第67回春季関東高校野球大会第3日は18日、山梨県の富士北麓公園野球場などで準々決勝4試合を行い、選抜大会4強で2年ぶり5度目の優勝を狙う埼玉大会覇者・浦和学院が前橋育英(群馬1位)を6-2で退け、2年ぶりの4強入りを決めた。県準優勝で昨秋に続いて関東大会初出場の川越東は佼成学園(東京2位)を6-1で破り、春秋通じて初のベスト4進出を果たした。
浦和学院は先発の左腕小倉が切れ味鋭いスライダーを軸に九回途中2失点と好投。バックも無失策の堅守で左腕を援護し、六回には三塁手諏訪の好判断で窮地をしのいだ。打線は三回1死満塁から山崎滉の中越え2点二塁打などで3点を奪うと、八回にも1死一、二塁から敵失と幸喜の2点中前打で3点を加えた。
川越東は1点を追う五回、敵失と野選で逆転すると、なおも2死満塁から星野が右前2点適時打を放つなど打者9人の猛攻で一挙4得点。六回にも吉沢、藤野の適時打で突き放した。投げては磯川、高橋、篠原の継投で三回以降は反撃を許さなかった。
第4日は19日、山日YBS球場で準決勝2試合を実施。浦和学院は神奈川1位の東海大相模と対戦(10時)。川越東は群馬2位の健大高崎と顔を合わせる(12時30分)。
◇浦学、堅守で逃げ切り きょう準決勝 |
第3日は2球場で準々決勝4試合を行い、選抜大会4強で埼玉王者の浦和学院が前橋育英(群馬1位)を6-2で退け、2年ぶりのベスト4進出を決めた。県大会準優勝で初出場の川越東は佼成学園(東京2位)を6-1で破り、初の4強入りを果たした。
浦和学院は先発の左腕小倉が味方の堅守にも助けられて九回途中2失点の好投。打線は三回に山崎滉の中越え2点二塁打などで3点を奪うと、八回にも幸喜の2点適時打などで3点を加えた。
川越東は1点を追う五回に星野の右前適時打など打者9人の猛攻で4得点と逆転に成功。投げては磯川、高橋、篠原の継投で三回以降は反撃を許さなかった。
第4日は19日、山日YBS球場で準決勝2試合を実施。浦和学院は神奈川1位の東海大相模と激突(10時)。川越東は群馬2位の健大高崎と顔を合わせる(12時30分)。
◇打撃面に課題多く |
バックスクリーン後方にそびえ立つ富士山のように、揺るぎない堅守を武器に逃げ切り、浦和学院が2年ぶりのベスト4進出を決めた。
三回に山崎滉の中越え2点二塁打などで3点を先行した浦和学院だったが、中盤は苦しい場面が続いた。先発小倉が2巡目の下位打線を迎えた五回、2死から四球と二塁打で二、三塁のピンチを招く。遊撃手津田が9番森平の打球を冷静にさばいて事なきを得た。
続く六回の守備。1死一、二塁で打席には2回戦で逆転サヨナラ3点適時打を放っている4番井古田。2球目の内角直球を詰まらせた三ゴロが諏訪の正面を突くと、迷わず三塁ベースを踏んで一塁へ転送。華麗な併殺で窮地を切り抜けた。
一方で、12安打を放ちながら4併殺と精彩を欠いた打撃面は課題が残った。森監督も「とにかくバントが下手。打たせればゲッツー。攻撃のリズムが悪過ぎる」とおかんむりだ。八回の攻撃では1死一、二塁から二塁走者がエンドランのサイン見逃し。結果は西野の打球が敵失を誘って得点したが、流れを失いかねない大きなミスだった。
19日の準決勝は神奈川王者・東海大相模との大一番。主将の津田は「次は一つのミスで負ける相手。役割を果たせるように整えていきたい」と修正を掲げる。個々の力を結集しなければ、決勝の舞台も見えてこない。
◇先発小倉が好投 完封目前、被弾に悔い |
先発の左腕小倉は九回2死から四球を出すと、「ボールに投げるつもりだった」と続く兵頭への内角直球が甘く入った。完封を目前に左越え2ランを浴び、「きょうの真っすぐは50点行くか行かないか」と悔しげにマウンドを降りた。
切れのあるスライダーを軸に一回から3者連続三振と最高の滑り出しを見せた。八回まで4安打無失点と辛抱強く投げ抜いたが、最後の最後に一球の怖さを痛感。「本当に必要な場面で真っすぐを投げ切れるように」と課題を挙げた。
◇4番の意地 先制二塁打 山崎滉 |
攻守で一塁側スタンドを沸かせたのは山崎滉だ。1死満塁で迎えた三回の好機では「絶対に打ってランナーをかえすことだけ考えた」と中越えの2点二塁打。1打席目の一回1死一、三塁では甘い球を打ち損じて遊ゴロ併殺に倒れていたものの、4番の意地で先制点をたたき出した。
七回にはフェンス際の一邪飛を好捕。「追い掛けてギリギリ届いた」という気迫のプレーで勝利に貢献した。2試合で6打数4安打4打点と大暴れの主砲は「どこが来ても自分のスイングをしたい」と語気を強めた。
(埼玉新聞)
試合結果 |
準々決勝 5月18日(富士北麓公園) | ||||||||||||
TEAM | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | H | E |
前橋育英 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 2 | 5 | 2 |
浦和学院 | 0 | 0 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | x | 6 | 12 | 0 |
【浦】小倉、榊原-西野【前】松本、佐藤、山本-森田 ▽本塁打:兵頭(前)▽二塁打:山崎滉(浦)佐藤(前) |
浦和学院打撃成績 | ||||
位置 | 選手名 | 打数 | 安打 | 打点 |
⑤ | 諏訪 | 3 | 0 | 0 |
④ | 臺 | 3 | 2 | 0 |
⑥ | 津田 | 3 | 1 | 0 |
③ | 山崎滉 | 4 | 3 | 2 |
⑨ | 高橋 | 3 | 1 | 0 |
H9 | 桑原 | 1 | 0 | 0 |
⑧ | 荒木 | 3 | 2 | 0 |
② | 西野 | 3 | 1 | 0 |
⑦ | 幸喜 | 4 | 1 | 2 |
① | 小倉 | 4 | 1 | 0 |
1 | 榊原 | 0 | 0 | 0 |
計 | 31 | 12 | 4 | |
前橋育英打撃成績 | ||||
位置 | 選手名 | 打数 | 安打 | 打点 |
⑥7 | 石田 | 4 | 1 | 0 |
④ | 飯塚 | 2 | 0 | 0 |
⑦ | 高橋 | 2 | 0 | 0 |
H | 奥沢 | 1 | 1 | 0 |
R6 | 長谷川 | 1 | 0 | 0 |
⑤ | 井古田 | 4 | 1 | 0 |
⑨ | 石川 | 3 | 0 | 0 |
H | 小林 | 0 | 0 | 0 |
③ | 兵頭 | 4 | 1 | 2 |
② | 森田 | 3 | 0 | 0 |
① | 松本 | 1 | 0 | 0 |
1 | 佐藤 | 1 | 1 | 0 |
H | 柴崎 | 1 | 0 | 0 |
1 | 山本 | 0 | 0 | 0 |
⑧ | 森平 | 3 | 0 | 0 |
計 | 30 | 5 | 2 |
投手成績 | |||||||
TEAM | 選手名 | 回 | 被安打 | 奪三振 | 四死球 | 失点 | 自責点 |
浦和学院 | 小倉 | 8 2/3 | 5 | 5 | 4 | 2 | 2 |
榊原 | 1/3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
前橋育英 | 松本 | 3 | 4 | 2 | 2 | 3 | 2 |
佐藤 | 4 | 5 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
山本 | 1 | 3 | 0 | 0 | 3 | 0 |
TEAM | 三振 | 四死球 | 犠打 | 盗塁 | 失策 | 併殺 | 残塁 |
浦和学院 | 2 | 2 | 3 | 0 | 0 | 2 | 6 |
前橋育英 | 5 | 4 | 0 | 0 | 2 | 4 | 5 |
序盤の得点で優位に試合を進めた浦和学院が、前橋育英の反撃を堅守でしのいだ。
浦和学院は三回1死満塁から山崎滉の中越え2点二塁打などで3点を先制。八回には1死一、二塁から敵失と幸喜の中前2点打で3点を加えた。先発の左腕小倉は九回2死から兵頭に2ランを浴びて完封を逃したが、好守にも助けられて8回2/3を2失点にまとめた。