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すべて勝利のために/上「悔しさ原点大舞台へ」佐藤拓也投手

 選手たちが毎日必ず書く野球日誌。新2年生右腕はそのノートの書き出しにいつも同じ事を記している。「2010年11月16日、日大三に負けた悔しさを忘れない」。それがエースの原点だ。

 昨秋の明治神宮大会準決勝。0-0の四回無死満塁のピンチ。併殺で2死としたが、直後に先制打を打たれると、次打者に3ランを浴びた。「点を取られて切り替えようと思ったが、カーブが真ん中にいってしまった」。公式戦登板11試合目でついた初黒星だった。

 県大会まで背番号7だった。南部地区大会の浦和西戦が初登板。決勝まで全6試合に先発し、防御率0・47。準々決勝の聖望学園戦では5回参考無安打無得点を達成し、春日部共栄との決勝では2安打完封した。

 関東大会で初の1番を背負うと横浜、東海大相模など強豪を相手に3試合で自責点4、防御率1・33と好投。「あそこまで活躍できると思っていなかった」。マウンドの姿とは対照的に、はにかむ笑顔は16歳らしい。

 投球以外でも、野球センスに溢れている。50メートル走は6秒0。打者としても無駄のないフォームから鋭い当たりを飛ばす。昨秋の打率4割2分9厘、チーム一の17打点が物語る。「甲子園の舞台で思い切りプレーして自分の力を出し切りたい」。打っても非凡なスーパールーキー。そのデビューが待ち遠しい。

 27日の初戦、鹿児島実戦まであと2日。関東王者として初の頂点に挑む浦和学院を支える3選手を追う。

(埼玉新聞)

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