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最後の夏へ、ゼロから再び 浦学・小島和哉投手

 甲高い金属音が響き、白球は左翼席に飛び込んだ。同点で迎えた9回、浦和学院のエース小島和哉投手(3年)が投じた初球。高めに浮いた速球は、山梨学院大付の先頭打者にはじき返され、サヨナラ本塁打に。小島投手は表情を変えず、試合後のあいさつの列に並んだ。

 勝ち越しては追いつかれた。3回からマウンドに立った小島投手。7回、再び同点に追いつかれ、さらに2死満塁のピンチ。6番打者を一ゴロに打ち取ると、珍しく感情を表に出し、小さくガッツポーズ。味方の反撃を待ったが、打線は得点できなかった。

 浦和学院は昨秋の県大会で、3回戦で敗退。冬場に小島投手は走り込みを増やした。下半身が安定し、制球が良くなったという。その成果は春季県大会で表れ、優勝して関東大会に進出した。

 「小島は良い状態だったから、この結果は悔しいはず。ただ春季大会の疲れが残っていた」。森士(おさむ)監督は県大会から好投を続けた小島投手をかばった。

 小島投手は唇をかみ締め、言葉少なに話した。「夏に向けて、もう一度すべてを見つめ直して頑張ります」。最後の夏へ、気持ちを切り替えた。

(朝日新聞埼玉版)

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