秋季県高校野球大会は2日、県営大宮、市営大宮で準々決勝を行い、ベスト4が決まる。第1シード聖望学園が初戦で敗れる波乱もあったが、2季連続の甲子園を狙う春日部共栄、浦和学院、花咲徳栄のシード勢は順当に勝ち進んだ。川越東、昌平の私学に加え、市川越、春日部東、朝霞と公立勢も名を連ねた。くしくも各カードが東西南部地区同士の激突となった準々決勝を展望する。
◇市川越vs川越東「屈指の好投手激突 鍵握る序盤の攻防」
県内屈指の好投手が顔を合わせる注目カード。市川越の右腕登坂、川越東の左腕高橋は両エースともにキレのある直球が持ち味。どちらも尻上がりに調子を上げるタイプだけに、序盤の攻防が一つのポイント。打力では上位から下位まで左打者が並ぶ川越東打線が一枚上か。市川越は捕手原田と宮崎、前村の二遊間を中心に堅実な守備からリズムをつくりたい。
◇春日部東vs春日部共栄「足封じ接戦に勝機」
10年ぶりの8強入りを果たした春日部東は右横の小川、右上の木下を中心とした粘り強さが最大の武器。接戦を制して勝ち上がったこれまで同様に、ロースコアの展開に持ち込めば勝機が見えてくる。春日部共栄はエース右腕高野の疲労が不安材料で、秋間、石川の先発もありそう。例年以上に機動力を駆使する打線と春日部東バッテリーの戦いも見どころだ。
◇花咲徳栄vs昌平「王者に挑む方程式」
昌平は地区大会から岩瀬、山田の継投が勝利の方程式。3回戦でランニング本塁打を放った野崎や浅井、藤塚ら打線も好調だ。投打で完成度の高い昨秋王者の花咲徳栄は冷静な試合運びができれば優位は揺るがない。1年生左腕高橋を軸とする投手陣は右腕鎌倉の復帰が好材料。バント安打などの小技を封じるためにも、昌平ナインは最大限の集中力が必要となる。
◇朝霞vs浦和学院「継投と経験で勝負」
夏も正捕手を務めた中野ら10人が新チームに残る朝霞は経験で勝る。夏の3回戦で浦和学院を破った川口の左腕中島を既に攻略しており、いい精神状況で試合に臨めそうだ。エース柴崎に加えて田頭、伊東、池田と顔触れ豊かな投手陣をマウンドに送るタイミングも重要なポイント。地力上位の浦和学院はエース左腕の江口が我慢強く打線の援護を待ちたい。
(埼玉新聞)