。2年ぶり14度目出場の花咲徳栄は4-9で東海大相模(同1位)に敗れた。
浦和学院は二回に高山の適時三塁打などで3点を先取。五回にも3点加えると、6-5の八回には高山が左越えソロを放ち突き放した。
花咲徳栄は一回にエース金子が2死から3連打を含む4安打されるなど5失点。2番手の熊倉も4失点と、東海大相模打線につかまった。攻撃は二、三回に計4点を返したが、序盤の大量失点が響いた。
打順組み替え奏功
打ち勝つ力が埼玉の王者にはある。浦和学院は9安打7得点と効率の良い攻撃で初戦突破。関東で初めて指揮を執る森監督は「打ち合いになった時にひっくり返されなかったのがよかった」と語った。
「(県大会決勝から)1カ月間に練習試合で試して、この打順に落ち着いた」(森監督)と県大会では7番で長距離打者の鍋倉を4番に据えるなど4番以降を並び替えて臨んだ策が功を奏した。
それを象徴するのは二回の攻撃だ。無死一塁から6番高山が「直球を狙ってフルスイングでいけた」と適時三塁打で先制。続く伊丹も、これまで4番に座っていただけに長打が見込める。その期待を裏切らず、左中間へ適時二塁打を放って追加点。さらに宮城のタイムリーで3点目。五回には中押しの3点、八回にもダメ押しと確実に得点を奪った。
7年ぶりの選抜大会出場を確定させるまで、あと1勝。桐生第一(群馬)との準々決勝について、金田は「相手もバッティングを売りにしているから、まずは打ち勝ちたい」と気合を入れ直した。
フルスイング、2長打で貢献 6番高山
「高山が6番にいることで攻撃の厚みが増す」と森監督が高評価する高山がこの日、長打2本を放ち勝利に貢献した。
1打席目の三塁打、4打席目の本塁打は、ともに直球を狙って仕留めたもの。「フルスイングを意識した」と高山。チームで心掛けている打撃を体現した。だが、「調子は良くない」と、満足することなく向上心を燃やしている。
選抜出場に向けた大一番となる準々決勝を見据え、好打者は「まずは打ち勝ちたい」と次も快音を響かせるつもりだ。
(埼玉新聞)
高山維月選手の話
2ボールから真っすぐを狙っていて、甘いところに来たので思い切ってフルスイングしました。なんとか1点がほしいという場面で、ああいうホームランが出たので本当に良かったです。
八谷晟歩主将の話
今バッティングの調子が良いので、それを継続しつつ、ピッチャー陣と野手の連係だったり、打てなくてもしっかり守り切るという野球をしたいです。
(テレ玉「第74回秋季関東地区高校野球ダイジェスト」より)
浦和学院が逃げ切り2回戦進出 高山維月が先制打&ダメ押しソロ
浦和学院(埼玉1位)は2回、向上(神奈川2位)先発の身長187センチの本格派右腕、佐藤諒音投手(2年)を攻め、無死一塁から高山維月捕手(2年)の右中間への適時三塁打で先制。さらに伊丹一博外野手(2年)、宮城誇南投手(2年)に連続適時打が出て、この回4連打で3点を先取した。
3点を追う向上は4回裏、1死一塁から武富航佑内野手(1年)の左中間二塁打で二、三塁。この好機で遠藤稔弥内野手(1年)が三遊間を強襲する安打。打球が左翼へ転がる間に二塁走者も生還して2点を奪い、1点差に追い上げた。
その後両チーム加点して6-5と浦和学院が1点リードで迎えた8回表。高山が左中間にソロを放ち2点差に。このまま浦和学院が逃げ切って、2回戦に進出した。
浦和学院・森大監督「粘り強い試合で勝てたのはよかった」接戦を制し評価
浦和学院(埼玉1位)が接戦をものにして2回戦に進出した。森大監督(30)は「こういう粘り強い試合で勝てたのはよかった。春、夏と接戦で苦しんできたので、こうした勝ち方は浦和学院にとって大きいです」と、もつれた試合を8回の高山維月捕手(2年)のソロで突き放した試合展開を念頭に評価した。
序盤2回に4連打で3点を先制するも、その後は粘る向上に追い上げられ、決め手を欠く流れとなった。その中で、遊撃手の金田優太(2年)、二塁手の大内碧真(2年)が好守備を連発。相手にスキを見せなかった。
浦和学院が初戦突破「今年の選手たちは打力がある」森監督
浦和学院が、向上に打ち勝ち初戦を突破した。
6番・高山維月(いつき)捕手(2年)が、今年のチームスローガン「超攻撃野球」を実践した。
2回無死一塁からインコースの真っすぐをフルスイング。右越えの三塁打で先制点を挙げた。1点差に迫られて迎えた8回には、1死から真ん中高めの真っすぐを振り切り左越えのソロアーチ。粘る向上を振り切る1発となった。「今まで引っ張った打球ばかりで、逆方向に打ったことがなかった。初めての打球。よく飛んでくれました」とニッコリ笑った。
恩返しの思いを込めた。1週間前から「上位打線を打ちたい」と、朝5時から1時間、打ち込みに取り組んだ。その朝練習で、トスを上げてくれたのが、今大会メンバーを外れた綿引健将投手(2年)だった。2安打2打点の高山は「綿引のおかげです」と感謝。森大監督(30)は「(高山は)大会前から当たっていた。今日は気持ちよく打っていましたね」と評した。
チームは9安打で7得点。今年は春の関東大会から打撃戦で競り負ける試合が多かった。新チームとなってから「超攻撃型」をスローガンに掲げた。森監督は「今年の選手たちは打力がある。勢いに乗って思い切りやろうというのがテーマです」と話す。ベンチでも「失敗してもいい。大丈夫だ。打って返していこう」と、追い上げられても落ち着いて攻撃に徹し流れを引き寄せた。「選手たちはよく粘ってくれました。春、夏と打ち負けていた。こういう試合を勝てたのは浦和学院としては大きい」と話した。
“新生浦和学院”の野球で初戦を突破。この勢いに乗っていく。
(日刊スポーツ)
浦和学院、競り勝つ 八回に高山ソロ
第74回秋季関東地区高校野球大会(関東地区高校野球連盟主催、毎日新聞社など後援)は31日、茨城県のJ:COMスタジアム土浦とノーブルホームスタジアム水戸で1回戦の残り4試合を行い、浦和学院(埼玉1位)は向上(神奈川2位)に7-5で競り勝った。花咲徳栄(埼玉2位)は東海大相模(神奈川1位)に4-9で敗れた。2回戦は2日、両球場で行われる。
浦和学院は二回、高山の適時三塁打など4連打で3点を先取。五回に金田の2点二塁打などで3点を加え、八回には高山のソロで突き放した。向上は四、五、六回の長打攻勢で1点差に迫ったが、七回以降は浦和学院の2番手・金田に反撃を封じられた。
(毎日新聞埼玉版)
次戦の相手・桐生第一は投打充実の強敵
2年ぶりに秋の県頂点に立った桐生第一。終盤に逆転した決勝も含め、県予選全5試合で5点以上の差を付け、投打に充実している。
つなぎの役割を超える強打の2番打者、三塚琉生主将が打線を引っ張る。県予選で打率3割5分、バントで送らず、豪快なスイングで相手に立ち向かう。4番の提箸優雅はチーム最多の11打点を挙げ、打撃センスと勝負強さを発揮した。今月中旬の練習試合、聖光学院(福島)戦では高校通算4号の本塁打をマーク。昨秋の1年生強化試合「若駒杯」で9番打者だったが、主砲に飛躍し「県予選後、打撃の状態が良くなっている」と自信たっぷりだ。
投手陣は防御率1・61のエース北村流音を筆頭に、安定感に優れる。2番手の飯野剛史も状態が上がりつつある。変化の大きいスライダーを武器とする飯野は「2勝して選抜に」と意気込む。
試合結果
秋季関東大会・1回戦(10/31・ノーブルホームスタジアム水戸)
TEAM | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | H | E |
浦和学院 | 0 | 3 | 0 | 0 | 3 | 0 | 0 | 1 | 0 | 7 | 9 | 1 |
向上 | 0 | 0 | 0 | 2 | 2 | 1 | 0 | 0 | 0 | 5 | 8 | 2 |
【浦】 | 宮城、金田-高山 |
【花】 | 佐藤-廣田 |
本 | 高山(浦) |
三 | 高山(浦) |
二 | 金田2、伊丹(浦)武富、廣田、野坂、遠藤(向) |
打撃成績
浦和学院 | ||||
位置 | 選手名 | 打数 | 安打 | 打点 |
⑤4 | 八谷 | 4 | 0 | 0 |
④6 | 大内 | 4 | 1 | 0 |
⑥1 | 金田 | 5 | 2 | 2 |
③ | 鍋倉 | 4 | 1 | 0 |
⑨ | 喜屋武 | 5 | 1 | 0 |
② | 高山 | 4 | 2 | 2 |
⑧7 | 伊丹 | 3 | 1 | 1 |
①8 | 宮城 | 3 | 1 | 1 |
⑦ | 小林 | 1 | 0 | 0 |
5 | 森 | 1 | 0 | 0 |
計 | 34 | 9 | 6 | |
向上 | ||||
位置 | 選手名 | 打数 | 安打 | 打点 |
⑧ | 小野 | 5 | 0 | 0 |
④ | 池上 | 4 | 1 | 0 |
⑨ | 田島 | 4 | 1 | 0 |
② | 廣田 | 4 | 1 | 1 |
① | 佐藤 | 4 | 1 | 0 |
③ | 野坂 | 3 | 1 | 1 |
⑤ | 武富 | 4 | 1 | 0 |
⑥ | 遠藤 | 4 | 2 | 1 |
⑦ | 永井 | 1 | 0 | 0 |
H | 水島 | 1 | 0 | 0 |
7 | 金子 | 0 | 0 | 0 |
計 | 34 | 8 | 3 |
投手成績
浦和学院 | |||||||
選手名 | 回 | 安打 | 三振 | 四球 | 死球 | 失点 | 自責 |
宮城 | 5 | 7 | 4 | 1 | 1 | 4 | 4 |
金田 | 4 | 1 | 2 | 1 | 0 | 1 | 1 |
計 | 9 | 8 | 6 | 2 | 1 | 5 | 5 |
向上 | |||||||
選手名 | 回 | 安打 | 三振 | 四球 | 死球 | 失点 | 自責 |
佐藤 | 9 | 9 | 3 | 4 | 0 | 7 | 7 |
計 | 9 | 9 | 3 | 4 | 0 | 7 | 7 |
チーム成績
TEAM | 攻撃 | 守備 | |||||
三振 | 四死球 | 犠打 | 盗塁 | 残塁 | 失策 | 併殺 | |
浦和学院 | 3 | 4 | 3 | 1 | 7 | 1 | 0 |
向上 | 6 | 3 | 1 | 0 | 7 | 2 | 0 |
浦和学院は二回に3点を先制すると、そのまま逃げ切った。二回無死一塁から高山の適時三塁打で先制し、伊丹、宮城も連続タイムリー。五回には金田の2点二塁打などで3点を加え、八回も高山のソロでダメを押した。投げては、エース宮城が5回4失点でしのぐと、2番手金田は1失点に抑えた。